スイス金融大手UBSは10日、米サブプライム(低所得者向け)ローン問題に伴う損失で新たに100億ドル(約1兆1千億円)の評価損を計上する予定であると発表した。またさらに同日、UBSはシンガポールや中東の政府系ファンドから総計2兆円近くの資本増強を実施したと発表した。 UBSの10-12月期決算では損失を計上し、2007年通期でも最終赤字を計上する可能性があるという。すでに7-9月期には5千億円の損失を計上している。今年一年でUBSはサブプライム問題によって126億ドルの評価損が生じることになるという。 資本増強では、政府系ファンドであるシンガポール政府投資公社(GIC)が97億5千ドル、中東の投資家が17億7千万ドルの転換社債を引き受けたという。 欧州系銀行は米サブプライムローン問題による評価損により多額の損失を計上しており、それを政府系ファンドが資本増強を行い補う形となっている。資本増強における政府系ファンドの出資額は、モルガン・スタンレーによると1-11月で約4兆円、今回のUBSでの出資を含めると5.5兆円に達しようとしている。また、経済協力開発機構(OECD)は、世界金融機関におけるサブプライム損失高総計は33兆円程度に達する可能性があるという。 ブッシュ米大統領は先週サブプライムローンの救済策として金利凍結を発表したが、アナリストらは、救済策が金融機関にどの程度効果を上げるかはっきりとした予測が立てられないでいる。Zuercher KantonalbankアナリストのAndreas Venditti氏は、「サブプライム救済策の効果は予測し難い。どの金融機関がどのような金融商品の組み合わせを保持しているかわからず、各金融機関によって利益を得る機関とそうでない機関が生じるだろう」と述べている。 スイスUBS株価は10日1.02ドル(2%)上昇して51.50ドルとなった。