全米企業エコノミスト協会(NABE)は、米住宅市場の低迷や信用収縮問題が第4四半期の米経済成長率を低下させ、2008年中も経済活動のマイナス要因として作用するだろうとの懸念を表明した。 NABEは10-12月期の米経済成長率は1.5%となるとの予測を発表した。もし予測通りなら、7-9月の米経済成長率3.9%に比べて米経済成長率が急減することになる。今年一年間での米経済成長率は2.1%となるとの予測を発表した。これは2002年以来最低の成長率である。またNABEは来年度の米経済成長率予測値も、当初の2.8%から下方修正して2.5%となると予測値を変更した。 NABE会長でフォードのチーフエコノミストであるEllen Hughes-Cromwick氏によると、「米経済は住宅市場の低迷やエネルギー価格の高騰により景気後退の危機に直面しているが、今のところ景気後退の兆候は見られない」と述べている。 なお、米FRB議長バーナンキ氏は、今年第4四半期に米経済は著しく減速し、来年第1四半期まで米経済の低迷は続くだろうと発表している。 NABEの調査では、同団体アナリスト中およそ5分の3のアナリストらが来年にかけて米経済が景気後退に差し掛かる可能性があると分析しており、5人に1人が50%以上の確率で米景気後退が生じると予測していることが明らかになった。 米景気後退は2四半期連続で米経済の低迷が生じると言われている。現在米消費者らが消費を切り詰めていることが米経済後退の懸念事項となっている。 米FRBは9月、10月と立て続けに利下げに踏み切り、現在フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は4.5%となっている。一部アナリストの間では、ドル安がさらにクレジット市場に影響を及ぼす様になれば、さらなる利下げが行われ、2008年末にはFF金利の誘導目標が3.5%にまで引き下げられるおそれもあると予測している。一方消費者物価指数は今年2.8%上昇し、来年は2.5%に緩和されるだろうと予測している。 現在米経済を予測する上で一番の問題事項となっているのが原油価格であるという。NY原油相場は先週1バレル98.62ドルまで上昇し、ガソリン価格は1ガロン3ドルを超えた。原油価格の高騰により、米企業が商品価格を値上げせざるを得なくなれば、インフレが生じるようになる。そしてエネルギー価格の高騰で消費者支出をさらに切り詰めれば、米経済成長は悪化することになる。NABEは今年末までには原油価格が1バレル75ドル、ガソリン価格が1ガロン2.72ドルまで下落すると予測している。 米国では住宅市場の低迷や信用収縮は継続して生じているものの、雇用状況は安定している。NABEでは米失業率は今年一杯4.6%にとどまるだろうと予測しているが、2008年には4.9%にまで高まる可能性もあるという。