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[レポート]1月21日週の外国為替市場分析(1)

2008年01月22日 10:09更新 前の記事 次の記事  コラム・外国為替一覧
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出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年01月21日付」より

●先週の概況●

週は相次いだ米金融機関の決算で評価損拡大が明らかとなりリスク回避が先行

 先週14日月曜日は米銀行決算の悪化見通しを背景にリスク回避の円買いが加速、ドル/円が昨年安値107.20円に迫る107.36円をつけた他、ポンド/円が210円台へ急落するなど全面円高の展開に。しかし海外時間にFOMCの緊急利下げのウワサなどから株価が持ち直したため、NY中盤以降買い戻しが優勢となり、ドル/円は108円台を回復して引けとなりました。
 東京市場が成人式の振替休日で休場となるなか、ドル/円は前週終値よりやや安い108.77円で取引を開始。午前は豪州第4四半期CPIが強含むとの調査や、豪州求人広告件数が過去最高水準となり豪雇用市場のひっ迫状況を示したことを受け、豪ドル/円が97円前後から97.57円へ上昇。一方ドル/円を始め他の通貨はこう着した展開に。しかし午後に入ってユーロ/ドルがストップをつけて急伸すると、それにユーロ/円がつれ高となって一瞬161.54円へ。逆にドル/円はユーロ/ドルの上昇を受けて108円前半へ下落。その後米シティグループの2兆円以上の損失拡大見通しと2万人規模のリストラ計画が伝わるとドルが全面安となり、ドル/円が108円を割って107.36円まで安値を拡大。またクロス円も金融不安を背景としたリスク回避の円買いで大幅に下落し、ユーロ/円が160円を割り込み159.90円を一瞬示現。また英12月生産者物価指数(PPI)は強い結果となるもポンド/円は3営業日続落し210.71円まで年初来安値を更新しました。一方オセアニア通貨はドル/円・欧州通貨が下げるなかで底堅く推移し、豪ドル/円は96円半ばで下げ渋る展開に。NY入りに緊急のFOMCミーティングが開かれるとのウワサや、米コンピュータ関連大手IBMの好決算などを受けてダウ先物が急騰すると、市場ではようやく円買いが一服。NY中盤にドル/円が108円台を回復した他、ユーロ/円も161円台を一時回復。豪ドル/円も900ドルと最高値を更新した金相場に支えられ97.41円へ上昇。結局FOMCによる緊急利下げは行われなかったものの、ダウが170ドルの大幅高で引けとなり、ドル/円は株高に支えられ引け際に108.31円へ上昇しました。

 15日火曜日は米小売売上高の悪化などを受けて米景気後退観測が急浮上し、リスク回避の円買い戻しが加速。ドル/円が106円台へ下落し2005年5月以来の安値水準へ。また豪ドル/円が93円台へ急落するなどオセアニア通貨も大きく売られました。
 前日のダウ反発を受けた買い戻しは朝方には一巡し、東京市場が始まると再びリスク回避の動きで徐々に円高へ。ドル/円は108円を割ってから午後も軟調な値動きが続き、夕方に107.32円まで下値を拡大。ユーロ/円も一時160円を割って159.34円を示現しました。またポンド/円が210円をタッチする場面がありましたが、その後予想以上に強い英12月消費者物価指数(CPI)を受けて反発へ。そしてロンドン時間、米シティグループの決算発表で前日報道された予想ほど悪化していなかったことから、クロス円中心にショートカバーが加速しユーロ/円が160円を回復した他、ポンド/円が212円台へ急伸。しかしNY入りに発表された米12月小売売上高が前月比マイナスを示し、さらに1月NY連銀製造業景況指数で6ヶ月先の景気見通しが悪化。これらの指標が米景気後退入りを示唆するものと市場で受け取られ、リスク回避のドル売り・円買いが急加速。ドル/円は昨年安値をあっさり割って106.59円へ急落、これまで底堅い展開となっていたオセアニア通貨にも円買いが波及し、豪ドル/円は95円割れとなりました。NY時間は200ドル以上へ下げ幅を拡大したダウにクロス円がつれ安の展開となり、引け際にユーロ/円が158円前後まで下値を拡大した他、ポンド/円が209円付近へ急反落、また豪ドル/円も朝方94円を割れる展開へ。ドル/円はNY中盤107円台へ戻す場面がありましたが、引けにかけて再び大台を割り込み106円後半で取引を終了しました。

 16日水曜日はドル/円が105円台へ下落するなど、リスク回避がピークを迎え円一段高の展開に。しかしNY時間、好調な米指標や欧州当局者のハト派的発言を受けてドルが対ユーロで急伸。ドル/円もまた107円後半へ切り返し、クロス円もダウの下げ幅縮小を受けて大幅反発しました。一方でユーロ/円は急落したユーロ/ドルの影響で戻りは限定的なものに。
 前日NY時間に106円台へ下落し、いったん107円台へ戻したドル/円ですが、東京時間は再び下値を試す動きが強まり、正午過ぎに前日安値を大きく割って106円前半へ。急激な株安・円高を受けて円売り介入やFRBが緊急ミーティングを開くとのウワサが流れるも、日経が一時400円以上下げ幅を広げるなどアジア株が大幅安で推移。夕方にはドル/円が2005年5月以来となる106円割れとなり、ユーロ/円も156円台へ下落。また豪ドル/円も大幅続落となり93円割れへ。また英12月失業率が2.5%と38年ぶりの低水準となるも、強い円高圧力にポンド/円は207円前後へ下落し、大幅に安値を更新しました。ロンドン時間に発表された米JPモルガンの決算は昨日の米シティグループに比べ限定的な悪化にとどまり、またNY入りに発表された米12月消費者物価指数(CPI)もほぼ市場予想の範囲で特に影響は出ませんでした。しかし予想以上の流入量となった11月対米証券投資や強い米12月鉱工業生産を受けてじわじわとドル/円が買い戻われ、また好調な米指標を受けダウ先物が下げ幅を大きく縮小し、クロス円も安値から反発。さらにNY中盤にメルシュ・ルクセンブルク中銀総裁がユーロ圏経済について「景気の下振れリスクが増大」「今年の経済成長見通しを引き下げる」と弱気の発言を受けて、ドルの買い戻しが加速しドル/円が107円台を回復、ダウも前日終値前後へ戻したことからクロス円も大幅高の展開に。一方ユーロ/ドルの急落を受けてユーロ/円は156.25円へ下振れする場面もありましたが、乱高下の後に157円台を回復。米12地区連銀報告書(ベージュブック)では景気減速や消費の落ち込みなどが示されるも特に市場の反応はなく、ドル/円は107.91円まで同日高値を更新しました。

 17日木曜日はバーナンキFRB議長の議会証言を控えてドル/円・クロス円が乱高下する展開。NY時間以降は米景気先行指数の悪化を受けてダウの大幅反落し、ユーロ/円が155円台へ安値を更新するなどクロス円が大幅安となりました。
 前日NY時間の買い戻しは朝方には一服し、東京時間午前ドル/円は調整を受けて107.90円台から107円前後へ下落。クロス円も軟調で158円手前へ戻していたユーロ/円が156円後半へ反落。またオセアニア通貨はNZ第4四半期消費者物価指数がNZ準備銀行(RBNZ)の目標上限を上回った他、豪12月失業率が4.3%と昨年9月以来の低水準を示すなど強い指標となるものの反応は限定的でした。しかし日経が午後に入って大幅反発し、ダウ先物も堅調に上昇したことから午後は円が全面的に売られ、ドル/円が107.86円まで反発した他、ポンド/円が212円台へ急騰。資源国通貨にも大きな買いが入り豪ドル/円がNY序盤に前日高値に並ぶ95.38円をつけました。しかしロンドン時間以降は軟調な欧州株を受けて調整売りが先行し、前日のハト派的発言でユーロ下落を招いたメルシュ・ルクセンブルク中銀総裁が、前週のECB理事会で利下げの議論がなかったことを示唆し、ユーロが対ドルで急伸、ドル/円は107円割れへ。また米投資銀行メリルリンチの決算で115億ドル(1兆2千億円)の巨額な評価損が明らかとなり、クロス円も軒並み夕方からの上げ幅を相殺する形に。NY入りはバーナンキFRB議長の議会証言を前に、ポジション調整からドル買い戻しが強まり、予想を大きく下回った米住宅指標の影響は限定的。一方ポンド/円はダウ先物の下落やギープ英金融政策委員会(MPC)委員の英インフレが高止まりするとの発言で209.50-212.50円のレンジで乱高下となりました。バーナンキFRB議長は下院議会証言で「効果的な追加措置をとる必要がある」と改めて大幅利下げを支持する見解を述べ、「財政支出による景気刺激策を早急に実施すべき」と、金融政策以外に政府による景気支援策の必要性を表明しました。しかし市場は大幅な悪化を示したフィラデルフィア連銀製造業指数に反応しダウが軟調に推移。クロス円は引けにかけて下げ幅を300ドル以上に広げたダウに連動して軒並み急落し、ユーロ/円が昨年9月10日以来の156円割れとなった他、豪ドル/円も再び93円割れへ。一方ドル/円はバーナンキ議長の景気に対する前向きな姿勢を好感した買いに支えられ、106円前半で下げ渋る展開に。

 週末18日金曜日は米大統領の景気対策案発表を控えて、ドル/円・クロス円の買い戻しが加速し、ドル/円はロンドン時間に107.57円まで上昇。しかしNY時間、米大統領の景気刺激策の効果が市場で疑問視されダウが反落、クロス円主導で引けにかけて大幅反落する展開に。
 東京時間は前日のダウ大幅反落を受けて日経が400円以上下落。しかしドル/円は朝方につけた安値106.34円から反発後、堅調に戻りを試す展開となり昼過ぎには107円台を回復。ユーロ/円も155円台から切り返し157円台へ急伸しました。また早朝発表されたNZ11月小売売上高が予想以上に強い結果を示したNZドル/円は午前80.60円まで売られる場面があったものの、その後他のクロス円同様に反発し夕方には82円台へ上昇。午後になると同日NY時間に米大統領が景気刺激策を発表との観測から日経がプラス圏まで急反発し、リスク志向を受けて市場で円売りが継続。ただポンド/円はロンドン時間に発表された12月小売売上高が予想を下回る前月比マイナスとなったことを受け、209円半ばへ高値から2円近い反落となりました。ロンドン時間も堅調な株価上昇を背景にクロス円主導の上昇が続き、ユーロ/円が157.78円まで同日高値を更新。しかしNY序盤、タカ派と見られていたラッカー・リッチモンド連銀総裁が「最近の弱い米指標は利下げの可能性を高めている」と発言し市場では調整売りが先行。その後ブッシュ米大統領が減税を主体とした米GDP1%相当(約1300〜1400億ドル)の景気刺激策を発表するも、米景気後退を回避するには不十分と市場で受け取られ株価が反落。NY中盤以降、ダウにつれ安となる形でドル/円・クロス円とも急速に上げ幅を縮小。ユーロ/円が朝方の安値水準155円台へ下落した他、ポンド/円が朝方の水準を下抜け208円前半まで下落。一方ドル/円は106円半ばで踏みとどまり、前週比2.34円安の106.63円で取引を終了しました。

なお他の通貨の先週終値は

ユーロ/円155.84円(前週比5.17円安)
ポンド/円208.36円(前週比4.81円安)
豪ドル/円93.82円(前週比3.24円安)
NZドル/円81.02円(前週比4.26円安)
加ドル/円103.76円(前週比3.09円安)
スイスフラン/円96.96円(前週比1.93円安)となっています。



先週の主な要人発言

【1月14日(月)】

リープシャー・オーストリー中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は物価安定を優先」

トリシェECB総裁
「インフレ警戒を緩めている者は誰もいない」


【1月15日(火)】

ジョーダン・スイス国立銀行理事
「景気鈍化とインフレリスクが強まった」
「スイス経済のスタグフレーション(インフレと景気減速が共存)はメインシナリオでない」


【1月16日(水)】

メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁
「ユーロ圏経済の下向きリスクが高まった」
「ユーロ圏の経済成長リスクは増大、2008年の成長見通しを下方修正も」

シュタインブリュック独財務相
「市場混乱は2008年にわたって継続」

米12地区連銀報告書(ベージュブック)
「経済成長は拡大も、前回より鈍化している」
「住宅、自動車関連の製造業が非常に弱い」


【1月17日(木)】

メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁
「先週のECB決定会合では2つ(利上げと据え置き)の選択肢について議論。3つではない」

ギーブ英金融政策委員会(MPC)委員
「インフレ率は数ヶ月間、目標値を上回る可能性がある」

バーナンキFRB議長「かなりの追加的措置をとる必要があるかもしれない」
「サブプライムの損失額、1000億ドルに達した可能性。しかし今後拡大しても5000億ドルは超えない見込み」
「FRBは米景気後退を予想していない」


【1月18日(金)】

スティーブンス豪州準備銀行(RBA)総裁
「信用収縮問題がオーストラリアへ与える影響は限定的」

ブッシュ米大統領
「景気対策は納税者への減税を柱に」
「景気刺激策はGDPの1%分(約1300億ドル)に相当」

ポールソン米財務長官
「景気刺激策で50万人の雇用創出」



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