[コラム] 消費回復へ3つの朗報
出展:日本総合研究所ホームページ(http://www.jri.co.jp/)「チーフエコノミスト 湯元健治の眼/(株)日本総合研究所 チーフエコノミスト、調査部長 湯元 健治 2007年2月26日付」より
昨年の個人消費(GDPベース)は、名目で0.6%、実質でも0.9%と冴えない展開で、期待はずれだった。
最大の要因は、好調な企業部門から家計部門への配分が足踏みしたことだ。厳しいグローバル競争下、原油高も加わって年末にかけて賃金の伸びがストップしたことが響いた。
今般の日銀の利上げは、今後の個人消費が緩やかながら着実に回復するとの予測に基づいて決断された。この予測の裏付けとなる3つの朗報がある。
第1は、原油価格の下落。昨年3割近くも上昇した原油価格は、夏場移行下落に転じている。今年は価格低下のメリットが家計に還元されるはずだ。
第2に、賃上げ率も昨年より高まる。労務行政研究所の調べでは、春闘賃上げ率は昨年の1.79%から今年は1.9%に高まる。最近の初任給引き上げの動きも朗報だ。
第3は、団塊退職のプラス効果だ。団塊退職で浮く人件費は、有能な若手・中堅層の賃上げ原資となるだろう。団塊が手にする退職金も消費を刺激する。一人当たりの消費性向は変わらなくても頭数が多い分、消費も増えるはずだ。
株主主権が強まる下で、企業は利益配分を設備投資、内部留保、配当・自社株買いなどの株主還元に優先配分してきた。しかし、今後状況は大きく変わる。「人財不足」時代の到来によって、人への投資こそが最大の経営課題となるからだ。
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