14日の参院本会議で、1947年施行以来改正されたことがない日本国憲法の改正手続きを定める国民投票法が成立した。今回の国民投票法成立で安倍政権による日本国家がより世界で軍事的役割を果たして行く動きを促進させるものと思われる。 1945年以来、憲法9条により、日本国家を軍事紛争から遠ざけてきた。今後与野党は改憲に関する論議を開始することになるが、改憲原案の提出が解禁される年は3年後の2010年となる見込みである。改憲までには更に多くの段階が必要になるが、今回の国民投票法成立批判者や専門家らは、憲法改正の動きを見せることで、アジア近隣諸国に過去の大日本帝国時代の記憶をよみがえらせ、日本の今後の動向に警戒感を抱かせることになるのではないかと懸念の色を見せている。 シンガポール防衛・戦略問題研究所の防衛アナリスト勝間田弘氏は、「日本は軍事国家となる意図はないが、憲法改正手続き法が成立したことで、近隣諸国からは軍国主義の方向へ歩んでいるとみられるおそれはある」と述べている。 すでに先月衆議院を通過した国民投票法は14日、参院本会議で自民、公明両党など賛成多数で可決し成立した。投票総数は221票で、そのうち賛成が122票、反対が99票となった。 3年後国民投票法が施行され、改憲原案が提出されれば、議会衆参両院それぞれでの3分の2の支持と国民投票を経て改正憲法が承認、公布されることになる。なお、まだ改憲に要する国民投票の最低投票数は発表されていないため、国民投票法はまだ見直しが必要だという声も聞かれている。 安倍政権は米国との軍事同盟強化と日本の世界における平和構築の役割増強に取り組んでいる。また授業での愛国心教育の勧めや、戦後初めての防衛庁の省昇格も実現させている。その一方で、安倍政権の支持率はここ数ヶ月低迷を見せており、そのような中7月には参院議員選挙を控えている。 安倍首相は、今回の憲法国民投票法の成立を「憲法改正に向けて広範な範囲で議論できる段階へと進めるようになった」と賞賛している。現状の憲法では、国際紛争解決に軍事力を用いることは禁止されており、このような中で日本が他国の平和維持活動に参加するには特措法の制定を要していた。 そのような中、安倍政権は憲法9条解釈を修正して、より多くの平和維持軍を派遣し、日本の同盟国である米国などにより多くの軍事的支援を送れるようにする意向を示していた。またすでに日本は2004年から2006年にかけて、人道支援のためにイラクへ自衛隊を派遣させ、日本から派遣された自衛隊は紛争地域にまで突入していた。これは第二次世界大戦以来初めてのことであった。 一方14日発表された共同通信社による世論調査では、日本人の62%は集団的自衛権の解釈見直しは不要であると考えているという結果が示された。