パキスタン有力野党・パキスタン人民党(PPP)総裁ブット元首相は13日未明、政府当局より1週間の軟禁を命じられた。同氏は15日から非常事態宣言即時解除を要求するデモ行進を予定していたが、警察当局はデモ行進によってさらなるテロ攻撃が生じるのを防ぐため、同氏を再び軟禁下に置いたと見られる。なお、ブット元首相側近によると、同氏は如何なる状況であろうと15日のデモ行進は実行するつもりであるという。 警察当局によると、現在ブット元首相の居住宅周辺に600名の警官が配置されており、13日午後からはさらに追加で軍隊が配備される予定であるという。政府当局によるブット元首相のデモ行進強行を食い止めるための追加配備と見られる。12日からはブット元首相居住宅周辺に鉄線の柵が立てられ、住居の屋上にも狙撃兵も配備されている。 ブット元首相はパキスタンムシャラフ大統領が3日に発動した緊急事態宣言を一刻も早く解除させるために3日間にわたるデモ行進を行おうとしている。デモ行進には数千人のブット元首相支持者らが参加することが期待されているという。 米国家安全保障会議広報官のゴードン・ジョンドロー氏は、「平和的なデモ行進が認められるべきであり、拘束されている人々もデモ行進に参加できるべきだ」と述べている。米政府も、自由で公正な選挙実現のためにもパキスタン政府による緊急事態宣言の解除を望んでいる。 ブット元首相には、9日に居住区周辺に自爆テロ計画者が存在していることが警戒され、一度目の軟禁命令が下っていた。一度目の軟禁下に置かれた際、ブット元首相は「デモ行進には危険が伴うことを承知している。しかし、デモ行進をしない場合、パキスタンの危機はどう回避し得るだろうか」と記者らに答えている。 パキスタン軍政により人気を失いつつあるムシャラフ政権に対し、ブッシュ政権はムシャラフ大統領とブット元首相が協力して政権を運営していくことで、核保有国であるパキスタンを米国の関係を保とうとしている。 一方でムシャラフ大統領は緊急事態宣言の解除期日を設定しておらず、数千人もの反ムシャラフ政権活動家らが拘束されている。緊急事態宣言のためブット元首相とムシャラフ大統領の交渉はこう着状態になっているという。 ブット元首相は12日、記者らに「現状では自由で公正な選挙実現は難しいだろう。このままの状態が続けば、私は選挙を棄権する可能性もある。今後話し合いを続けて行くつもりだ」と答えている。