[レポート] 7月16日週の外国為替市場分析(1)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2007年7月16日付」より
先週の概況
サブプライム絡みで大幅円高も、クロス円は軒並み行って来いの展開に
先週7月9日月曜日はシドニー時間からクロス円中心に円安地合いでスタート。本邦5月機械受注が予想を大幅に上回る強い結果となったものの円買いの動きは限られ、それぞれ新高値圏で堅調な展開。昼過ぎには豪ドル/円が106円乗せを達成し、加ドル/円も118円台へ上昇しました。ドル/円は123.44 円で取引を開始後、じりじりと上値を伸ばし123.65円まで同日高値を更新。一方NZドル/円は米格付け会社ムーディーズがニュージーランド住宅市場の減速を指摘したとの報道から売りが優勢となり、96.60円台から96.04円まで反落。午後は手がかり難からもみ合いとなり、夕方にユーロ/円がストップをつけて168円割れを起こすと一時円買いが加速し、対円通貨が軒並み下落。しかしドル/円が123.20円台で下げ渋りを見せると円高の動きも収束に向かい、その後はNY株式の続伸に支えられ小動きながら底堅い展開に。ロンドン時間以降ドル/円は123.20-50円の狭い値幅で推移。
10日火曜日は全面円高・ドル安の展開。ロンドン入りまで緩やかに円高が進む展開が続いていましたが、米サブプライム問題への懸念からにわかに円買い戻しの動きが加速。ドル/円は123円を割り込んでも下げが止まらず6月13日以来の安値圏121.80円台まで下げ幅を拡大しました。クロス円も同様に大幅反落となり、午前から軟調な値動きとなっていたNZドル/円は、NY入りから下げ足を早め95円を割れへ。またカナダ銀行(BOC)が市場の予想通り政策金利を4.50%に利上げしたものの、その後の声明文で市場が期待したほどタカ派でなかったことから加ドルの利益確定売りが進み、加ドル/円は117円半ばから急反落、3営業日ぶりに116円割り込む展開となりました。なお声明では今後穏やかな利上げが必要になる可能性が示され、経済成長については今年2007年の成長見通しが上方修正されたものの、2008-2009年は下方修正されています。ポンド/円は英5月貿易収支が予想以上に赤字幅縮小となったことを受け248.73円と同日高値をつけますが、上昇は一時的でロンドン時間以降下落に転じ、246円台へ大きく値を下げました。一方ユーロ/円は対ドルの1.3700ドル突破を受けて、167円半ばで踏みとどまる底堅い展開に。ドル/円はNY中盤、121.86円の安値示現後いったん下げ止まりを見せたものの、米サブプライム関連の証券がムーディーズなどの格付け会社に格下げされたとの報道を受けて米株式が大幅反落、 NY引けにかけて再び円高圧力が強まりドル/円は前日比1.67円安の121.72円をつけて安値引けとなりました。なお注目されたバーナンキFRB議長のインフレに関する講演では、金融政策などに関する発言がなされず市場は反応薄でした。
11日水曜日は前日と打って変わって全面円安の展開となり、ドル/円・クロス円が急反発。朝方ドル/円は120.97円まで売り込まれるも、突っ込み売り警戒からすぐに反発し120.80円台へ上昇。その他の通貨も午前中に軒並み朝方の下落分を取り戻す展開になりました。ショートカバーが一巡すると、いったんもみ合い相場となり正午にかけてこう着。しかし午後から欧州勢がドル売り・円買いで参入、ドル/円は再び下値を探る動きとなり同日安値圏の 122.05円まで下落しました。夕方以降、欧州通貨主導で反発が強まり、ポンド/円は同日安値から3円近い急伸を果たし、急落前の水準248円台へ行ってこいの展開。ユーロ/円も166.48円の安値から急反発し、NY時間にはトリシェECB総裁の「ECBの金融政策は依然として緩和気味」との発言もあって168円台まで回復しました。クロス円が順調に戻りを試す中、ドル/円は122円付近でいったん上値を抑えられるも、NY中盤にプロッサー・フィラデルフィア連銀総裁がサブプライム問題を楽観視する発言を行うと、NYダウの反発もあってドル/円は122円を突破。引けにかけても堅調な展開が続き、ドル/円は122.47円でNY引けを迎えました。
12日木曜日午前は日銀政策金利発表を控え動意薄の展開。朝方発表された豪6月新規雇用者数および同失業率はいずれも市場予想より弱い結果となりましたが、豪ドル/円の下落は限定的でした。午後日銀は政策金利を予想通り0.50%に据え置くことを決定、水野日銀審議委員のみ反対票を投じるも市場への影響は特になく、その後日銀総裁会見を控えてドル売りがやや先行。ドル/円は122円を割り込み一時121.82円まで下落。福井日銀総裁会見では「4−6月GDPが多少低めでも決定的要因ではない」「時の経過とともに利上げの可能性高まるほど経済やさしくない」など発言があったものの、総じてタカ派的内容ではなかったためその後クロス円がじりじりと上昇。またサブプライム問題を蒸し返す動きが夕方から強まり、対円以外でドル売りが進行。ユーロが対ドルとともに史上最高値を更新し、ユーロ/円はNY時間168.84円の高値を示現しました。赤字額が市場予想通りとなった米5月貿易収支への反応はなく、NYダウが100ドル以上の上昇を示すと、市場のリスク許容度回復を受けて、クロス円は引けにかけて堅調な展開。また加ドル/円は強いカナダ指標やM&A報道を受けて117円台へ急伸、豪ドル/円も106円台回復を果たしました。一方ドル/円はNY時間、122.58円まで高値を伸ばすもその後上げ渋る展開に。
13日金曜日はまず朝方NZ5月小売売上高が発表され、予想を大幅に上回る結果からNZドル/円が上昇、96.43円の高値を示現しました。NY時間の流れを引き継いで午前は軒並み堅調に推移、ユーロ/円が史上最高値を168.93円に伸ばし、ドル/円も122.61円まで高値を更新しました。午後からは週末を反映して全体的に小動きとなり、NY時間の米指標待ちの雰囲気に。ロンドン時間から欧州通貨が対ドルで上値追いの展開となり、NY入りに発表された米6月小売売上高が自動車を除く指数ともに予想を大幅に下回ると、ドル売りが加速しユーロ/ドルは1.3800ドルを突破して史上最高値を更新。ドル/ 円は若干下押しするにとどまりましたが、その後イランが日本石油元売会社に対して円建て決済を要望したとの報が入ると、122円割れを起こして 121.89円まで下落。7月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値が6ヶ月ぶりの高水準を示したことから一時122.30円付近まで買い戻されるも、上値は重くその後122円付近へ値を下げ一進一退の値動きに。クロス円はNY時間軟調な流れが続き、ユーロ/円が168.11円まで安値を更新。NY株式の続伸にも今回は反応薄で、ドル/円は前日比41銭安の121.99円で今週の取引を終了しました。
なお他の通貨の先週終値は
ユーロ/円168.20円(前週比0.12円高)
ポンド/円248.11円(前週比±0)
豪ドル/円106.03円(前週比0.23円高)
NZドル/円95.80円(前週比0.62円安)
加ドル/円116.32円(前週比1.27円安)
スイスフラン/円101.37円(前週比0.12円高)となっています。
先週の主な要人発言
7月9日(月)
レンデルス・ベルギー財務相
「フランスはEUの財務規定を尊重すべきである」
シュタインブリュック独財務相
「(フランスは)ECBの独立性に干渉してはいけない」
「強いユーロを懸念していない」
7月10日(火)
キング・イングランド銀行(BOE)総裁
「インフレ抑制のため十分な措置取ったかどうか見極める必要がある」
センタンス英国金融政策委員会(MPC)委員
「時機を見て行動しない場合さらなる追加利上げや著しい景気後退を招く可能性がある」
トリシェECB総裁
「金融政策はまだ緩和寄り」
「(インフレを)注意深く監視している」
シュタインブリュック独財務相
「独経済は過去数年間で強い競争力、過去より為替相場の影響少ない」
カナダ銀行(BOC)声明文
「いくらかの緩やかな利上げが必要となる可能性がある」
「インフレ見通しには上振れ、下振れリスクあり」
「カナダドル高、米住宅部門の調整がインフレ下振れリスク」
「2008年-2009年にかけて成長鈍化を見込む」
7月11日(水)
トリシェECB総裁「ECBの金融政策は依然として緩和気味」
「為替市場、日本の経済ファンダメンタルズを完全には評価してない」
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁
「金融市場はサブプライム問題を切り抜ける」
「住宅市場の影響は限定的」
7月12日(木)
福井日銀総裁
「時の経過とともに利上げの可能性高まるほど経済はやさしくない」
「GDPが多少弱くても8月の決定会合を左右しない」
ドッジ・カナダ銀行総裁
「カナダドルの上昇はわれわれの予想以上に速いペースだった」
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