[レポート]11月19日週の外国為替市場分析(1)
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出典:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2007年11月19日付」より
●先週の概況●
ドル/円は109円台から切り返すも、リスク回避が継続し戻りは限定的
先週12日月曜日は前週急落した地合いを引き継ぎドル/円・クロス円とも大幅続落。ドル/円が110円を割って昨年5月以来の安値圏へ下落した他、豪ドル/円が前日比5円安となる95円後半まで急落しました。東京時間午前は豪ドル/円が前週終値より1円以上安い90円前後で取引を開始するなど、ドル/円・クロス円とも軟調なスタート。豪州準備銀行(RBA)は四半期報告で経済成長見通しを前期より引き下げたものの、一方インフレ見通しを引き上げたため、RBAの追加利上げ観測が強まる結果に。日経が円高を受けて1万5000円を一時下回ったのを始め、アジア株はおおむね下落し、町村官房長官が「日本全体としてみると円高は基本的に問題ない」と発言したことも円買いを支援する形になり、昼過ぎにかけてドル/円は110円を割って109.84円まで下値を拡大。豪ドル/円も一時97円台へ急落しました。欧州序盤にやや買い戻しが入りドル/円が110円後半まで戻したものの、時間外ダウ先物の軟調な値動きを受けて、夕方以降再び市場でリスク回避の円買いが加速。ドル/円が109円前半へ急反落した他、ユーロ/円が9月18日以来となる160円割れを示現。また豪ドル/円も再び98円を割り込み、96円台へ反落しました。また英10月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったもののポンド/円の上昇は限定的で、他のクロス円同様売りに押され、NY時間にはロンドンで火災事故発生の報道を受けて225円割れをうかがう展開に。なお米国はベテランズデーの振り替え休日でしたが米株式市場は通常通り開かれ、中盤にかけて前日比プラス圏で推移。しかし終盤下げに転じて節目の13000ドルを割り込んで引けとなったため、クロス円は早朝にかけて再び円買いが殺到。一方ドル/円は対ユーロなど主要通貨に対して強含みとなったことから、119.11円の安値をつけてからは109円台で底堅く推移しました。
13日火曜日はダウが4営業日ぶりに反発し、市場では円売りが再開。ドル/円・クロス円は軒並み安値水準から反発し、ユーロ/円が160円台、豪ドル/円が100円台を回復。先週から続く急激な円高相場がひとまず一段落しました。朝方はダウ続落を受けてリスク回避の円買いが継続し、ユーロ/円が158.67円、豪ドル/円が95.59円まで安値を更新。しかし英FT紙で「円の上昇は急すぎる」との福田首相発言が報じられると徐々に反発を強め、東京時間午前にはユーロ/円が160円の大台を回復した他、豪ドル/円も安値から2円以上反発、98円台へ上昇しました。本邦第3四半期四半期GDP速報値は予想を上回る強い結果となるも市場は反応薄で、日経はダウが4日続落となった影響で軟調な展開。ドル/円は110円半ばまで上昇するも、買い戻しが一服すると午後にかけてもみ合いに。また昼過ぎ日銀が政策金利を0.50%に据え置きましたが、予想通りの結果に市場の反応はありませんでした。その後UAE(アラブ首長国連邦)の中銀総裁が「ドルぺッグ制を解消するときは、適切な時期に湾岸協力会議で決定されるべき」と発言したことから、対ユーロなどでドル売りが一時強まったものの、ドル/円は110円をはさんで底堅く推移。欧州序盤は福井日銀総裁が前日の官房長官に続いて円高擁護と見られる発言をしたため、市場が一時円買いで反応しますがクロス円の下落は限定的でした。予想を上回った英10月消費者物価指数や、前回より大幅に低下し1993年以来の低水準となった独11月ZEW景況指数への反応は特になく、ロンドン時間以降ドル/円・クロス円はもみ合いを継続。NY時間は米証券大手ゴールドマン・サックスが評価損の計上見通しはないとの発言を受けてダウが大幅反発して推移するものの、ドル/円・クロス円は中盤まで伸び悩む展開。一方カナダ当局者が今週末のG20(20ヵ国財務相・中央銀行総裁会合)でドル安について協議するとの発言を受けて、加ドル/円は115円後半から114円前半へ一時下落しました。しかしNY時間午後に発表された米9月中古住宅販売保留が予想を大幅に上回り、ダウが上げ幅を300ドル以上へ拡大すると、NY終盤円売り優勢となり、ドル/円が111円後半へ上昇した他、ユーロ/円も162円台へ急伸しました。
14日水曜日はNYダウの大幅反発を受けてドル/円・クロス円がおおむね続伸。しかしポンド/円は、イングランド銀行(BOE)の四半期インフレ報告で来年の金利低下が示唆されたため反落。ポンド/円の下落にドル/円を始め一時つれ安となる場面がありました。東京時間は日経が前日のダウ反発を受けて大幅高で始まるなど、アジア株が軒並み反発し、為替市場は株高を背景に円売りが継続。朝方ブッシュ米大統領が「強いドル政策を維持する」と発言するも市場は特に反応せず、ドル/円が111円台へ上昇した他、豪ドル/円が100円台へ復帰。またNZ第3四半期生産者物価指数(PPI)が、市場予想を大幅に上回る結果になりますがNZドル/円の上昇は限定的でした。昼過ぎにかけて上昇が一服するものの、欧州勢参入後に再び円売りが加速しドル/円が111円半ばへじりじりと上昇、ユーロ/円も163円を突破。ポンド/円は夕方発表された英10月新規失業保険申請件数が市場予想より減少を示したため、一時232円半ばまで買われますが、その後公表されたイングランド銀行(BOE)四半期インフレ報告が、来年2回の利下げを示唆する内容となったためポンドが急落。さらにキングBOE総裁が来年の経済成長率が急低下すると発言、ポンド/円は230円を割って228円後半まで急落しました。ポンド/円の下げにドル/円もつれ安となり一時111円を割り込み、ユーロ/円を始めクロス円も上げ渋る展開に。NY入りは米10月生産者物価指数(PPI)と同小売売上高が発表され、予想を上回った米小売売上高を好感してダウ先物が上昇すると、ドル/円にも買いが集まり111.74円まで同日高値を更新。米株式は堅調な米小売や、米金融大手ベア・スターンズの損失見通しが予想を下回ったことなどを受け続伸して始まり、ユーロ/円は164.28円まで同日高値を更新。しかしダウが利益確定の売りを受けて終盤下げに転じると、ドル/円が111円前半へ軟化。ポンド/円は終始軟調な値動きが続き228円割れへ。また加ドル/円は最近の加ドルの下落に満足とのフレアティ加財務相発言もあって、高値から2円以上下落し115円前後へ水準を下げました。
15日木曜日は米CPIが予想通りとなるも、根強い信用収縮懸念を背景にリスク回避の動きが継続し、ドル/円・クロス円は反落。特に加ドル/円は111円台へ大幅調整となりました。朝方ポンド/円主導の下げが収束すると、午前はドル/円を始め買い戻し優勢となり、ドル/円が111.60円台へじりじりと上昇。前日海外時間から下押しが続いたポンド/円も228円割れ水準から、229円台へ切り返しました。しかし前日のもみ合いレンジを抜け出す動きにはならず、午後にかけてこう着した展開に。株式市場は日経が引けにかけて反落し、アジア株も徐々に軟化。また欧州株は始め小幅高で始まるものの、その後大幅に下げ幅を拡大。さらにダウ先物も下げに転じたため、市場では急速にリスク回避の円買いが進行しドル/円が111円割れへ。またロンドン時間発表された英10月小売売上高が予想を下回ったことから、ポンド/円は225円台まで急落。そして前日同様、ポンド/円の下落がドル/円などに波及、ドル/円は110.36円まで下値を拡大し、ユーロ/円も同日高値163.75円から、161円前半へ2円以上下落しました。また加ドル/円はドル/加ドルの上昇を受けて調整色が強まっており、NY時間には弱い結果となったカナダ9月製造業出荷を材料に113円割れ水準まで売り込まれました。一方米10月消費者物価指数(CPI)はほぼ予想通りの結果を示し、特に市場の反応は見られませんでした。その後ダウが落ち着いた水準にとどまるCPIを好感して序盤から堅調な推移となったため、ドル/円が111円前半へ上昇するなど、やや買い戻される展開に。しかし米証券大手ベアスターンズの長期格付けが引き下げられたことや、スイス大手銀UBSの評価損が巨額に及ぶとのウワサなどを受けて、中盤以降ダウが下落に転じると、市場ではリスク回避の円買いが強まりポンド/円が再び225円台へ下落した他、加ドル/円が同日高値から4円以上値を下げ111円台へ。ドル/円も引けにかけて110円前半へ下押ししました。
週末16日金曜日は午前からリスク回避の円買いが強まる場面がありましたが、NY時間以降ドル/円・クロス円が株価安定を背景に堅調に推移し、ドル/円は109円割れから急伸、一時111円台を回復しました。東京時間は信用収縮懸念によるリスク回避の流れを引き継ぎ上値の重い展開となり、仲値後に米系ヘッジファンド損失計上のウワサを受けてドル/円が3日ぶりに110円割れへ。またユーロ/円が160円台へ下落した他、豪ドル/円は一時97円割れを示現しました。日経が300円以上の下落を示すも、昼過ぎには円買いが収まり週末要因からドル/円は110円をはさんで小動きで推移。夕方以降になると欧州株の下落を受けて対ドルで欧州通貨売りが売り優勢となり、ユーロ/ドルが1.46ドルを割って下落し、この動きにユーロ/円がつれ安となって同日安値を160.43円まで更新。ポンド/円も3日ぶりに安値を更新し一時234円割れとなりました。しかしドル/円は110円前半で底堅い値動きが続き、NY入りから110円後半へ上昇。9月対米証券投資が予想を下回る買い越しとなり一時ドル売りが強まるも、ダウが米指標に反応せず反発して始まり、またFRB当局者が12月の連続利下げに対するけん制発言を行ったことからドル/円が急伸、111円台を回復して111.32円の高値を示現しました。クロス円もドル/円に引っ張られて強含みとなりユーロ/円が安値から3円近く上昇し163円をタッチ。NY中盤以降、ダウの底堅い展開となりリスク回避は限定的で、ドル/円は前週比25銭高の110.92円で取引を終了。またユーロ/円は163円の大台は維持できなかったものの162円半ばで取引を終え、豪ドル/円は99円手前の水準で引けとなりました。
なお他の通貨の先週終値は
ユーロ/円162.48円(前週比0.14円高)
ポンド/円227.62円(前週比3.81円安)
豪ドル/円98.90円(前週比2.10円安)
NZドル/円83.79円(前週比0.69円安)
加ドル/円113.89円(前週比3.48円安)
スイスフラン/円99.08円(前週比0.55円高)となっています。
先週の主な要人発言
11月12日(月)
町村官房長官
「日本全体としてみると円高は基本的に問題ない」
豪州準備銀行(RBA)四半期金融報告
「2007-2008年の経済成長率見通しは干ばつの影響から4.25%から3.75%へ下方修正」
「2007年のコア消費者物価指数(CPI)は3.0%から3.25%へ上方修正」
パラモECB専務理事
「欧州中央銀行(ECB)は依然としてインフレ見通しに関する情報収集を継続している」
ユンケル・ユーログループ議長
「『(前週会見における)為替相場が荒っぽい』とのトリシェECB総裁のコメントは正しい」 「原油高は懸念の源泉」
福田首相
「株価の下落、心配することは少しもない」
11月13日(火)
福田首相 「円の上昇は急すぎる」
UAE(アラブ首長国連邦)中銀総裁
「ドルぺッグ制を解消するときは、適切な時期に湾岸協力会議で決定されるべき」
福井日銀総裁
「円高が一概にダメージと見るのは一方的」
サルコジ仏大統領
「欧州の為替政策は、各国経済を防衛するべき」
カナダ財務省高官
「G20では世界経済の不均衡と調整を協議」
「介入は特別な状況のみで実施される」
11月14日(水)
ブッシュ米大統領
「米国は強いドル政策を維持、世界はそれを知ることが重要」
ボラート・NZ準備銀行(RBNZ)総裁
「高金利が自国の住宅市場を鈍化させている」
「NZドルへのキャリートレードの圧力は低下している」
英四半期インフレ報告
「来年第1四半期と、来年後半から再来年序盤に2回の利下げで、インフレは2.0%付近に落ち着く」
キング・イングランド銀行(BOE)総裁
「英成長率は来年急落するリスクがある」
フレアティ・カナダ財務相
「加ドルは懸念水準にあるが以前より下落している」
11月15日(木)
UAE中銀総裁
「ドルペッグ制を離脱して通貨バスケット制に移行する圧力に直面」
ロート・スイス国立銀行総裁
「スイス経済には下振れリスクがある一方、物価上昇は予想以上のペースで上昇する可能性」
11月16日(金)
UAE中銀総裁
「ドルペッグ制を離脱することは、湾岸諸国会合の承認なしにはない」
クロズナーFRB理事
「追加利上げはインフレの上振れリスクを強める」
プール・セントルイス連銀総裁
「一段の利下げが必要かについては疑問」
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