ソニー<6758>の欧州版「プレイステーション3(PS3)」は一部のPS2ソフトしか動作させられない。コスト削減と生産の速度向上のために後方互換性機能が切り詰められることになった。 プレイステーション2との後方互換性は昨年米国と日本で発売が開始されたプレイステーション3で大きくアピールされた機能だった。しかし、PS2とPS3の両方を再生することのできる高価なコンピュータ・チップを2つ組み込むことはコストの増加の大きな割合を占めていた。 ソニー・コンピュータ・エンタテインメントの広報担当者によると、3月23日に発売が予定されている欧州版PS3では、PS2用のチップは搭載せず、PS2を動作させるためのソフトウェアを採用する。これによってコストが削減でき、部品数が減ることで、大量生産が容易になるという。日本や米国その他で、今後PS3がPS2のチップなしで販売されるのかどうかはまだ決定されていない。 一方、米国と日本で発売されたPS3も、PS2のゲームとの完全な互換性を確保できていない。日本と米国でのPS3発売後すぐに、ソニーは多数のPS2ゲームが正常に動作しないという問い合わせを受けていた。一部のゲームではまったく動作しないものもあり、その他、特定のシーンでフリーズしたり、音楽が再生できないといった問題が確認されている。ソニーは問題を修正するシステムソフトウェアのアップデートを配布しているが、すべての問題が修正されるのではないと同社は述べている。 欧州版PS3で、PS2チップ非搭載を決定したことは、生産の遅れに悩まされていたPS3にとってさらなる打撃となる。欧州版の発売は、当初計画されていた年末商戦シーズンから3月に延期されていた。 ソニーの10−12月期決算は純利益が5%減の1,600億円だった。PS3の立ち上げ関連費用が大きく響いた。同社は薄型テレビや携帯音楽プレーヤーなどの主力品で近年、ライバル社の後塵を拝していたが、エレクトロニクス部門では収益を増大させてきている。昨年末までのソニーのPS3売上は180万であったのに対し、任天堂のWiiは320万台の売上だった。