外務省、エジプトに対する無償資金協力を発表
20日、外務省は、日本政府によるエジプト・アラブ共和国政府に対する総額3億3600万円を限度とする無償資金協力(貧困農民支援及び一般プロジェクト無償)に関する書簡交換が、カイロにて、槇田邦彦駐エジプト大使とファイザ・アブルナガ国際協力大臣との間で行われたと発表した。
ピラミッドに象徴される古代文明の発祥の地であるエジプトは、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する人口約7400万人の国で、国土の大半が砂漠であるが、ナイル川沿い及びナイル川デルタ地帯においては工業、農業が行われている。中東和平の推進やアフリカ開発問題などにおいて積極的な役割を果たし、中東・アフリカを中心とした国際政治における重要な地位を占めている。
エジプトは、年間降雨量が約5ミリメートルで、国土の大半が砂漠か岩山の不毛地帯であり、耕作可能な土地は国土の約4%に過ぎないため、同国の農業はナイル川の豊富な水資源を利用して行われ、かつては食糧の純輸出国であったが、近年は、過去10年間で約820万人(1995年比13.2%)という人口増加のために食糧の輸入が増え、食糧増産は国家の重要課題となっている。
エジプトの主食であり、その消費量が食糧全体の5割を占める小麦は、半分近くを輸入に頼っており、小麦の生産性向上による生産量の増大が急務となっているという。年間を通した二期作、三期作が農業の主流であるエジプトは、農業生産を上げるために、農業機械を必要としているが、農機は高価であるため、大多数の農民が農機貸出サービスを利用しているが、農機の絶対数の不足から多くの農民がこのサービスを受けられず手作業に頼っているという。
エジプト政府は、全国的に農機貸出ステーションを量的・質的に拡充し、農民への農業機械化促進を図るとしており、国内に農機貸出サービスや修理・訓練などを行う農業機械化センターの整備を進めている。
このような状況の下、エジプト政府は、農業機械の調達に必要な資金につき、日本政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、この支援の実施により、エジプトの貧困農民を支援するとともに、エジプトにおいて小麦の生産性向上が図られることが期待されるという。
エジプト有数の農業生産地であるナイルデルタ地域西部地域のベヘイラ州ダマンフール地域には、修理施設や研修施設を有する農業機械化ステーションが存在せず、貸出サービスの質が低く、農機故障が頻繁に起こることから、農民の需要に適切な対応ができずに生産性が低下しているという。
このような中、エジプト政府は、既存のダマンフール農業機械化ステーションに研修及び修理に必要な施設の建設と機材調達を行う「ダマンフール農業機械化センター近代化計画」の実施のために必要な資金について、日本政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、外務省では、同計画の実施により、当該地域の農業機械化の支援体制を確立することが可能になり、ベヘイラ州ダマンフール(農地面積約39万ヘクタール)の約115万人の農民の所得が向上し、これを通じてエジプトの経済社会開発に貢献することが期待されるとしている。
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