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[コラム]人材宝探し!?

2007年12月18日 13:52更新 前の記事 次の記事  コラム・人事・組織戦略一覧
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出典:日本総合研究所ホームページ(http://www.jri.co.jp/)「研究員のココロ (株)日本総合研究所 主任研究員 青木昌一 2007年12月17日付」より

1.本当に人材はいないのか?

 しばしば客先の経営者や経営幹部の方などから当社には人材がいない、あるいはこういうことを任せられる人がいないという声を聞くことがある。

 どこかに人材はいないか?誰か紹介をしてもらえないか?といったお話をいただくこともある。しかし、本当に内部に人材はいないのだろうか?

 外部人材をあたる前にもう一度社内を見渡していただきたい。ある規模以上の企業には必ず埋もれている人材というのがいるものである。すべての社員のことを分かっているつもりでいても、実際にはずっと以前に持ってしまった先入観からその人を客観的に見て理解するということができなくなってしまっている。あるいはそういう人にきちんとフォーカスを当てたことすらないというケースもある。

 筆者はコンサルティングの一環で客先の社員の方にヒアリングをさせていただくケースが多い。そうするとどこの会社でもこの人は大変高い能力を持っていると感じる人が必ず何人かいる。確かに単に話だけ聞いて能力の高低が正確に判定できるわけではない。

 しかしいろいろと話をすると、その人がどういうときに何を判断基準にしているか、そしてその判断をもとにどう行動しているか。あるいは交渉の場でどのようなストーリーを立てて、どこに落としどころを持ち、実際にどう決着させたか。問題が起こったときにどのように理解し、どう突破したかが分かる。逆に何もしていないということも分かる。

 そのときになるほどと感心してしまうような話を伺うケースがしばしばある。そしてほとんどの場合、そういう話を伺いながらリアルに情景が目に浮かぶような話をしてくれる人、しかもこちらからあまり根掘り葉掘り尋ねなくともわずかにヒアリングの趣旨を説明した直後からたて板に水を流すような調子で語り始めるような人にはほとんどの場合、高い能力を感じる。

 ところがそういう人が必ずしも社内的には陽の目を見ていないケースということも多い。

2.人材宝探しの具体的方法

 こういう人材を内部からみつけ出すことは、例えてみれば宝探しのようなものではないかと考えている。

 終身雇用が必ずしも当たり前とは言えなくなったとはいえ、やはりひとつの会社あるいはひとつの企業グループで企業人生活を終える人は多い。そういう場合にはひとりの人に会社は億単位の生涯賃金を支払うことになる。ところがその億単位の賃金を何十億円、何百億円にして会社に返してくれる人が埋もれているかもしれないのである。

 最近、多くの会社が人材教育に力を入れるようになっている。我々にも研修依頼や研修体系設計のお話が数年前と比較するとかなり増えてきている。これはこれで良い傾向だと思うのだが、社内に埋もれた人材がいないかどうか確認してみることも大きな価値があるのではないだろうか。

 ここではその宝探しの方法を提案したい。

(1)全社員ヒアリング

 以前一度このコラムに書いたことがある方法だが、全社員(ある一定の階層でもかまわない)を改めてヒアリングしてみるというのは人材の宝探しには思いのほか有効な手段である。

 対象者にここしばらくの間でもっとも会心の仕事ができたと本人が思っている経験談を語らせてみる。そのなかで、どんな課題にぶつかったのか。そのときどういう打開策を考えたのか。そう判断したのはなぜなのか。そういったことを軸に話を聞きすすめると、その人の能力的な側面が思いのほか浮き彫りになる。

 複数に手分けしてヒアリングを行うのであれば、集めた情報をあとで皆で持ち寄って突き合わせてみるとおもしろい。これまで気付かなかった高いポテンシャルを秘めた社内人材をリストアップできる。

(2)人材の棚卸し

 難しい準備は必要ない。いまあなたの会社で使用している評価シートの評価項目に沿って評価する。余計な記入欄は取り払って評価項目だけを一覧表にしてもよい。そして対象としたい人たちをその評価シートを用いて評価してみる。

 その際に、直接関わっている人であれば問題ないが、ふだんあまり接点のない人であれば、実際の仕事ぶりはなかなか分からないはずである。そういう場合には本人にヒアリングしたり、数日間仕事ぶりを観察してみる。

 大事なことは、その人の評価を最初から決めつけないで、自然体で評価すること。そしてできるだけ自らの目で見た事実で評価し、見ていない部分は反映させない。自らが直接持っている情報量が不足しているなら、必要な情報を集めるのである。また、評価する際には性格的な面は一切排除して評価する。

 すると必ず通常の人事評価の際には見えてこない宝と呼べる人材が何人か必ずリストアップできる。

3.すべてはその人材を活用できるかどうかにかかっている

 しかし、せっかくみつけ出した宝も活用しなければみつけていないのと同じである。場合によっては教育を施すなど磨く必要があるかもしれない。

 いずれにしてもせっかく人材をみつけだしたのだから、その人材に「場」を与えることが必要である。場合によってはその人に様々なレッテルが貼られてしまっていて、登用に際して内部的な抵抗感が大きいケースもあるだろう。しかし、ここで諦めてしまってはいけない。思い切って「場」を与え、とにかく成功体験をさせることである。そうすることで、本人も自信を持つようになり周りも先入観を改めるようになる。

 そして、その「場」はできる限り困難かつ重要なテーマを帯びている方が望ましい。困難を伴うテーマに取り組む場合、人はいろいろなことを考え、さまざまな努力や工夫をしようとする。そうすることでひと皮むけることも期待できる。

 いまこの時点で人材がいないと思っていらっしゃる経営幹部の方は一度人材宝探しに取り組んでみることをお勧めしたい。

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青木 昌一
(株)日本総合研究所 主任研究員 人材マネジメントクラスター
専門分野:人事・組織戦略
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