[レポート] 1月2日週の外国為替市場分析
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2007年1月3日付」より
先週の概況
先週はクロス円を中心に強含みの展開となり、ユーロ/円など軒並み新高値を更新
欧米のクリスマス休暇のただなかで始まった先週の市場は、薄商いのなかキャリートレードに絡む円売りが優勢となり、ユーロ/円や豪ドル/円などで新高値をつけるなどクロス円が軒並み上昇する展開となりました。
25日月曜日は東京市場を除いたほぼ世界中の市場が休場する関係で、きわめて閑散とした取引となりドル/円・クロス円は118円後半でほとんど動きのない展開となりました。午後に行われた福井日銀総裁の講演もこれまでの発言を繰り返すにとどまり、市場の反応は特にありませんでした。
翌26日火曜日は朝方に11月全国消費者物価指数が発表され、来月17-18日の日銀金融政策決定会合での追加利上げの可能性を探る上で材料視されていましたが、結果はほぼ市場の予想通りとなり、一部の報道で誤って予想を下回る結果が発表されたことから一時円売りが先行したものの、同時に発表された失業率が4.0%に改善されていたこともあって、ドル/円は119円手前で上げ渋りに。ドル買いが一服すると、午後からは欧州が休場のため動意のない値動きとなりましたが、NY時間に入って仕掛け的なドル買いが加速、ドル/円は2ヶ月ぶりに119円の大台を回復して119.20円の高値をつけました。その他の通貨はほぼ横ばいで推移。
27日水曜日ドル/円は朝方まで119円前半を維持するも、台湾地震の影響で海底ケーブルが損傷しアジアの広い範囲で通信障害が発生したため、東京市場ではリスク回避からドルポジション解消の動きが先行、ドル/円は118円後半まで下落。欧州時間も引き続きドルが売られる一方、クロス円も徐々に値を下げ、ユーロ/円は1週間ぶりに155円半ばまで下落、また先週ボーダフォン保有のスイスコム株買い戻しに絡んでスイスフランも大きく売られ、スイスフラン/円は97.20円付近から96.60円台まで下げました。しかし11月新規住宅販売件数が予想を上回るとドルの買い戻しが優勢となり、発表前に118.20円台まで下落していたドル/円は118円後半へ回復、ユーロ/円など他のクロス円も反発しました。
28日木曜日は朝方に本邦11月鉱工業生産の発表があり、予想より弱い結果となったものの前月比プラスを維持して円売りは限定的。その後は材料薄から動意のない動きが続きましたが、ロンドン時間に欧州中央銀行(ECB)メンバーのメルシュ・ルクセンブルク中銀総裁の「ユーロ圏の政策金利は依然低水準で、緩和的」「経済の力強さと流動性がインフレリスクになる」との発言を受けて欧州通貨が中心となって上昇、ユーロ/円は156.72円の史上最高値を更新し、スイスフラン/円も97円台を回復して先日の下落分を相殺。またNY時間に発表された一連の米指標、11月中古住宅販売件数と12月消費者信頼感指数、12月シカゴ購買部協会景気指数はそろって予想を上回る結果となり、ドルも上値を試す展開となったものの、上値は重く119円台を一時的に回復するにとどまりました。
昨年最後の営業日となった29日金曜日は材料薄のなか小幅ドル安で推移、ユーロとポンドは高値圏でもみ合いとなり、前日から堅調を維持するオセアニア通貨は、豪ドル/円が新高値となる94円台乗せを達成し、NZドル/円もこの日84円台を示現しました。その後はテクニカル主導の値動きでユーロ/円を中心に高値トライが続き、ユーロ/円は157円を突破して157.18円の最高値を更新、ドル/円も再び119円台に乗せ119.15円まで上昇。引けにかけてポジション調整からやや小緩むもののそれぞれ高値を維持して取引を終了しました。
なお先週の各通貨の終値はドル/円が118.96円、ユーロ/円157.09円、ポンド/円232.98円、豪ドル/円93.88円、NZドル/円83.79円、加ドル/円102.02円、スイスフラン/円97.65円でした。
主要な経済指標とイベント
1月3日(水)
【スイス】12月SVME購買部協会景気指数(17:30)
【スイス】12月製造業PMI(17:30)
【独】12月失業率(17:55)
【米】11月建設支出(24:00)
【米】12月ISM製造業景況指数(24:00)
【米】FOMC議事録 (12/12分) (28:00)
1月4日(木)
【NZ】11月貿易収支 (06:45)
【スイス】12月消費者物価指数(15:45)
【英】12月ハリファクス住宅価格指数(17:00)
【英】11月マネーサプライM4(確報値)(18:30)
【英】12月GfK消費者信頼感指数(19:30)
【加】11月鉱工業製品価格・製造業出荷(22:30)
【米】新規失業保険申請件数(22:30)
【米】11月製造業受注指数(24:00)
【米】12月ISM非製造業景況指数(24:00)
【米】11月中古住宅販売保留(24:00)
1月5日(金)
【日】12月マネタリーベース(08:50)
【欧】11月生産者物価指数(19:00)
【欧】11月小売売上高(19:00)
【欧】12月消費者信頼感 (19:00)
【加】12月失業率(21:00)
【米】12月雇用統計(22:30)
【加】12月Ivey購買部協会景気指数(24:00)
■各通貨ごとの分析
アメリカドル/円 USD/JPY
先週も5日移動平均線を引けで下回ることなく強い地合いを維持して越週となりましたが、週末に直近の高値119.20円を更新できなかったため上値の重い展開が予想されます。まずは119.20-118.50円のレンジ推移から放たれる方向に注意で、下値は先週安値の118.25円付近がまず試されることに。ここが崩れる場合、先月5日安値と26日高値の38.2%押しとなる117.37円から25日移動平均線の117.50円付近が支持線となり、1998年高値からの下降トレンドラインも117.30円に位置するため、このレベルでは底堅い値動きが予想されます。そして上値は旺盛なドル売り需要を吸収しながら119円半ばから後半にかけての抵抗線を突破できるか試され、心理的な節目の120円を越えればドル売り要因が払拭されて大相場となる可能性が出てきます。今週の予想レンジは117.30-120.00円。
ユーロ/円 EUR/JPY
今週も引き続き強い地合いでの推移が予想されるユーロ/円は、心理的な節目160円まで3円を切る段階になっており、目先の目標は上昇チャネル上限158円半ば付近となります。今回も押し目を狙う戦略となりますが、下値リスクを考えると理想としては自律調整的な押し目を拾いたいところ。一時的な下落はトレンドラインの156.00円付近まで考えられますが、このレベルを抜けて下押しが強まると先月下旬のもみ合いレンジ下限の155.40円が試されることに。25日移動平均線の位置する154.70円辺りまで下落するとこれまでの急こう配な上昇トレンドが終息へ。今週の予想レンジは155.50-158.50円。
英ポンド/円 GBP/JPY
ユーロ/円と同様に行き過ぎ感の強まるポンド/円は、6日で6.49円下落した昨年9月初旬の調整局面以来、本格的な調整を迎えていないこともあって買いづらい状況が続いています。下値が232.50-233.50円付近で支えられれば1998年8月10日高値240.96円をターゲットとした上昇トレンドが維持されると見られます。逆に調整局面を迎えた場合は心理的支持線となる230円付近での攻防が考えられ、また1992年高値基点の長期トレンドが強い支持線として229.00-30円に位置するため、このレベルでいったん下支えされると考えられます。今週の予想レンジは229.00-236.00円。
オーストラリアドル/円 AUD/JPY
先月オセアニア通貨は高金利を利用した円売りキャリートレード中心の取引で大きく上昇、94円台の新高値をつけました。ここから上の水準は1997年5月1日100.05円くらいしかなく、150円を突破後のユーロ/円のような青天井相場が続く可能性もあります。目先は90-100円の中間地点にあたる95円越えが意識されそうです。なおキャリートレード主導の取引という性質上、持ち高調整による下落には常に注意したいところ。下値は93.10-50円に位置する急こう配のトレンドラインで支えられれば、現在の強気相場が維持されますが、ここを下抜けると支持線の集まる92.50円付近が試されることに。今週の予想レンジは93.50-95.50円
ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
NZドル/円は先月に入って押し目らしい押し目もなく上昇、経済ファンダメンタルズを伴わない上昇に行き過ぎ感が高まるなか、強いトレンドを維持しています。こちらはまだ昨年高値87.09円を更新していないため、まだ上昇余地はあると考えられますが、高値手前で更新できずに失速した場合、大きな調整を受ける可能性があるので注意が必要です。上値は先月7日以来、NYクローズで下回ったことのない5日移動平均線が下支えとなるかがポイントとなり、目先のターゲットは一昨年12月12日の高値85.51円。また調整をほとんど受けずに上昇してきたため、下値では支持線となるポイントが少なく下へ大きく突き抜ける動きに注意。今週の予想ポイントは82.00-85.50円。
カナダドル/円 CAD/JPY
加ドル/円は主要なクロス円が上昇するなか、先週は上値の重い軟調な地合いが続きました。先月20日に103.31円まで上昇するも、50日移動平均線に阻まれ、対ドルでの軟化もあって一時101.67円まで下落。下値を25日移動平均線にサポートされる形でもみ合いとなりました。ドル/加ドルがテクニカル的な上昇局面を迎えたことから、今週も加ドル/円は引き続き上値を抑えられる展開となりそうです。101.70円の支持線を下へ抜ける動きに注意が必要ですが、このレベルを維持できるなら50日移動平均線の位置する102.70円までは上値余地がありそうです。今週の予想レンジは101.00-103.00円。
スイスフラン/円 CHF/JPY
スイスフランは先月からM&Aに絡むスイスフラン流出の思惑などから、欧州通貨に対して売られる展開が続いており、その影響でスイスフラン/円も他の欧州通貨に比べて伸び悩む展開になっています。チャート上では緩やかな上昇トレンドを描いていて、下値はトレンドラインの96.60-80円での押し目買いが検討され、上値はチャネル上限の98円前半が目先の目標となり、ここを強く越えていく場合には、1998年10月5日高値100.85円を視野に入れた強気相場の可能性が出てきます。今週の予想レンジは96.50-98.50円。
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