[レポート]1月14日週の外国為替市場分析(2)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年01月15日付」より
●今週のポイント●
■ファンダメンタルズ
金融機関の決算ラッシュで下値不安継続か、バーナンキFRB議長の議会証言も注目
先週は米雇用統計後のドル安・円高相場が一段落し、ユーロ/円やオセアニア通貨などを中心に安値から反発しましたが、週末米メリルリンチの決算見通しの悪化を受けて急速にリスク警戒が強まり、大幅に下落して引けとなりました。今週は15日の米シティグループ決算発表を皮切りに、米金融機関の第4四半期決算が相次ぐため、サブプライム絡みの報道で上下に振れやすい展開になりそうです。また年明けから軟調な株価動向を背景に、市場ではリスク資産回避傾向が鮮明になっており、投機筋の円買いポジションが先週から急増していることから目先は上値が重い状況で、金融機関の決算内容などが一通り明らかになるまで神経質な取引が続くと思われます。一方で先週バーナンキFRB議長を始め、FRB当局者から大幅な利下げを示唆する発言が相次ぎ、市場では30日のFOMCで0.50%の利下げをほぼ織り込む形となりました。FOMCを2週間後に控えているため、大幅利下げへの期待感が過度なリスク回避の動きを抑えることも考えられます。
今週の主要な米指標は米12月消費者物価指数(CPI)などの米インフレ指標と同小売売上高、そして米12月住宅着工件数を始めとする米住宅指標です。いずれもFOMCの利下げ幅に関連してくるため、株価動向とともに発表後の反応に注意が必要です。また昨年12月の米国小売売り上げが不調に終わったことから、小売売上高の下振れに注意が必要と思われます。そして17日のバーナンキFRB議長議会証言では、米経済見通しに関する発言に注目が集まっていますが、市場ではすでに景気減速を背景に利下げを織り込んでいる段階のため、サプライズとなる発言は出にくいと思われます。16日の米12地区連銀報告書(ベージュブック)の米景気・消費動向に関する記述にも注目したい。
イングランド銀行(BOE)は先週利下げを見送ったものの、一部で年内1.00%の利下げが予想されており、BOEの利下げペースを探る上で今週英消費者物価指数(CPI)などが注目されます。14日発表された英生産者物価指数(PPI)は予想を上回る水準を示したため、15日のCPIが英インフレ圧力の残存を示す形になると、対円対ドルで売られすぎの水準にあるポンドが買い戻されるという展開も考えられます。景気減速懸念が台頭しつつあるユーロ圏では、15年ぶりの低水準にある独ZEW景況感指数の動向が気になります。オセアニア圏でも注目指標が相次ぎ、17日の豪州雇用統計とNZ消費者物価指数の他、週末のNZ11月小売売上高の発表があります。また本邦指標としては前回非常に強い結果となった機械受注がありますが、その反動で弱めとなる結果が予想されているため為替相場はもとより日経への影響にも注意したいところ。
主要な経済指標とイベント
1月14日(月)
《 日 : 成人の日 》
【NZ】11月住宅建設許可 (06:45)
【英】11月ODPM住宅価格 (18:30)
【英】12月生産者物価指数 (18:30)
【欧】11月鉱工業生産(速報値)(19:00)
1月15日(火)
シティグループ第4四半期決算発表
【英】12月RICS住宅価格 (09:01)
【独】12月卸売物価指数 (17:30)
【英】12月消費者物価指数 (18:30)
【英】12月小売物価指数 (18:30)
【独】1月ZEW業況指数 (19:00)
【欧】1月ZEW業況指数 (19:00)
【米】12月生産者物価指数 (22:30)
【米】12月小売売上高 (22:30)
【米】1月ニューヨーク連銀製造業景気指数 (22:30)
【米】11月企業在庫 (24:00)
1月16日(水)
JPモルガン・チェース第4四半期決算発表
【豪】1月ウェストパック消費者信頼感 (08:30)
【日】11月機械受注 (08:50)
【日】11月貿易収支 (08:50)
【日】11月経常収支 (08:50)
【日】12月企業物価指数(速報値) (08:50)
【英】12月失業者数 (18:30)
【英】12月失業率 (18:30)
【欧】12月消費者物価指数(確報値) (19:00)
【加】11月国際証券取扱高 (22:30)
【米】12月消費者物価指数 (22:30)
【米】11月対米証券投資(ネット長期TICフロー)(23:00)
【米】12月鉱工業生産 (23:15)
【米】12月設備稼働率 (23:15)
【米】地区連銀報告(ベージュブック)(28:00)
1月17日(木)
メリルリンチ第4四半期決算発表
【NZ】第4四半期消費者物価指数 (06:45)
【豪】12月新規雇用者数 (09:30)
【豪】12月失業率 (09:30)
【豪】1月RBA月報 (09:30)
【日】11月鉱工業生産(確報値)(13:30)
【日】11月設備稼働率(確報値)(13:30)
【欧】ECB月報 (18:00)
【欧】11月貿易収支 (19:00)
【米】新規失業保険申請件数 (22:30)
【米】12月住宅着工件数 (22:30)
【米】12月建設許可件数 (22:30)
【米】1月フィラデルフィア連銀景気指数 (24:00)
【米】バーナンキFRB議長議会証言 (24:00)
1月18日(金)
【NZ】11月小売売上高指数 (06:45)
【豪】第4四半期輸入物価指数 (10:30)
【日】12月消費者態度指数 (14:00)
【英】12月小売売上高指数 (18:30)
【欧】11月建設支出 (19:00)
【加】11月製造業出荷 (22:30)
【米】1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(23:45)
【米】12月景気先行指数 (24:00)
■各通貨ごとの分析
アメリカドル/円 USD/JPY
先週ドル/円は107.87円の安値から反発し一時110円に乗せるまで上昇しましたが、週末にかけて再び下げに転じ109円前後の水準で引けとなりました。直近高安値の38.2%すら達成できずに反落するなど下押し圧力は強く、当面は下値試しの展開に注意する必要があります。14日時点で1月4日安値107.87円を下抜け107円前半へ下落、昨年安値107.20円に一時迫る場面がありました。107円を割れると105円台へ向けた動きが加速する可能性があるため十分警戒したい。ただ107円台は日足・週足のボリンジャー下限となっているため、下値への達成感が出やすい水準といえます。反発となった場合、上値は先週のレンジ下限となる108.60円が目先のターゲットになります。また109円台では1月4日安値と14日ロンドン時間安値をつないだチャネル上限の109円後半辺りが戻り売りポイントとして意識されそうです。今週の予想レンジは106.00-110.00円。
ユーロ/円 EUR/JPY
先週ユーロ/円は160円割れを試す動きが先行するも、大きく割り込むことなく160円台を維持しました。また160円割れ水準の底堅さが改めて示された形で、159.50-160.50円は短期的に買い場と見ることも。ただ強い支持線であるだけに、破られた場合下値が深くなる恐れがあります。160円を大きく割ってきた場合、11月13日安値158.67円を試しにいく動きに注意したい。一方上値は26週移動平均線に戻りを抑えられるなど、勢いに乏しい状況。基本的に持ち合い相場なので主要抵抗ゾーンの162.00-163.00円で上げ渋る場合は戻り売りが検討されます。今週の予想レンジは158.50-163.00円。
英ポンド/円 GBP/JPY
ポンド/円は先週も軟調な地合いが続き、週末に一時212円割れへ。さらに週明けの14日には7月12日以来の210円台を示現しました。RSIが30%前後を横ばいで推移し、強い下降トレンドを示唆しているため、目先は210円を試す動きを警戒したい。なお210円割れ水準は、11月1日から引かれた下降チャネルの下値支持線や、昨年7月20日から8月17日の下落幅を11月1日高値から引いた水準(N計算値)とほぼ重なるため、210円割れが下値のめどとして意識される可能性は高いと思われます。一方上値は先週のもみ合い下限213.50円が目先の抵抗線で、この水準を突破できれば先週高値217.29円が試されることに。今週の予想レンジは208.00-217.00円。
オーストラリアドル/円 AUD/JPY
豪ドル/円は4日につけた安値から順調に戻りを試す展開となり、10日には98円台を回復。週末96円台へ下落したものの引けで97円台を維持し上値余地を残す形に。上値は週足移動平均線が重なる99.00円前後が中期的なターゲットで、先週上値を抑えた21日移動平均線(97.50円)や先週の高値水準98.30円台を再度越えられるかがポイントになります。一方下値ですが95円がテクニカル的に買い戻しの入りやすい水準であるため、96円を割ってきた場合、95円前後での押し目買いが検討されます。今週の予想レンジは95.00-99.00円。
ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
NZドル/円もまた先週は堅調な展開で、節目の85円台を維持して引けとなりました。過去の相場を見ると85円の大台を突破後、大台が支持線に代わる場合が多いため、今週は85円台を引けで維持できるかがポイントになります。ただ21日移動平均線や90日移動平均線が重なる85円後半で先週上値を抑えられているため、この水準を明確に突破するまでは上値追いは慎重に行きたい。86円台へ乗せてくると次に7月24日高値起点の下降トレンドが引かれる87円前後がターゲットになりますが、このラインで上値を抑えられると下向きへ転換する可能性もあるため注意が必要。今週の予想レンジは83.00-88.00円。
カナダドル/円 CAD/JPY
加ドル/円は年初から上値を切り下げる展開が続き、先週末には106円台へ下落、今月高値から6円以上の下げ幅となりました。また週末の時点で1月4日〜10日の持ち合いから下放れする形となっているためまだ下げ余地が考えられ、週足・日足ボリンジャーの下限となる104円台が下値メドとして意識されます。ただポンド/円と同様に中期移動平均線とのかい離が昨年8月と11月に記録した5%近くまで拡大しているため、売られ過ぎ感から底入れは近いといえます。反発へ転じた場合、まず先週のレンジ下限107.60円が上値抵抗線として意識されます。レンジ内に戻すことになれば、先週長い上ヒゲを残した8日高値109.95円を試す動きも考えられそうです。今週の予想レンジは104.50-109.50円。
スイスフラン/円 CHF/JPY
スイスフラン/円は先週も97.50円を下値とした往来相場が継続。対ドル・対ユーロでの巻き戻しを受け、下値は堅くなっている印象。過去の動きを見るかぎり、上値も99.50-100.30円がレンジ上限と考えられ、レンジ上下限における逆張り戦略を維持したい。今週の予想レンジは97.50-100.30円。
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