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富士通、LSI内電源変動をリアルタイム観測する技術を開発

2007年02月14日 16:33更新 前の記事 次の記事  テクノロジー・新技術一覧
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 14日、富士通研究所は、エイアールテックの協力で、LSI内の電源変動をリアルタイムに観測する技術を開発、低コストで実装し、LSI内の電源変動を直接観測することに世界で初めて成功したと発表した。今回開発した技術により、これまで以上に低消費電力で信頼性の高いLSIが可能となるとしている。

 半導体プロセスの微細化により、集積度が向上するとともに、消費電力の増大も懸念されており、低消費電力に向けては、電源電圧をできるだけ低下させる技術がますます重要になっているという。一方、回路動作に伴ってLSI内の電源電圧には変動が生じるため、今後、電圧変動をこれまで以上に低く抑えてかつ信頼性のあるLSIを実現するためには、LSI内部の電源電圧の動きをリアルタイムに観測してその性質を理解し、誤動作につながらないような対処をすることが必要になるという。

 これまで、LSI内の電源電圧変動を測定する代表的な手法としては、周期的な電圧変動に有効で、周期的に少しずつずらしながらサンプリングを行い、電圧変動の波形を再現する等価サンプリング手法があり、この手法は測定器を小さくでき、データを取り出すための帯域を小さくできるという特徴がある。しかし、測定する波形に周期性を仮定しなければならないという欠点があり、実際のLSIが動作している状態では、電圧変動は周期的ではないため、現実にはこの手法は適用できなかったという。

 また、実際のLSIの動作中に電圧変動の波形をリアルタイムに観測する実時間サンプリング手法も提案されているが、この手法は高速なサンプリングを実現しなければならないため、面積の大きな測定器と広い帯域のデータ通信が必要で、実際のLSIに実装するのはコスト増が大きいため現実的でないという問題があった。

 LSIの電圧変動では、ピークが下限電圧を下回る場合が特に問題になり、ピークの発生頻度は低いという特徴もあった。今回、富士通研究所は、このような性質に着目した新しい実時間サンプリング手法を考案したとしている。

 同手法では、電圧変動のピークのレベルを検出し、ピーク付近の電圧と発生時間のみを捉えるという。測定は2つのステップからなり、第1ステップで電圧のばらつきをヒストグラムで集計、第2ステップではヒストグラムから測定すべき周辺の範囲を絞り込み、狭い範囲内だけで電圧の変動のピークとその発生時間を探す。検索範囲を限定することで、不必要なデータを捨てることができるため、測定器の小型化とともに外部へのデータ通信の帯域を低く抑えることが可能となり、実際のLSIに省スペース、低コストで実装可能となったとしている。

 今回開発された実時間サンプリング手法により、従来手法と比較して電圧検出に必要な測定器の面積を14%に、またデータ発生量を1万分の1以下にまで低減することに成功。これにより、実時間サンプリング手法を実LSI上に実装できるようになり、実際に同社の90ナノメートルテクノロジーを用いてテストチップを作成し、LSIでアプリケーションが動作している状態で、世界で初めて電圧の変化をリアルタイムに観測することができたという。

 同社は、今後、同手法の実用化に向けた検証を行い、富士通の汎用LSIの設計や製品などへの適用を目指していく方針。今回開発した技術の詳細は、今月11日から15日に米国サンフランシスコで開催されている「国際固体素子回路会議ISSCC」で発表される予定。

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