クライスラーは、ダイムラークライスラーから米投資ファンドサーベラスへの買収が完了し、株式非公開の米自動車会社としてスタートしたのに伴い、業界他社、さらには異業種から続々と人材を引き抜いている。 6日には、クライスラーは北米トヨタ社長のジム・プレス氏をクライスラー副会長兼社長へと招き入れた。プレス氏は1970年から米トヨタに勤務しており、トヨタを知り尽くした人材として社内でも厚遇されていた。 さらに7日には、GMの提携会社でもある中国上海汽車の執行副総裁、フィリップ・マータフ氏(52)をアジア地域最高経営責任者(CEO)として迎え入れた。マータフ氏はクライスラーからの招き入れを「却下することの出来ない申し入れだ」と述べている。マータフ氏はGMと合併会社上海GMを設立した上海汽車での経験や韓国雙龍自動車(サンヨン自動車)CEOとしての経験が高く評価され、クライスラーのアジア進出に大いに貢献するものと期待されている。マータフ氏は米GMに32年間勤務しており、上海GM設立事業で主要な役割を果たしてきた。 プレス氏、マータフ氏のクライスラーへの引き抜きは自動車業界に大きな衝撃を与えることになった。 事業再建中のクライスラーにとって世界的な成長率上昇が主要課題である。そのため、クライスラーは投資ファンドサーベラス・キャピタルマネジメントの方針の下、経営陣としてどんどん業界他社、異業種からトップ人材を引き抜いている。 先月6日には米最大のホームセンターチェーンであるホーム・デポ元会長兼CEOでブッシュ米大統領の友人であるロバート・ナルデリ氏がクライスラー会長兼最高経営責任者(CEO)に就任している。8月下旬にはプレス氏の同僚で米トヨタ自動車販売で高級ブランド車「レクサス」市場調査などを担当したデボラ・メイヤー副社長(44)も引き抜いている。 また最近クライスラーは、中国独自ブランドメーカーとしては最大規模を誇る奇瑞汽車と提携し、共同で欧米市場向け自動車の生産・販売を手がけていく方針であると発表している。