米学生ローン大手Sallie Maeは8日、同社の買収を提案していた投資ファンドJ.C. Flowers&Co.、バンクオブアメリカ、JPモルガンチェース率いる投資グループに対し、同社の250億ドルでの買収を実行するか、違約金として9億ドル支払うかどちらかにするよう訴えた。 同投資グループは、米ブッシュ政権が先月学生ローン法案を制定したことや、米経済の弱まりを受け、今年4月に合意に達していた一株60ドルでのSallie Mae買収を却下し、先週になって同投資グループは一株50ドル、総額210億ドルで買収するとして買収額を下方修正し、Sallie Maeに対し、下方修正された買収を受け入れるかどうか、9日までに決断するように要請していた。 これに対し、Sallie Maeは投資グループは当初の設定額での買収を実行するように声明文で応答した。Sallie Maeは8日、米デラウェア州衡平法裁判所に対し、同投資グループがSallie Maeとの合併合意事項に違約したとの判定を下し、当初の合意による買収を実行しないのであれば、違約金を支払うように訴状を提出した。 Sallie Mae会長のAlbert L.Lord氏は8日の声明文で、「我々はこのような訴状を提出しなければならないことを残念に思う。弊社は既になされた合意事項を尊重する。弊社が願うことは投資グループが合意事項を遵守されることのみだ」と述べた。 これに対し、J.C.Flowers広報担当のステファニー・カッター氏は、「Sallie Maeによる訴状は我々の間でなされた契約事項の誤解によるものだ。この訴状によるSallie Maeのメリットはなにもない。これは裁判所ではなく、取締役会議で解決されるべき問題だ」と述べている。 米国会で新たに制定された学生ローン法案では、米政府から学生ローン会社への助成金を200億ドル近く削減し、政府支援の奨学金の利息を半減する内容が盛り込まれた。Sallie Maeによると、新学生ローン法案によって、同社純利益は今後5年間にわたって1.8%から2.1%削減される見込みであるという。 一方同投資グループは、Sallie Maeは新法案制定に伴い、2009年度の純利益は14.4%減、2012年度の純利益は20.1%となると予測している。