米労働省は5日、9月の雇用統計(季節調整済み)を発表した。発表によると、非農業部門の雇用者数は前月比11万増となった。これに伴い、米景気後退の懸念が弱まったため、5日ダウ平均は発表後の午後の取引で125ポイント以上上昇した。 一方、失業率(軍人を除く)は4.7%となり、前月比0.1%増となった。失業率は過去1年で最高を記録したが、数年前と比べれば、まだ低水準である。失業率は2001年の米景気後退時には6.3%にまで達していた。 雇用者数の増加幅は市場予測平均値である10万人を上回る4か月ぶりの高水準となった。また、8月の雇用者数は4千人減から改定されて8万9千人増となった。8月雇用者数の改定値から、今年度生じた住宅市場の低迷や信用収縮が、米雇用状況に影響を与えることになったが、当初懸念していた米景気後退は免れることができるだろうとの楽観視が高まった。 米ブッシュ大統領も9月米雇用者数の増加を賞賛したが、「9月雇用統計の良い知らせを聞いてとても嬉しい。しかしまだ住宅ローン支払いで困窮している国民や子どもを大学へ行かせるのに困難を感じている国民が多くいることも把握している」と述べ、今後の状況を注視していく姿勢を見せた。 住宅市場の低迷と信用収縮で建築会社、金融機関、工場、小売店で従業員削減を導くことになったが、一方で教育、医療ケア、専門職、観光サービス、その他政府関係の業務では雇用が増加したため、9月雇用者数は全体として上昇を示した。 9月の平均時給は17.57ドルとなり、前年同月比4.1%増、2月以来最高額を記録した。時間給が上昇することで消費支出の上昇、さらには米経済成長率の上昇が期待できる。 一方、9月雇用者数の上昇で、エコノミストらの間には、次回10月30,31日に行われる米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定会合でさらなる金利引き下げが行われるかどうか疑問が生じることとなった。 7ー9月期は平均でひと月9万7千人の雇用者数を計上し、4-6月期のひと月平均雇用者数12万6千人、1-3月期のひと月平均14万2千人を下回る結果となった。 米失業率は年末までに5%となると予測されている。なお9月の黒人失業率は8.1%となり、8月の7.7%から急増を示した。ヒスパニックの9月失業率は5.7%となり、前月比0.2%増となった。いずれも米失業率平均より大きく上回っている。