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[レポート]週刊マーケットレター

2008年01月03日 10:52更新 

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出典:ゲゼル研究会(http:grsj.org)「曽我純の週刊マーケットレター」より
週刊マーケットレター(07年12月31日週号)
2007年12月30日
曽我 純 

図表などはサイトの PDF からご覧になれます。
http://www.grsj.org/marketletter/index.html


■主要マーケット指標

■ 減益予想下ではまだ割高な日本株

07年の日経平均株価の年間騰落率はマイナス11.1%と02年以来5年ぶりの下落となった。サブプライムで揺れている米国はNYダウの+7.2%(先週末時点)をはじめいずれもプラスであるほか、欧州の主要株価指数も06年末を上回っており、日本株の不振が目立つ。

 今年2月には2兆円超買い越した外人は、8月以降掌を反したように売り優勢となり、
同時に、株価は下げ足を速めていった。外需頼みの日本経済は米国などの影響が大きく、
来年の企業業績は厳しいものになると予想しているように思う。

 最近の調査によると、株価を決める主因である利益は悪化しつつある。『短観』によれ
ば、07年度の大企業経常利益は前年比2.4%増、『法人企業景気予測調査』では同0.3%減
だ。ただ、07年度下期は両調査とも減益予想であり、こうした収益悪化見通しが強まるな
かでは株式の下落リスクは高くなり、処分売りや見送り姿勢が多数を占めることになる。

 日経平均株価の株価収益率(PER)は年末、16.4倍だが、07年度の1株当たりの利益を横ばいと仮定するとPERは17.4倍に上昇する。利益が減少する過程では、PERは低下す
る傾向が一般的にみられ、PERは15倍以下に低下しても不思議ではない。まして、08年
度の日本経済は名目成長率がプラスを維持できるかどうかといった低成長になる可能性が
高く、S&P500のPERよりも低くなって当たり前。07年度の利益が06年度比横ばいとな
り、08年度が10%減益だと想定すると、日経平均株価は1万3000円弱でPERは16倍と
なる。最悪のケースでは、株価はさらに下振れすることも考えられる。

 日経平均株価が年間プラス・マイナスになった回数を調べてみると、89年までのバブルの10年間はすべてプラスと異常であったが、それでも50年代、60年代、70年代はいず
れもプラスがマイナスの回数を上回っていた。だが、90年代はマイナスが6回となり、07年までの8年も4勝4敗と来年以降2年連続でプラスにならないと09年までの10年も勝
ち越しにはならない。だが、90年代以降の騰落率をみると、騰落率がマイナスに転じたと
きは、3回とも3年連続で下落している。今回は経験則が当てはまるかどうかわからない
が、内需低迷という国内要因だけでなく、住宅バブルが弾けている米国経済や資源高の反
落懸念等から推測すれば、08年末も日経平均株価は前年を割れ、2年連続の下落になるだ
ろう。

 米国経済は住宅不況の影響が消費や設備投資に波及しつつある。こうした実体経済の低
迷を食い止めるために、FRBは引き続き政策金利を引き下げるだろう。今月も0.25%引き
下げ年4.25%としたが、景気重視の姿勢を取らざるを得ず08年も利下げは継続され、年央
には3%程度まで低下する可能性が高い。米政策金利と日本の株価との連動性は強く、米
政策金利が引き下げられているときには、日本の株価は下落する傾向がある。米国の利下
げは米景気悪化のシグナルととらえられているだけでなく、それが日本の景気にも悪影響
すると考えられるからである。

 NYダウが大恐慌前の最高値を更新したのは25年後の1954年であったが、最高値から18年経過していながら日経平均株価はまだその半分にも達していない。80年代の日本の株価バブルは米1920年代のバブルよりも膨れていたのだろう。戦後一貫して成長率が低下していた事実を等閑視して、買い煽ったツケがいまだに尾を引いている。楽観的な調査レポートの氾濫、代わり映えのしない営業、新人の大量採用等、90年代の厳しい経験がほとんど生かされていない。金融機関だけでなく、日本の企業は90年代を反省することもなく、したがってそこからなにかを学ぶことなく無為に過ごしたように思う。

 日銀の超低金利により売買高だけは膨らみ、売買回転率はバブル期以上に高い。新規資金の流入ではなく、特定のマネーが頻繁に株式市場に出入りしているだけである。日本の株式市場を売買高から眺めれば、バブル期よりもさらに投機色は強く、まさに賭博場と化している。新興市場の大幅な下落などによって多数の個人のカネは泡と消えたのではないか。自己責任とはいえ、「貯蓄から投資へ」という甘い標語を掲げ、株式投資を促すようなインフラの整備を行った政府の責任は重い。労なくして金を儲けることなど昔も今もないのである。それほど儲かるのであれば、証券会社は自己売買だけで稼ぐことができるはずだ。稼げないから手数料の高い投資信託を売っているのである。

 同じ過ちを何度も繰り返すようでは、日本経済の先行きは不安であり、沈みゆく泥船に
乗っているような気がする。日本の正味資産は05年末、2,639兆円と98年以降8年連続
の減少だ。90年末のピークからは894兆円減少したことになる。これから高齢化に拍車が
掛かり、少子化に歯止めが掛からなければ、年金や医療費の負担急増で正味資産を食い潰
さざるを得なくなる。株式売買の遊戯に耽っている時間などないのである。

(次号は休みます)


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