キューバ外相フェリーペ・ロペス・ロケ氏は30日、米国がキューバ政権を軍事的に転覆させようとしており、このままでは米国とキューバ間の摩擦により、米国の治安を悪化させると警告した。 ロケ外相は、「我々は決して米国を脅しているわけではない。キューバは米国に敬意を表している。しかし米国にもキューバに対して敬意を表してもらいたい。我が国を外国からの政権転覆の試みから守る必要がある」と述べた。ロケ外相は、米ブッシュ大統領の最近の対キューバ政策に関する演説に反感を抱いており、米ブッシュ大統領は国連に対し、軍事力を用いてでもキューバ共産主義国家のカストロ政権を転覆させようとしていると警戒している。 米ブッシュ大統領は先週共産主義キューバカストロ政権を打倒するため、「今こそキューバ国民と国際社会が協力すべきだ。キューバ国民は自分で運命を切り開く力がある。今キューバに必要なのは『自由』だ。」と演説した。 ロケ外相は、「もしブッシュ大統領の演説が政権転覆への試みを示すものなら、キューバ国内で紛争が生じる。キューバ国民は準備ができている」と警告した。ロケ首相は、ブッシュ大統領の使用した「自由」の意味合いは、イラク戦争で使用した「自由」を勝ち取るための戦争の意味合いが強いと見ている。そのためロケ首相は、「キューバ政権を転覆させるような試みは、キューバ国内の治安を悪化させ、さらに米国の治安も悪化させることになる。両国間で紛争が生じる可能性もある」と警告した。 米国はこれまでキューバをテロ支援国と見なし、外交関係を築いて来なかった。またキューバに対し渡航規制や禁輸措置を取るなど多くの規制をかけてキューバを孤立化させてきた。今年に入って、米政権はキューバに対し、経済制裁も加えようとしており、ロケ外相は強く非難している。 ブッシュ政権ではキューバカストロ国家評議会議長が病身であり、任期が1年あまりとなっていることから、外交的成果をあげるためにも、今がキューバ体制変革のときだと意気込んでいるように見られている。これに対し、ロケ外相は、ブッシュ大統領のキューバ政策について「米国のキューバに対する誤った外交政策だ」と非難した。 一方米国連大使広報官のRichard Grenell氏は、「米国はキューバ国民は自由と民主主義を追求する力強いパワーに溢れていると信じている」と述べている。