[コラム] 留学生にみる日印関係
出展:三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ(http://www.murc.jp/index.php)「真野輝彦客員研究理事コラム 2007年6月21日付」より
日印関係の緊密化が急速に進展している。一昨年4月小泉総理の訪印、「アジア新時代におけるパートナーシップ」の調印に始まり、昨年12月のマンモハン・シン首相の来日、本年3月のムカジー外相来日、4月麻生外相訪印と続き、安倍総理の訪印も予定されている。インドは今年をJapan-India Friendship year 2007と位置付け種々のイベントや講演会が行われている。
中国に集中しすぎる現地生産を、地政学的リスクを考慮しつつ、如何にアジア各国にバランスよく再配置するかは、日本の喫緊の課題である。この意味で、中国に匹敵する人口、即ち消費市場の可能性を持ち、しかも民主主義が定着し、法体系・税法などの整備が進み、選挙による政権交代を経験しているインドへの関心が高まっているのは当然である。
しかし政府間の協力だけではなく、民間のより積極的な行動が不可欠である。何時までもODAの時代ではない。インド側は実質が伴わないミッションの派遣の繰り返しに飽き飽きしており、ITC関連のOutsourcingの少なさにも不満を持っている。英語の問題があるとの言い訳も多いが、インドの主なITC企業は日本語学校を持ち、日本語教育を行っているのである。他方、日本側にも進出の障害となっている労働組合問題などへの対応などに不満がある。相互に反省し対応策を打ち出す必要がある。
高等教育に関わるものの一人として指摘したいのは、下記の実績が示す日印相互の留学生の桁違いの少なさである。
日本からの留学生数
米国 約41,000人
中国 約13,000人
インド 55人
日本への留学生数
中国 約74,000人
韓国 約16,000人
インド 525人
アジア投資の集中調整と同時に、この留学生格差の是正が不可欠である。大学側もインド学生向け科目の強化と同時に他のアジア諸国からの留学生のための英語での授業を取り入れることも必要であろう。教育は長期的投資であり、将来の友好関係確立に不可欠だからである。
----------------------------------------
真野 輝彦(まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 客員研究理事
1956年 東京銀行入行。
フランクフルト支店為替課長、本店為替部次長、スイス東京銀行総支配人、丸の内支店副支店長、調査部長を歴任。
1985年東京銀行取締役、1987年東京銀行参与。
1996年合併に伴ない、東京三菱銀行参与。
1999年より現職
日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会委員
国策研究会 評議委員会議長
日本国際フォーラム 政策委員
読売国際経済懇話会 特別会員
International Club of Bank Economists会員
国際通貨研究所 評議員
聖学院大学・大学院 教授
----------------------------------------
関連記事
|
|

Powered by newsing |
|
コラム最新記事
|