近鉄、近鉄劇場跡地に「新歌舞伎座」を誘致
近畿日本鉄道は、現在推進中の「近鉄グループ経営計画(平成18年度〜平成21年度)」において、コア事業の基盤強化のため主要ターミナル整備の方針を掲げているが、25日、このうち上本町の近鉄劇場建物跡について、大阪市中央区難波で演劇興行の拠点となっている「大阪 新歌舞伎座」が移転することで、新歌舞伎座、同社に経営参画しているリサ・パートナーズおよび近鉄の3者で、基本合意に達したと発表した。今後、「大阪 新歌舞伎座」を核テナントの一つとして、上本町の立地にふさわしい複合ビルを建設し、「文化の発信拠点」としていく方針。
上本町は、近鉄の前身である大阪電気軌道が1914年に上本町・奈良間に鉄道を開通した近鉄創業の地。近鉄はこの地において、1926年に大規模なターミナルビルを完成させて以来ターミナル整備に力を注いできた。
1985年には、都ホテル大阪建設、近鉄百貨店上本町店全館リニューアルに加え、大阪の歴史文化を育んできた上町台地にふさわしく、この地を演劇文化の中心地とするという理念のもと、近鉄劇場を開業させ、その後、同劇場は関西地区における小劇団等の登竜門的な存在として地歩を築いてきた。
近鉄劇場は2004年に建物の老朽化等により閉鎖となったが、近鉄では跡地利用に関して、同劇場が培ってきた文化の灯を継承すべく様々な検討をしてきた。今回、新歌舞伎座が難波からの移転を検討しているとの申し出を受け、協議を重ねた結果、基本合意に至ったという。
新歌舞伎座は、1932年の大阪歌舞伎座に端を発し、1958年からは現在の難波に移転して、俳優や歌手を軸とする「座長公演」を主体とした興行事業を行なっており、月間平均43回公演、年間300日余り営業し、約75万人が利用している。
現在の上本町は、近鉄電車、大阪市営地下鉄、関西国際空港および大阪空港へのリムジンバス、主要都市と大阪を結ぶ高速バスなどが結節する一大交通拠点となっており、近鉄百貨店上本町店、シェラトン都ホテル大阪をはじめとする各種利便施設も集積している。大阪有数の文教地区としても知られ、居住地区としても人気が高く、人口、世帯数とも増加を続けている。2009年には阪神西大阪線を介して奈良と神戸三宮とが直結される予定で、今後ますます発展の可能性を秘めている。
近鉄では、これらを視野に入れ、新歌舞伎座を核テナントとして、地域住民の利便性向上や地域のにぎわい創出に繋がる複合ビルの建設計画を今後進めていくとしており、完成は近鉄創業百周年にあたる2010年度とし、創業百周年記念事業の1つとして、近鉄創業の地上本町ターミナルの魅力創出と地域文化への貢献を目指す方針。
今後は、2007年度中に計画を策定し、2008年度に複合ビル着工、2010年夏の完成を目指す。
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