マイクロソフト敗訴でビスタに更なる是正要求か
欧州司法裁判所の第一審裁判所(ルクセンブルク)は17日、欧州連合(EU)による独占禁止法違反の判定を不服とした米マイクロソフトの訴えを却下した。欧州委員会は2004年にマイクロソフトに対し、独禁法違反で、4億9,700万ユーロ(約800億円)以上の制裁金を要求しており、今回の第一審裁判所ではこれを支持した。この判決により、マイクロソフト「ビスタ」含む新ビジネスにさらなる是正措置が要求される可能性が高まった。
昨年、マイクロソフトは競合他社から「ビスタ」OSが、同社検索エンジン、ウイルス対策ソフトなどが競合他社製品に比べて動作しやすいように設計されているとして、非難されていた。クルス欧州委員は、昨年3月にマイクロソフトに対し、「ビスタ」の製品特徴として、競合他社によるアプリケーションが「ビスタ」OS上でマイクロソフト製品に比べスムーズに動作しないことで、消費者の商品選択の幅を狭めることになると懸念を表明していた。
そのため昨年秋の「ビスタ」発売に伴い、マイクロソフトは欧州当局から指摘された事項を修正して販売開始したが、規制当局は、マイクロソフトによる修正は不十分であるとし、独占禁止法を遵守すべきだと要請した。
今回マイクロソフトが敗訴したに伴い、「ビスタ」の修正事項を再点検するかどうかについては、クルス欧州委員は「その必要があれば行う」としている。
米ガートナー社アナリストのマイケル・シルバー氏は、「ビスタ」はさらなる制裁措置が課されるおそれがあると警告しており、「マイクロソフトのビスタOSに関しては、数多くの独占禁止法に抵触する問題が含まれている。EUは今後ビスタを再調査すれば、さらなる制裁措置を加える可能性がある。EUがマイクロソフトの独禁法違反に関して要求している是正措置は広範囲に及んでいる」と分析している。
マイクロソフトの独禁法違反問題は、これまで同社OSおよびサーバシステムに限られていたが、今後同社インターネット検索ツールやその他電気製品に対するサービスなど他製品にも問題が影響するおそれもあるという。
マイクロソフト競合他社からは、17日、ビスタのみならず、マイクロソフトの他製品に対しても、独禁法違反で訴え続けて行く予定であることをほのめかしている。
IBM、サンマイクロシステムズなど、マイクロソフト競合他社の弁護士を担当しているThomas Vinje氏によると、昨年のマイクロソフトによるビスタに対する修正事項は「不十分」であるとしており、Vinje氏は同僚とともに、ビスタに関する独禁法違反の具体的なリストを作成しており、訴追する準備をしている。
米国でもマイクロソフトは数カ所の連邦裁判所で独禁法違反の疑いでビスタを精査されている。クルス欧州委員は、今月末にニューヨークを訪れ米当局と共にマイクロソフトに対する制裁措置について議論する予定であるという。なお、今回のEU独禁法違反訴訟の第一審判決が、インテルなど他社で生じている独禁法違反問題にどう影響するかは今のところ言及を避けている。
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