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[コラム]各国経済の独自性とグローバル化による同調性

2007年11月21日 10:55更新 前の記事 次の記事  コラム一覧
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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ(http://www.murc.jp/index.php)「真野輝彦客員研究理事コラム 2007年11月21日付」より

 Globalizationの進展でモノ、ヒト、カネなどの生産要素が国境を越えて移動することが当たり前になった。その結果、各国経済循環がSynchronize(同調化)していることは否定できない事実である。株式市場などで、カネが自由に飛びまわるのだから各国の株価がSynchronizeするのは当然であり、米国やヨーロッパ市場の株価に比較し日本株は出遅れているとのコメントがよく聞かれる。もっともだと思われがちなのだが、現実の世界には厳然とした国境が存在し、国ごとに通貨、税制、財政・金融政策が異なっている事実を忘れてはならない。確かにEUなど地域的な共通化が図られてはいるケースもあるが、域内でもなお個別国民経済はそれぞれの特色を維持しているのである。IT技術の進歩で資金の移動速度がどんなに早まろうとも、各国の実体経済が同じ速度で同調化・同質化するわけではない。株価には資金移動要因と同時に個別国や個別会社の実体が反映されている。日本の株価が相対的に低い背景には、実体経済面が出遅れている事実があるのである。
 実体経済面の出遅れを実証するため、日米の過去10年間のGDP実績を比較してみよう。米国(単位10億ドル)は1996年の7,817から2006年には13,247と1.69倍になっている。一方、日本(単位兆円)は同じ期間に504.3から507.7と1.01倍に過ぎない。一人当たりGDPをドル建で比較すると、米国の29,476から44,245と1.50倍に対し、日本は36,839から34,171と0.93倍に減少している。この間、国力の相対価値を反映する円の対米ドルの価値は108.7から116.3に目減りしているのである。
 このように日米のGDP推移を比較してみると、日本の株価は出遅れどころか、逆に今までが高すぎたという見方になる。Globalizationによる経済同質化の実態を見誤ってはならない。

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真野 輝彦(まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 客員研究理事
   
  1956年 東京銀行入行。
  フランクフルト支店為替課長、本店為替部次長、スイス東京銀行総支配人、丸の内支店副支店長、調査部長を歴任。
  1985年東京銀行取締役、1987年東京銀行参与。
  1996年合併に伴ない、東京三菱銀行参与。
  1999年より現職
   
  日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会委員
  国策研究会 評議委員会議長
  日本国際フォーラム 政策委員
  読売国際経済懇話会 特別会員
  International Club of Bank Economists会員
  国際通貨研究所 評議員
  聖学院大学・大学院 教授
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