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[コラム]「消費拡大のためにドル売り介入を」―円の購買力拡大効果―

2007年12月21日 20:39更新 mailメール

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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ(http://www.murc.jp/index.php)「真野輝彦客員研究理事コラム 2007年12月21日付」より

 2008年春闘を前に、日本経団連は19日、経営側の指針となる「経営労働政策委員会報告」を発表した。報告書では「企業と家計を両輪とした経済構造を実現していく必要がある」と家計への配慮に言及し、条件付賃上げ許容方針が打ち出された。サブプライム問題の悪影響が長引きそうな環境の中で輸出に頼る成長にも限界があり、GDPの65%を占める消費を拡大することが景気底上げに不可欠との認識を示した。しかし賃上げは業績が好調な企業に限定し、一律引き上げには歯止めをかけている。同じ業界でも業績の良い企業とそうでない企業に二分化している現状では当然と言えよう。

 労働者側の環境は引き続き厳しい。グローバル化が進む中で、海外には日本よりはるかに安い賃金の労働者がふんだんに存在するからである。この認識を誤ると日本の経済活動が益々海外に押し出され、結果として自らの首を絞めることになりかねないからである。

 消費拡大のためには二つの方策がある。一つは所得効果策であり、給与を引き上げることによる消費拡大である。もう一つは価格効果策、即ち給与は不変でも、その購買力を高める方策である。前者に多くを期待できない日本の現状では、価格効果策がより有効である。原油や食料・飼料の急騰から、消費者物価の引き上げが陸続と発表されている。ガソリン価格の上昇が家計や企業の購買力を圧迫していることは言うまでもない。

 この圧力を縮小させる最大の方策が為替相場の調整である。原油は米ドル建で取引されており、ドル安になれば円の購買力は増加する。そのために為替市場でドル売り介入が有効である。円キャリー・トレードの最大の実行者は財務省による外貨準備の積み上げである。最近、外為会計などの埋蔵金問題が浮上しているが、ドル売り介入によりその一部が消費者に還元されることになる。

 為替相場の調整が輸出に悪影響を与えるとの主張が根強いが、日米のインフレ格差に見合う為替相場の調整は競争力を悪化させるものではない。このことの再確認が肝要である。

 これが本年最期のコラムです。皆様、楽しいクリスマスと、良い年をお迎え下さい。

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