[レポート] 8月20日週の外国為替市場分析(1)
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出典:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2007年8月20日付」より
先週の概況
円相場に激震、金融不安から円が暴騰しドル/円・クロス円が軒並み年初来安値を更新
先週13日月曜日は朝方からドル/円・クロス円とも小動きで始まり、前週の乱高下の影響も特になくドル/円は118.40円付近で取引を開始しました。お盆休みのただなかということもあって市場参加者は少なく、午前中は動意の乏しい展開。日銀利上げを探る上で注目された本邦第2四半期GDPは、前期比+ 0.1%と予想の+0.2%を下回る弱い結果となったものの市場は反応薄。一方豪州準備銀行(RBA)の四半期金融政策報告で今年下半期のインフレ見通しが上方修正されると、豪ドル/円がじり高の展開に。午後はアジア株・欧州株とも堅調に推移しましたが、欧州中央銀行(ECB)が短期金融市場の状況を注視しているとの見解を示すと、市場では急激に円買いの動きが加速、ドル/円は前週10日に続いて118円割れを起こし、ユーロ/円も161円を割り込み 160.57円まで同日安値を更新。しかしECBが3営業日連続となる資金供給の緊急オペを実施したことや、時間外のNYダウ先物取引が100ドル以上の上げ幅を示したことを受け、ロンドン時間ドル/円・クロス円は安値から反発。ドル/円は118円前半まで回復し、ポンド/円は236円半ばから238円後半へ急伸しました。NY時間、この日発表された米7月小売売上高は予想を上回る強い結果となり、発表直後のドル買いは限られたものの、その後ドル/円はじりじりと上昇し118.55円まで高値を更新。しかしNY中盤以降はNYダウの伸び悩みにつれてドル/円・クロス円が軟調となり。引け際にダウが前日比マイナスに落ち込むとユーロ/円は再び161円割れへ。
14日火曜日はドル/円・クロス円が続落、軒並み直近安値を更新する展開となりました。朝方発表されたNZ6月小売売上高が予想を大幅に下回る結果となり、NZドル/円は87円を割り込みその後も弱含みで推移。他のクロス円も東京時間は軟調な値動きになり、午後に入ってユーロ/円が159.86円まで安値を更新。一方ドル/円は117.70円台でいったん下げ止まると、その後は117円後半で底堅い展開に。夕方にはクロス円主導のショートカバーが入り、ユーロ/円が161円手前まで反発するなど、これまでの下げ幅を相殺。しかしポンド/円は英7月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったため、イングランド銀行(BOE)の年内利上げ観測が後退、一時236.10円まで売り込まれました。NY入りに発表された米6月貿易収支および7月生産者物価指数(PPI)は予想より強い結果となったものの、ドル/円は118.51円まで上昇するにとどまり、NYダウが下落して始まると再び上値の重い展開に。米小売大手の業績見通し下方修正などを受けNYダウはその後も軟調な推移となり、引け際に下落幅が200ドルを突破。ユーロ/円が159円手前まで下値を拡大するなど、クロス円が大幅に安値を更新。ドル/円も117円半ばまで下落、総じて安値引けの展開となりました。
15日水曜日も為替市場は円一段高に見舞われ、ドル/円・クロス円は大幅続落。日経平均が午前から200円以上下落したこともポジション調整を加速させ、NZドル/円が85円割れを起こすなど、クロス円軟調の流れが続きました。午後も欧州勢が円買いで参入し、クロス円中心に下げ幅を拡大。ユーロ/円が158円台へ下落、ドル/円も3月29日以来となる117円割れを起こし、安値を116.59円まで更新しました。一方夕方発表された英7月失業率および同失業保険申請件数は強弱まちまちとなり、同時に公表されたイングランド銀行(BOE)議事録は今月の政策金利据え置きが、市場の予想通り全会一致で決定されたことが明らかにされ、ポンド/円への影響は限定的でした。欧州株が軟調に始まったことから、ロンドン時間も全体的に戻りの鈍い展開となり、ドル/円は116円後半でもみ合いに。NY入りに発表された米7月消費者物価指数(CPI)はコア指数ともほぼ市場予想と同じ結果となり、続く6月対米証券投資は予想を大幅に上回る流入となりましたが、こちらも市場は反応薄。NY序盤はダウがプラス幅で推移したことを受けて円売りが優勢となり、ユーロ/円は157円前半から158円台へ反発、ドル/円も117.58円まで戻しました。しかし根強い信用不安からNY中盤以降、銀行株を中心とした売りを受けダウが反落。ドル/円・クロス円もつれ安となりユーロ/円が157円、NZドル/円が83円の大台を割り込む展開に。ドル/円は3月以来の安値を116.56円まで更新しました。
16日木曜日はドル/円・クロス円のポジション解消が加速度的に進行、ドル/円が昨年5月の水準111.98円まで下落するなど円相場は大幅な調整を強いられる展開となりました。東京時間は日経平均が一時500円以上下落し、市場ではリスク資産回避の動きが継続。午後には主要通貨が軒並み3月安値水準まで下落、ドル/円が116円を割り込み、ユーロ/円も156円割れへ。さらにロンドン時間に入って欧州株やダウ先物が大幅下落を示すと、ドル/円が急落して3月安値を更新、その後114円割れを起こし113.53円まで下値を拡大しました。クロス円も同様に大きく値崩れを起こし、豪ドル/円が高値から5円近く値を下げ90円を割り込み、NZドル/円は77円割れを示現し、年初来高値から20円以上安い水準へ。NY入り、米7月住宅着工件数および同建設許可件数がともに予想を下回る結果となるも、NYダウの取引開始を前にやや円売りが進みドル/円が114円台を一時回復。しかし米8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が景気減速を示す水準を示したことからダウが下げ幅を拡大、ドル/円・クロス円もつれて大幅に安値を更新する展開に。ドル/円が111.98 円と昨年5月水準まで下落し、ユーロ/円も149.98円と昨年11月以来となる150円割れを示現するなどNY中盤は大荒れの相場に。しかし引け際にダウが前日比プラス水準まで急伸すると、ドル/円も安値圏から急反発して114円台へ上昇、クロス円も軒並み反発を示しNY時間の下落分を相殺する動きとなりました。
前日安値からの戻りが一巡すると、17日金曜日は朝方から再び下攻めが活発化。ドル/円が再び113円を割り込み、153.85円まで上昇していたユーロ/円も151円台へ反落。また豪州準備銀行(RBA)が豪ドル買いによる為替介入を前日行ったとの声明を出すも支援材料とはならず、豪ドル/円は前日に続いて再び90円割れへ。午前は戻りらしい戻りもなく一方的に下げる相場となり、昼過ぎにはドル/円が112円割れを試す展開に。一方急速な円高で輸出関連企業の業績悪化が懸念され、日経平均は前日比800円以上下げて引け、欧州勢も円買いで参入。夕方にはパニック的な売りが重なりドル/円が111.57 円まで下落。ユーロ/円も149.22円と昨年11月安値水準まで下値を拡大。ポンド/円は220円割れを起こし、NZドル/円にいたっては74.25円と大幅に安値を更新しました。その後一時円買いが収束するも、依然として戻り売り圧力が強く乱高下する展開に。しかしNY時間、米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合を0.50%引き下げ、声明文で金融市場の悪化に対処する必要性を表明するとNYダウ先物が急反発、金融不安の後退を受けてクロス円も反発。利下げ期待からNYダウが300ドル以上高く寄り付くとユーロ/円が155円台、ポンド/円が229円手前まで急伸しました。また市場はFRBの利下げ観測を織り込んでドル売りで動いたものの、ドル/円はクロス円の上昇につれ高となり114.87円の同日高値を更新。NY中盤以降は落ち着いた値動きとなり、ダウが200ドル以上反発して引けると、それぞれ前日比プラスを維持して引けとなり、ドル/円は前週比4.34銭安の114.18円で取引を終了しています。
なお他の通貨の先週終値は
ユーロ/円154.03円(前週比8.26円安)
ポンド/円226.25円(前週比13.49円安)
豪ドル/円91.09円(前週比9.03円安)
NZドル/円79.31円(前週比9.12円安)
加ドル/円107.58円(前週比4.90円安)
スイスフラン/円94.70円(前週比4.15円安)となっています。
先週の主な要人発言
8月13日(月)
豪準備銀行(RBA)金融政策四半期報告
「必要に応じて金融政策を調整する」
「今年下半期のコアインフレ率見通しを3%に上方修正」
「8月の利上げはインフレを抑制するために必要だった」
欧州中央銀行(ECB)
「ユーロ圏の短期金融市場の注視を継続する」
8月14日(火)
カレンNZ財務相
「世界的な金融市場の混乱によるNZドル下落は、同国にとってはプラスの面も」
「NZは米クレジット市場にほとんど投資しておらず、この不透明な状況を大方克服している」
トリシェECB総裁
「市場は現在、神経質な時期にある」
「ある意味リスク資産価値の正常化と呼べる状況」
8月16日(木)
カレンNZ財務相
「NZドルは依然、ファンダメンタルに比べて高い」
8月17日(金)
スティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁
「長期的なインフレリスクは増大している」
「サブプライム問題は利上げ止めるに十分でない」
シュタインブリュック独財務相
「サブプライム問題をG7で協議する必要はない」
「10月の定例会議前にG7特別会合を開く予定はない」
FOMC緊急声明
「米経済成長の下向きリスクが明らかに増大した」
「金融市場は悪化しており信用状況の不透明さが増大、将来の経済成長を抑制する可能性がある」
「公定歩合の引き下げは一時的な変更、市場の流動性が改善したと判断できるまで続ける」
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