電子機器受託製造で世界第2位、シンガポールに本拠を置くフレクトロニクス・インターナショナル(Flextronics International)は5日、同業の米ソレクトロン(Solectron)を36億ドルで買収すると発表した。アナリストは、世界的な競争の激化による価格下落に対応する動きとして分析している。 フレクトロニクスは、買収によって2億ドルのコスト削減効果を期待しており、2年半後と見られる完全統合後には1株利益が15%向上する見込み。合併後の会社の取締役として、ソレクトロンはフレクトロニクスの承認を得た2名の人員を任命する予定。買収取引は今年末までに完了すると見られている。 両社とも、製造の一部を外部委託することでコスト削減を行おうとする企業向けに広範な種類の電子機器を受託製造している。両社の顧客企業にはシスコ・システムズ、ヒューレット・パッカード、モトローラ、IBMといったハイテク大手が並ぶ。 フレクトロニクスの製品には携帯電話機、企業ネットワーク向けのスイッチングハブやルーター、マイクロソフトのX box コンソールなどがある。ソレクトロンの製品には消費者向けのセットトップボックス、MP3プレイヤー、自動車用カーナビゲーションシステム、医療機器などがある。 合併後の会社は年間の売上高が300億ドル、従業員は20万人以上となり、業界最大手で他社を大きくリードする台湾の鴻海精密工業との差が縮まるとアナリストは述べている。 電子機器受託製造業界は市場競争の激化の中で収益向上策を模索している。米調査会社ガートナーのアナリスト、Al Velosa氏によると、業界トップ5社のシェア合計は25%に満たず委託側企業は多数の競合候補を比較できるため、価格下落に拍車がかかっている。このため、ブランディングと製品の付加価値の向上に集中するために標準的な製造工程を外部委託する企業は増加しているにもかかわらず、業界の利益幅は1ケタ台にとどまっている。 このような状況を背景にして、少しでも利幅を向上させるために統合の道が模索されており、Velosa氏は、今回の買収取引が業界再編の引き金となる可能性があると述べている。