[レポート]1月28日週の外国為替市場分析(2)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年01月28日付」より
●今週のポイント●
■ファンダメンタルズ
FOMC、米GDP・雇用統計と最重要イベント控え神経質な相場展開に
先週は週明けから世界的な株安と強い円高相場となりましたが、FOMCの緊急利下げやNY州当局による金融保証保険会社(モノライン)の救済観測、そして米政府と議会の景気刺激策について早期の合意が得られたことなどを背景に、市場でリスク許容度が急速に回復。日経・ダウが大幅反発し世界株安に歯止めがかかった他、為替市場でもユーロ/円が159円台へ到達するなど年末から続く急激な円高相場に一服感が台頭しました。
一方で欧州金融機関に巨額の評価損が出る可能性が報じられるなど、来月中旬以降に予定される欧州系金融機関の決算発表を控えて信用収縮懸念が強まる場面があり、先週の反発も目先的な安心感という印象があります。さらに今月の米雇用統計や小売売上高の下振れを受けて、市場で米景気後退観測が根強く残っているため、週末の米1月雇用統計や、前回景気分岐点の50を割り込んだ同ISM製造業景況指数などの動向によっては、市場で悲観的な見方がぶり返す可能性もあり、急激なリスク回避の動きに依然として注意が必要です。今週はFOMCなどの重要イベントを消化する過程で、現状の回復基調を維持できるかがポイントになります。
22日FOMCは2001年の同時多発テロ以来の緊急利下げを断行し、政策金利を0.75%引き下げ3.50%としました。ユーロ圏との金利差はすでに逆転し、今週のFOMCでさらに追加利下げとなれば、主要国金利との金利差拡大観測からドルは弱含みの展開を強いられることになります。対円ではこれまでのところ105-107円台で底堅い展開が続いていますが、リバウンドを明確にしたクロス円に比べ、ドル/円の反発は限定的であるため目先105円割れを再度試す動きを警戒したい。
今週注目される米指標・イベントはまず0.25-0.50%の利下げが織り込まれている30日のFOMCですが、先週の0.75%利下げに対する市場の反応がそれほどポジティブでなかったため、今回も大幅利下げを要請する雰囲気が強いと見られます。しかし最終的に2.00%近くまで利下げ余地が残る公算であることから、今回の利下げ幅が0.25%にとどまっても市場が総悲観に陥るとは考えにくいところです。また米1月非農業部門雇用者数(NFP)は前回の1.8万人の増加から5万人近くの増加へ改善するとの見込みで、今月分の週間新規失業保険申請件数が12月より改善傾向にあるため、大幅に下振れるリスクは小さいと思われます。ADP全国雇用者数やシカゴ購買部協会景況指数の雇用指数などは、NFPの発表前の判断材料になるため市場の思惑に変化に注意していきたい。
そしてFOMC前に発表予定の米第4四半期GDP速報値は前期から大幅な低下を示すことがすでに織り込まれているものの、一部ではマイナス成長となる懸念も出ているため、下振れによるリスク回避加速というパターンを警戒したいところ。また31日の12月PCEコアデフレーターもインフレ指標として注目されており、FRBが非公開に適性とするインフレ水準2.0%を大きく上回る場合、市場で利下げ観測が後退による株価下落につながる恐れもあるため一応注意しておきたい。
■主要な経済指標とイベント
1月28日(月)
《 NZ(オークランド) : プロヴィンシャルアニバーサリー 》
【欧】12月マネーサプライM3 (18:00)
【米】12月新築住宅販売件数 (24:00)
1月29日(火)
【日】12月失業率 (08:30)
【独】1月消費者物価指数 (16:00)
【スイス】12月貿易収支 (16:15)
【欧】11月経常収支 (18:00)
【米】12月耐久財受注 (22:30)
【米】11月S&P/ケースシラー住宅価格(前年比) (23:00)
【米】1月消費者信頼感指数 (24:00)
1月30日(水)
【NZ】12月住宅建設許可 (06:45)
【日】12月鉱工業生産(速報値)(08:50)
【英】12月マネーサプライM4(確報値)(18:30)
【英】12月消費者信用残高 (18:30)
【米】1月ADP全国雇用者数 (22:15)
【米】第4四半期GDP・個人消費(速報値)(22:30)
【米】FOMCミーティング (28:15)
1月31日(木)
【NZ】12月貿易収支 (06:45)
【独】1月失業率 (17:55)
【欧】12月失業率 (19:00)
【欧】1月消費者信頼感 (19:00)
【英】1月GfK消費者信頼感指数 (19:30)
【スイス】1月KOF先行指数 (19:30)
【加】11月GDP (22:30)
【加】12月景気先行指数 (22:30)
【米】12月個人消費・支出 (22:30)
【米】12月PCEコアデフレーター (22:30)
【米】新規失業保険申請件数 (22:30)
【米】12月建設支出 (24:00)
【米】1月シカゴ購買部協会景気指数 (24:00)
2月1日(金)
【スイス】1月KOF先行指数 (17:30)
【独】1月製造業PMI (17:55)
【米】1月失業率 (22:30)
【米】1月非農業部門雇用者数 (22:30)
【加】12月原材料価格指数 (22:30)
【米】1月ISM製造業景況指数 (24:00)
【米】1月ISM製造業指数・支払価格 (24:00)
【米】12月建設支出 (24:00)
■各通貨ごとの分析
●アメリカドル/円 USD/JPY
先週ドル/円は先週半ばまで下値を探る展開が続き、23日に年初来安値を104.94円まで更新。その後急反発して週末には107.88円へ上昇するも、引けで107円台を維持できず大きな往来相場となりました。しかし23日に下ヒゲの長い陽線が出現し、下落相場に一巡感が台頭。週足でも十字線が出てトレンド転換を示唆しているため、今後105-106円台で底堅さを示せば反発へ転じる可能性は高いと考えられます。
一方これまで終値ベースでは106円を大きく割り込んでいないため、105円前半台で引けとなる場合、再び年初来安値を試す動きが強まるため注意が必要です。下値のポイントは先週一時割り込んだ105円で、ここを下抜けると昨年8月〜11月安値をつなぐ支持線104.60円付近が次の主要な支持線になります。上値は今月10日〜25日高値を結ぶラインが通る107円台が目先の抵抗ゾーンになり、先週も108円手前まで上昇後失速していることから、今後107円台に定着できるかがポイントになってきます。今週の予想レンジは104.50-108.50円。
●ユーロ/円 EUR/JPY
ユーロ/円は先週155円を割って昨年8月17日以来の安値152.09円をつけるも、その後急反発して一時159.10円まで急騰。激しい乱高下を経て156円後半で引けとなりました。安値水準から一気に7円近いリバウンドとなったことから、下値リスクはかなり後退しているといえ、目先は戻りを試す展開が期待されます。5日移動平均線を引けで上回る動きが続けば、先週高値の159.10円や160円の大台を試す可能性が出てくるでしょう。
ただ158円台は21日移動平均線や下降トレンドなど主要抵抗線が並んでいるため、上値が重くなる可能性があります。一方下値は節目の155円や、週足ボリンジャー下限の154.70円が強い支持線になります。また先週のユーロ/円は一日の平均値幅が2.00-2.50円近くに達しており(昨年もっとも変動率の低かった5月で平均0.90円)、先週の余韻から上下に振れやすくなっているため注意が必要です。今週の予想レンジは153.50-159.00円。
●英ポンド/円 GBP/JPY
ポンド/円も先週は9円以上の値幅で乱高下する展開となり、23日に204.56円の安値を示現後、週末にかけて大きく切り返し214.00円をタッチしました。今週はポンド/円が先週安値で底打ちとなったか見極める動きになります。上値は先週末頭を抑えられた21日移動平均線が目先の抵抗線で、同線で上値を抑えられると短期的な上値追い相場が一巡する可能性があるため注意したい。
しかし214円前後は今月上旬もみ合ったレンジの下限でもあるため、ここを突破できれば1月8日高値217.29円まで上値余地が出てきます。一方下値は210円が目先の支持線になり、210円を割っても先週反発後の直近安値207.06円が破られないかぎり、下押しは限定的と見られます。またポンド/円も変動率の高い状況が続く可能性があるため、売買のタイミングに十分注意する必要があります。今週の予想レンジは207.00-217.00円。
●オーストラリアドル/円 AUD/JPY
豪ドル/円は一時90円台へ突っ込む場面も見られましたが、他のクロス円同様に急反発し週末には95円に乗せる場面も。週足で長い下ヒゲが出るなどチャート的にもトレンド転換が示唆され、目先は戻りを想定したいところ。
しかし豪ドル/円もまた21日移動平均線に先週上値を抑えられているため、今週94円後半へ下降してくる同線を越えられるかが目先のポイントになります。また95円を突破しても昨年11月7日高値起点の下降トレンドが95円後半を通るため、94-96円台で上げ渋るともみ合い相場へ転じる可能性も。下値については先週の下落が行き過ぎ感を伴っていたことから、90円台への再度の下押しは考えにくく、92.00-93.00円を支持ゾーンとした展開が予想されます。今週の予想レンジは92.00-96.50円。
●ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
先週NZドル/円は昨年9月以来の78円台へ売り込まれる場面がありましたが、その後急反発して80円の大台を回復、82円台で引けとなりました。今週も戻りを試す展開が予想されますが、先週NZドル/円は急落した15日以後の戻り高値圏で上げ渋る展開となっており、また昨年高安値の38.2%戻し水準が83.20円付近となっているため、目先は83.20-50円が上値抵抗線になると考えられます。ここを突破できれば15日の急落ゾーンを窓埋めしにいく動きも期待できます。下値は80円台が維持できるかがポイントで、80円を割る場合も先週の急反発が警戒され80円前後では買い戻り圧力が強まると思われます。今週の予想レンジは80.00-85.00円。
●カナダドル/円 CAD/JPY
先週104円台でスタートした加ドル/円は23日に101.80円の安値をつけて反発に転じ、翌24日に105円台を回復すると週末には一時107.49円まで上昇しました。先月末から続く下降相場にようやく一服感が出るものの、底値圏からの切り返しであるため、しばらくは上下に振れやすく方向感の見極めにくい展開が続くと思われます。また先週の戻り高値がちょうど21日移動平均線や、昨年12月27日〜1月23日までの下落分に対する38.2%戻し水準(107.50円)に抑えられているため、この水準で頭が重いと再度底値を試しに行く展開も考えられるため注意したい。
一方下値は先週半ばまで抵抗線となっていた104.50円付近が支持線として機能することが予想され、ここが破られる場合も昨年8月安値103.37円や週足ボリンジャー下限(102.70円)が位置する103円前後では堅い値動きが予想されます。今週の予想レンジは103.00-109.00円。
●スイスフラン/円 CHF/JPY
スイスフラン/円は95円前半への下落も一時的にとどまり、週後半からの反発局面で98.73円まで高値を更新。しかし終盤にかけては不安定な展開で結局97円前半へ押して引けとなりました。今週はこれまで続いてきたレンジ97.50-100.50円に収まることになるか注目で、先週上値が99円手前で重かったためレンジを切り下げる動きも想定しておきたい。今週の予想レンジは96.50-99.50円。
-------Fin-------
■次回は2月4日(月)更新予定です
※掲載内容は情報提供を目的としており、勧誘等を目的としたものではありませんので、お取引の最終判断はお客様ご自身の責任で行うようお願い致します。
関連記事
|
|

Powered by newsing |
|
コラム最新記事
|