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[レポート]週刊マーケットレター

2008年02月12日 11:23更新 前の記事 次の記事  コラム一覧
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出典:ゲゼル研究会(http:grsj.org)「曽我純の週刊マーケットレター」より

 週刊マーケットレター(08年2月11日週号、No.221) 2008年2月11日

曽我 純 

図表などはサイトの PDF からご覧になれます。
http://www.grsj.org/marketletter/index.html

■主要マーケット指標

■ 米国の景況悪化、非製造業に広がり不安募る

 ショッキングな内容の経済指標の発表によって、先週も米株式市場は揺れた。1月のISM製造業景況指数は50.7%と前月を上回ったが、米国経済の主力である非製造業は41.9%、前月比12.5ポイントも急低下し、03年3月以来58ヵ月ぶりの低い数字となった。2月1日の雇用統計以上にISM非製造業景況指数の株式市場に与えた影響は大きかった。

 景気悪化のシグナルが続けざまにでたことに、非製造業という米国経済の大半を占める部門が冷え込みつつあることに戦いたからだ。

 米景気循環と株価の関係をみると、株価のピークが景気のピークよりも約半年早いこと
が、これまでのデータから裏付けられている。1年も株価が先行しているケースもあれば、90年7月のように一致しているときもあり、さまざまである。今回、NYダウは07年10
月にピークをつけ、そこからすでに14%も下落していることや雇用統計等の指標を考慮す
ると、米国景気は後退に入っている可能性が高い。

 米国の景気後退期間は平均8ヵ月であり、これを適用すると、今年中には景気は底打ち
し、回復に向かうことになる。だが、今回の不況は不動産に根ざしており、病は重く、過
去の景気循環のように、短期間に回復に向かうとは考え難い。住宅ローンの借り換えの山
場を迎え、金利負担は増加、家計部門は消費支出を絞らざるをえなくなるであろう。消費
の不振は、低迷している設備投資に追い討ちを掛けることになり、経済は急速に悪化する
ことになる。住宅ローンの借り換えで、行き詰まる家計が増加する見通しであり、そうな
れば銀行の不良債権も増加し、貸出はより慎重になり、マネーの動きも鈍ることになる。
ITバブル崩壊の過程でNYダウはピークから30%以上下げたが、前例のない規模の住宅
バブル破裂では、株式市場は前回を上回るダメージを受けると身構える必要がある。銀行
部門は貸出に脅え、余裕資金は国債で運用する姿勢を強めるだろう。

 07年12月のOECD景気先行指数は前月比-0.3%と7ヵ月連続で低下した。米国やEUも
ほぼ同じように低下しているが、日本は07年9月を底に3ヵ月連続の上昇となり、米国、
EUとは異なる。昨年9月までの先行指数の低下があまりにも急激であったことによる一
時的な戻りであるのかどうかよくわからないが、12月までの半年の落ち込みは米国がより
大きく、米国の景気が相対的に日本よりも良くない。過剰住宅が適性水準に落ち着くまで
は米国景気の悪化が日本やEUを上回り、ドル相場は安くなる見通しである。

■ 世界景気悪化の影響を受ける機械受注

 商工中金の景況判断指数は1月、43.5と4ヵ月連続で低下、これで景気の好転・悪化の分かれ目である50を10ヵ月連続で下回ったことになり、中小企業はかなり厳しい状況に
追い込まれているといえる。

 景気の変化がもっともでやすいのは大企業の下請けを担っている中小企業である。生産・受注減の皺寄せはまず下請けに及び、しかも数量だけでなく価格でも親会社の値下げ要求を呑まされることになり、中小企業の業績は大企業よりも早く悪化していく。

 輸出がまだ伸びていることが、日本の景気を支えているが、これがいつ途絶えるかもし
れない。米国景気がさらに悪化すれば、中国やインドの生産もその影響を被らないわけに
はいかないはずだ。週末、世界景気の悪化にもかかわらずCRB指数は最高値を更新したが、このような逆行高は長続きすることはできず、いずれ暴落の事態を迎えるだろう。過
去数年、世界の貿易は大幅に伸びたけれども、米国景気の後退と資源高の反落により、世界貿易の伸びは止るかもしれない。

 日本の企業は設備投資を拡大してきたが、輸出増に対応した部分も多く、輸出が伸び悩
むことになれば、生産設備は過剰になってしまうかもしれない。設備稼働率の低下により、収益性は悪化し、利益は大幅な減益になるだろう。

 07年12月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前年比3.3%減と3ヵ月ぶりのマイナスとなった。10-12月期では横ばいとなり、2四半期連続で好転している。ただ、中小企業の受注は10-12月期、8.7%減と悪化しており、先行きの受注は不安である。1ー3月期
の船舶・電力を除く民需は3.9%増に回復する見通しだが、世界景気が悪化する状態で、日
本の機械受注が回復するとは考えられない。OECD景気先行指数と機械受注の前年比伸び
率を比較してみると、機械受注は景気先行指数に遅行する傾向が読み取れる。株価の急落
も企業の設備投資マインドを冷やしていることは間違いなく、今後の設備投資は大幅に下
方修正されるのではないだろうか。

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Gesell Research Society Japan
http://grsj.org
info@grsj.org
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