[コラム]自民党税制改正大綱の一つの問題点
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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ(http://www.murc.jp/index.php)「真野輝彦客員研究理事コラム 2007年12月11日付」より
―疑問の多い地方税配分の見直し―
自民党税調の2008年改正大綱がほぼ固まり、公明党との調整の後、今週中にも最終決定が見込まれている。この大綱には法人事業税の配分見直し、株式譲渡損益と配当の合算、中小企業の優遇、バイオ燃料の減免などが盛り込まれているが、消費税を社会保障費の中核財源にする地ならしとの見方も強まっている。特に都市と地方の格差是正のための法人事業税(地方税)の配分見直しには下記の疑問がある。
第一は、法人事業税は地方税であり、納税者に関係のない他の地域への配分は、税の原則、大げさに言えば憲法に違反するという問題がある。事業税を地方税から国税に移す手続きを含め税制全体の見直しが、まず論議されなければならない。
第二は、従来の地方への交付金、補助金が、地方の活性化に必ずしも繋がっていないという過去の過ちを再び繰り返すことになりかねないことである。必要な歳出に見合う歳入は自己責任で調達するのが地方自治の原則であり、地方は公的部門の圧縮、地方税率の引き上げなどの自己努力が不可欠である。また国税配分の課題に正面から取り組むことが本筋であり、地方税を巻き込み、問題を先送りさせてはならない。
第三は、都市の生産性の低下は、日本全体の生産性低下に繋がることである。国際基準で比較すれば、道路などの交通事情、空港の不便さなど日本の都市の生産性は、欧米のみならずアジア地域と比較しても劣後しているのが実情である。都市財源を削り地方支出に回すことは、この劣勢を加速させることになる。政官の公的部門のリストラが必要なことは繰り返すまでもない。都市の国際的生産性格差解消なしに、日本経済の再活性化も財政赤字の解消も不可能なのである。
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真野 輝彦(まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 客員研究理事
1956年 東京銀行入行。
フランクフルト支店為替課長、本店為替部次長、スイス東京銀行総支配人、丸の内支店副支店長、調査部長を歴任。
1985年東京銀行取締役、1987年東京銀行参与。
1996年合併に伴ない、東京三菱銀行参与。
1999年より現職
日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会委員
国策研究会 評議委員会議長
日本国際フォーラム 政策委員
読売国際経済懇話会 特別会員
International Club of Bank Economists会員
国際通貨研究所 評議員
聖学院大学・大学院 教授
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