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[レポート]12月17日週の外国為替市場分析(1)

2007年12月18日 13:34更新 前の記事 次の記事  コラム・外国為替一覧
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出典:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2007年12月18日付」より

●先週の概況●
ドル/円続伸するも、FOMC利下げや各国中銀の資金供給策にも株安は止まらず

 先週10日月曜日は金融不安から円買いが先行しましたが、米住宅指標などが強含み海外時間は底堅い展開、ドル/円はほぼ横ばいで推移しました。週明けの取引はドル/円・クロス円が朝方から軟調な値動きで始まり、ドル/円が一時111.33円へ下落。予想を大幅に上回った本邦10月機械受注への市場の反応は薄く、東京時間午前は上値の重い展開が続きました。午後に入って短期筋の円売りでドル/円が111.85円へ上振れする場面がありましたが、スイス大手銀UBSが100億ドルの追加損失を計上との報道で再び下げに転じ、ドル/円は111.50-80円の狭いレンジでもみ合いに。日経を始めアジア株がさえない動きとなるも、UBSがシンガポールや中東系から増資を受けるとの報道で欧州株が盛り返し、クロス円も欧州通貨中心に買い優勢へ。ポンド/円がロンドン時間に228円後半へ急伸した他、ユーロ/円も164円台へ乗せてから164.56円まで同日高値を更新、11月9日以来の高値水準へ上昇しました。しかし加ドル/円はカナダ11月住宅着工件数が予想を下回ったことを受けて、111.63円の高値から急反落。111円を割って一時110.29円まで下値を拡大しました。NY時間は米10月中古住宅販売保留が予想以上に強かったことからダウが100ドル近く上昇、しかし翌日にFOMCを控え取引を控える動きが見られ、ドル/円は111円後半でこう着した展開に。しかし豪ドル/円などオセアニア通貨は終盤まで堅調で豪ドル/円が99円手前まで上昇しました。

 11日火曜日のNY時間、FOMCは市場の予想通り政策金利を0.25%引き下げたものの、0.50%の大幅利下げを見込んでいた筋から失望売りが殺到しダウが急落。ドル/円・クロス円も大幅反落し今週月曜からの上げ幅をすべてはき出す展開に。東京時間は前日のダウが100ドル高となったことからドル/円・クロス円とも底堅い展開となり、ドル/円が仲値前に111.93円へ急伸した他、豪ドル/円が99円台へ上昇。午後も株高の流れを受けてじりじりと円売りが継続し、夕方にはドル/円が112.12円と11月9日以来の高値水準へ上昇しました。ユーロ/円も164.96円と165円の大台手前まで上値を拡大しますが、独12月ZEW景況指数が予想を下回り6ヶ月連続で低下を示すとユーロ/ドルが軟調な値動きとなり、ユーロ/円もつれ安となって164円前後へ反落。また他のクロス円も円売り一服から調整が入り、豪ドル/円が99円割れへ。NY時間も欧州通貨を中心とした調整売りが続き、ポンド/円が高値から2円以上反落。また米大手通信会社AT&Tの自社株買い報道でダウ先物が小幅高となるも為替市場への影響は限られ、調整一巡後はFOMCを控えて小動きとなりました。そして4:15、米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利を0.25%引き下げ4.25%とすることを決定、また公定歩合も同様に0.25%の引き下げとしました。結果は大方の予想通りでしたが、一部の参加者が0.50%の大幅利下げを見込んでいたことや、利下げが0.25%でも公定歩合は0.50%引き下げるとの見方があったことからダウが失望売りで大幅反落。クロス円にもリスク回避の動きが波及しユーロ/円が163、162円と続けて大台を破り161.87円まで同日安値を更新した他、ポンド/円が一時225円を割り込み、豪ドル/円も96円前半まで下押ししました。一方ドルは対ドルで大幅反発したものの、ドル/円はクロス円の下落に押され111円割れへ。また声明文では米住宅市場の調整深刻化が経済成長を鈍化させるとし、前回より景気見通しが悪化。ダウが終盤下げ幅を300ドル以上に拡大するなど、市場のリスク回避は収まらずドル/円・クロス円はほぼ安値引けの形で取引を終えました。

 12日水曜日はFOMC後の急落から戻りを試す展開となりましたが、下値での買い意欲が強く東京時間からドル/円・クロス円とも堅調に推移。さらにNY時間、米FRBなど主要五ヶ国の中銀が金融市場への資金供給を拡大するとの声明を発表したことから、ドル/円が11月9日以来の高値を更新、クロス円も前日の下落分を相殺し全面円安の展開となりました。FOMC後に110.47円まで急落したドル/円は午前、自律反発的に111円前後へ上昇。クロス円も安値から若干切り返すものの、日経が200円以上下げて始まるなどアジア株が軒並み下落し、正午にはいったん買い戻しが一巡。しかし午後に入ってFRBが新たな資金供給策を発表予定との英FT紙の報道が流れたことから、欧州通貨中心に再び買いが集まりユーロ/円が163円台へ急伸、他のクロス円も強い上昇を示し豪ドル/円が98円台へ上昇しました。ロンドン時間に戻り売りから下げる場面がありましたが、ポンド/円は強い結果となった英11月雇用統計発表後じりじりと反発へ。ドル/円も111円前半へ上昇後は大台を大きく割ることなく底堅い値動き。赤字額が若干拡大した米10月貿易収支への反応は特になく、堅調な時間外ダウ先物に連動して円売り優勢の展開が継続。そうしたなか、世界主要五ヶ国の中銀(米連邦準備制度理事会、欧州中央銀行、イングランド銀行、カナダ銀行、スイス国立銀行)が、共同声明で短期金融市場における資金調達が困難にならないよう協調する旨を発表、市場はこれを受けてドル/円・クロス円が暴騰、ドル/円が112.46円まで同日高値を更新した他、ユーロ/円が前日高値を越えて165円台へ急伸。また豪ドル/円が一時100円台をタッチするなど全面円安の展開に。ダウも寄り付きから200ドル以上反発し、市場のリスク許容度回復を背景に急激な株高・円安が進行しました。しかしNY中盤以降ダウが徐々に上げ幅を縮小し一時マイナス圏へ下落したため、豪ドル/円が98.26円へ急落。その後はクロス円中心に乱高下する展開に。ドル/円も112円をはさんで荒い値動きとなりますが、引けにかけてダウがプラス圏へ持ち直したため112円の大台を維持。クロス円もユーロ/円を始めとして軒並み高値圏を保って取引を終えました。

 13日木曜日はドル/円・クロス円とも前日の上昇が一段落し、ロンドン時間まで軟調な値動きが続きましたが、NY時間に米小売売上高など一連の米指標が強い結果を示すとドルの買い戻しが加速、ドル/円は112円台を維持して引けとなりました。東京時間は前日のダウ軟調の流れを引き継ぎ上値の重い展開となり、ドル/円が112円を割ってじりじりと下落。重要指標の相次いだオセアニア通貨は、まずNZドル/円が朝方発表された10月小売売上高が予想を下回ったことを受けて、88円前後へ50銭ほど反落。一方豪ドル/円は豪11月失業率と同新規雇用者数で強弱まちまちの結果となり影響は限定的でした。アジア株が軒並み大幅安となり、日経は午後に入って下げ幅を一時400円以上へ拡大。ドル/円・クロス円も軟調な動きが継続し、夕方にはドル/円が111.39円まで下落した他、ポンド/円が英住宅指標の下振れを受けて228円割れとなりました。そうしたなかスイス国立銀行(SNB)が政策金利を2.75%に据え置くことに決定。来年のインフレ見通しが若干上方修正されるも、市場は特に反応せず。ロンドン時間以降ようやく調整が一巡、ドル/円は111円後半でもみ合いとなり、NY時間に米大手証券リーマンブラザーズの第4四半期決算が予想を上回る結果となったことに加え、米11月生産者物価指数(PPI)および米11月小売売上高が総合指数・コア指数とも予想を上回ると、市場でドル買いが殺到。ドル/円は112円台へ急伸、前日高値にほぼ並ぶ112.44円をつけました。一方ユーロ/円はドル/円の上昇に引っ張られ一時165円手前まで上昇するも、ユーロ/ドルが1.47ドルから1.45ドル台へ急反落したことから、その後下げに転じ163円半ばへ急落。その他のクロス円もさえないダウの値動きに連動し軟調に推移しました。ただポンド/円は対ドルでの下げが限定的だったため底堅い展開となり、ダウが引け際にプラス圏へ持ち直すと229円台へ上昇しました。

 週末14日金曜日はドルが主要通貨に対し全面高となり、ドル/円は11月8日以来の113円台を回復。しかしクロス円は米インフレ圧力を嫌気して下落した米株式を受けて、加ドル/円を除き軟調な推移が続きました。東京時間は前日の強い米指標を受けたドル買いが継続し、ドル/円が112.60円台までじり高で推移。また朝方発表された日銀短観は、大企業製造業業況判断が+19と前回の+23から急低下したことから、クロス円も午前中円安傾向が続き、豪ドル/円が99円手前まで急伸した他、ポンド/円が再度230円をタッチしました。しかし仲値後に円売りが一服すると、米格付け会社がシティバンクの格付けを引き下げたことなどもドルの重しとなり、ドル/円は午後にかけて112.50円前後でこう着、クロス円も欧州通貨を中心に軟調な値動きに。また前日の米生産者物価指数(PPI)が強い結果となったことを受け、NY時間に発表される米消費者物価指数(CPI)が上振れるとの観測から、夕方以降欧州勢がドル買いで参入し、ユーロを始め主要通貨が対ドルで下落。ユーロ/円が163円半ばへ下押ししました。一方ドル/円は112.50円の抵抗線を突破してNY入りに113円台へ上昇。米11月消費者物価指数(CPI)は市場の思惑通り、総合・コア指数とも予想を上回ったものの、事前に買いが進んでいたため伸びは限定的でした。また加ドル/円が特に材料のない中、買い優勢の動きを受けて110円半ばから111.97円へ急騰。逆にインフレ圧力を嫌気してダウが100ドル以上反落して始まり、クロス円は軟調の流れが継続。ユーロ/ドルが1.45ドルを割ってさらに下げ足を速めたことからユーロ/円は一時163.22円まで同日安値を更新しました。中盤以降ダウが下げ渋ったことからクロス円が持ち直すものの、NZドル/円は対ドルでの大幅反落を受けて終盤まで軟調に推移。一方ドル/円はNY中盤以降も堅調に推移し、113.58円まで高値を更新、前週比1.70高の113.39円で取引を終了しました。

なお他の通貨の先週終値は

ユーロ/円163.55円(前週比0.11円安)
ポンド/円228.73円(前週比1.83円高)
豪ドル/円97.67円(前週比0.29円安)
NZドル/円87.01円(前週比0.39円高)
加ドル/円111.47円(前週比0.39円高)
スイスフラン/円98.36円(前週比0.59円安)となっています。


先週の主な要人発言

【12月10日(月)】

「インフレに下向きリスクがある」
米経済悪化で国内輸出企業にさらなる打撃」
--------------ドッジ・カナダ中銀総裁

【12月11日(火)】

「2008年から人民元為替レートの柔軟性をさらに高める」
--------------周小川・中国人民銀行総裁

「さらなる利上げなくとも、借り入れコスト上昇がインフレ抑制に」
--------------スティーブンス豪州準備銀行(RBA)総裁

「ボストン連銀総裁一人が0.50%の利下げに投票」
「住宅市場の調整や企業・個人の支出低下を反映して経済成長が減速」
「金融市場の緊張はここ数週間高まった」
「インフレリスクは残存、引き続き注意深く監視していく」
「金融悪化で成長・インフレ見通しに不透明感高まった」
--------------FOMC声明文

【12月12日(水)】

「米連邦準備制度理事会、イングランド銀行、欧州中央銀行、カナダ中銀、スイス国立銀行は短期金融市場における資金調達の圧力緩和に向け、流動性の供給で協調」
--------------5ヶ国中銀共同声明

「各国中銀による措置を歓迎。年末越えの資金供給・金融調整を通じて市場の安定に努める」
--------------日銀声明

【12月13日(木)】

「スイス金融市場は極めて正常で安定」
「穏やかな景気減速はインフレ抑制につながる」
--------------スイス国立銀行(SNB)声明

【12月14日(金)】

「金融市場の動向を非常に注意深く監視している」
「現在のユーロ高では行動を起こす必要はない」
--------------ユンケル・ユーログループ議長

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