[レポート]2月18日週の外国為替市場分析(2)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年02月18日付」より
■ファンダメンタルズ
今週は20日の米CPIやFOMC議事録に注目、サプライズなければ市場のリスク志向継続か
先週ドル/円は1ヶ月ぶりに108円の大台を回復し、市場で過度の円高懸念が後退。クロス円も週後半にかけて軒並み大幅高となりました。また株式市場も日経を始め反発相場となり、株高・円安の流れが優勢に。今週は底打ち感の広がるなかで、引き続きドル/円や株価の反発余地を探る展開となりそうです。ただドル/円を108円へ押し上げる原動力となった米小売売上高以降、米指標は貿易収支を除くとさえない結果が続き、特に週末発表のNY連銀製造業指数やミシガン大学消費者信頼感指数は記録的な低水準を示し、米国の先行き景況感がさらに悪化する形になりました。またFRB当局者からも米景気懸念を強める声が多く出ており、先週バーナンキFRB議長は議会証言で米景気の下向きリスクを改めて示しています。そのなかで本邦第4四半期GDPが予想以上の伸び率を示し、株式市場で好感される場面も。ただ福井日銀総裁は先週の会見で、米景気主導による世界経済の減速を懸念するコメントを述べ、堅調な新興市場が米国の景気減速の影響を相殺するとのデカップリング論に批判的な姿勢を示しています。そしてサブプライム損失に次いで市場の懸案である金融保証会社(モノライン)問題では、著名投資家による救済策が報じられる一方で、格付け会社による格下げ懸念からリスク回避の動きが見られるなど、なお不安要因としてくすぶっており、市場環境の改善を見るにはまだ時間がかかりそうです。
今週は底入れ感が増してきた株価動向の行方が焦点になり、特に米CPIやFOMC議事録など重要指標が重なる20日は波乱含みの展開が予想されます。先週の議会証言ではインフレ期待が抑制されているとし、現状で景気配慮を優先する姿勢を示唆しており、CPIが予想の範囲内にとどまるかぎり市場の反応は限られるでしょう。ただ米住宅指標に関しては住宅市場の減速が織り込み済みとはいえ、底打ちの展望が見られないことを悲観したドル売りが入りやすいため注意したい。FOMC議事録は先月0.50%の利下げを決定時のもので、1ヵ月で1.25%の大幅利下げに踏み切らざるを得なかったFRBの景気に関する認識や見通しなどが注目されます。英国ではイングランド銀行(BOE)議事録や小売売上高が注目材料になります。今月BOEは市場の予想通り政策金利を0.25%引き下げましたが、その後発表された英生産者物価指数(PPI)が強含み、BOEの利下げ観測が揺らぐ場面がありました。今回の議事録では5月にも追加利下げが見込まれているBOEの年内利下げ余地を探る上で、利下げ票に投じたメンバー数が注目されています。
主要な経済指標とイベント
2月18日(月)
《 米 : プレジデントデー 》
【英】2月ライトムーブ住宅価格 (09:01)
【日】12月景気動向指数(改定値)(14:00)
【スイス】12月小売売上高 (17:15)
2月19日(火)
バークレイズ決算発表
【豪】2月RBA議事録 (09:30)
【欧】12月建設支出 (19:00)
【加】1月消費者物価指数 (21:00)
【加】12月卸売売上高 (22:30)
2月20日(水)
BNPパリバ決算発表
【豪】12月ウェストパック先行指数 (08:30)
【日】日銀金融政策決定会合議事要旨(1/21・22分)(14:00)
【独】1月生産者物価指数 (16:00)
【英】BOE議事録 (18:30)
【英】1月マネーサプライM4 (18:30)
【英】2月CBI製造業 (20:00)
【加】1月景気先行指数 (22:30)
【加】12月国際証券取扱高 (22:30)
【米】1月消費者物価指数 (22:30)
【米】1月住宅着工件数 (22:30)
【米】1月建設許可件数 (22:30)
【米】FOMC議事録(1/29・30分)(28:00)
2月21日(木)
ソシエテ・ジェネラル決算発表
【日】1月貿易収支(通関ベース)(08:50)
【スイス】1月貿易収支 (16:15)
【スイス】1月生産者・輸入価格 (17:15)
【欧】12月経常収支 (18:00)
【英】1月小売売上高指数 (18:30)
【米】新規失業保険申請件数 (22:30)
【米】1月景気先行指数 (24:00)
【米】2月フィラデルフィア連銀景気指数 (24:00)
2月22日(金)
【欧】12月製造業受注 (19:00)
【加】12月小売売上高 (22:30)
■各通貨ごとの分析
●アメリカドル/円 USD/JPY
ドル/円は先週1月15日以来の108円台を回復。週末に107円台へ下落したものの、重要な節目を一度突破したため、目先は上値試しの流れが強まると見られます。ただ108.60円まで戻り高値を更新後、週末107.25円まで下落するなど高値更新の勢いに乏しく、しばらくはレンジを徐々に切り上げていくような展開が想定されます。下値は先月23日安値を起点とした上昇トレンドが107円割れ水準にあり、また21日移動平均線も107円前後に通るため、このゾーンでは強いサポートが期待できます。一方上値は先週高値がちょうど昨年12月27日〜1月23日の下落幅に対する 38.2%戻し(108.65円)に抑えられているため、この水準では戻り売りが意識される可能性がありますが、ここを突破すると心理的節目の109円から13週移動平均線(109.50円)まで上値余地が広がると見られます。中期的な下降トレンドは110- 111円付近とまだ遠くにあり、今週の動きでどこまでレンジを切り上げられるかが焦点になりそうです。今週の予想レンジは106.00-110.00円。
●ユーロ/円 EUR/JPY
ユーロ/円は先週4日続伸する強い展開となり、先月下旬にもみ合った158円前後の水準まで回復しました。テクニカル的にも21日移動平均線を上抜け、短期線ともクロスするなど上昇トレンドが示唆される状況で、今週は節目の160円へ戻すことになるか注目されます。下値は先週13日に急伸後の安値157.30円や21日線の通る 157円前後が目先の支持線となり、この水準が破られなければ上値追いの流れが続くと見られます。また先週も週足ボリンジャー下限で踏みとどまる動きとなり 155.00-156.00円は堅い印象。一方上値は先週直近高安値の38.2%戻し水準(157. 60円)を突破してきたため、次のターゲットは半値戻しの159.40円。しかし159円半ばは先月末に160円トライに失敗して反落した水準であるため、高値警戒感や利益確定売りによる下落に注意したい。今週の予想レンジは156.00-161.00円。
●英ポンド/円 GBP/JPY
ポンド/円は先週213.84円まで上昇し、先月25日高値214.00円に迫る場面がありました。しかしあと一歩のところでダブルボトム形成に失敗し、週末には210円前半まで反落。214円突破はならなかったものの、210円台にレンジを切り上げてきたことから、もみ合い上抜けの可能性は残されました。下値は21日移動平均線が横ばいで推移する210円前半が目先の支持線で、同線を引けで下回らなければ上値基調は維持される公算です。210円を割ってくると終値ベースで強い支持線になった 208.60円がサポートに。上値はダブルボトムを再び形成しにいく動きに注目ですが、先週頭を抑えられたボリンジャー上限の213円半ばでは強い抵抗が予想されます。今週の予想レンジは207.00-215.00円。
●オーストラリアドル/円 AUD/JPY
豪ドル/円は先週も5日移動平均線を引けで上回る強い上昇相場となり週末に98円台を回復、1月10日高値も越えて上昇トレンド入りが濃厚に。今週は節目となる 100円の大台を試すことになるか注目で、主要な上値抵抗線である90日移動平均線(98.30円)や26週線(98.70円)を巡る攻防がポイントになります。いずれも昨年11月上旬から上値を抑えてきた強いレジスタンスであるため、同抵抗ゾーンを突破できれば上値余地が一段と拡大する可能性があります。ただ先週から押し目もなく上昇を続けているため、買い一巡後の調整売りに注意する必要があります。下値では1月22日起点の上昇トレンド(96.50-97.50円)や95円後半の21日線など 95円手前に分厚い支持ゾーンがあり、同水準で買い支えられるならば下落余地は限定的になりそうです。今週の予想レンジは96.00-100.00円。
●ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
豪ドル/円に比べて小幅高に終わったNZドル/円ですが、週足の中長期移動平均線を突破して引けとなるなど、テクニカル的には一段の上昇余地を残す形になっています。目先のポイントは昨年高値から引かれた下降トレンドラインの通る85円前後を明確に突破できるがポイントで、ここを越えてくるとボリンジャー上限(86.50円)や200日移動平均線(87.20円)を試す動きも出てくると見られます。一方下値は直近では1月28日安値から引かれた穏やかな上昇トレンド(84.50-85.00円)が支持線になり、83円後半には21日移動平均線など主要な支持線があります。レンジ下限の83円を割らなければ大きく崩れる可能性は低いといえます。今週の予想レンジは83.00-88.00円。
●カナダドル/円 CAD/JPY
加ドル/円は先週108.95円まで戻り高値を更新するも、週末に107円前後まで押し戻されて引けとなりました。1月30日以来の高値をわずかに更新していますが、中期的には持ち合いレンジ内にあり、引き続き方向感を探っていく展開になりそうです。ただレンジ相場とはいえ、最近の加ドル/円の一日平均変動幅は1.70円と、ユーロ/円(1.65円)や豪ドル/円(1.40円)をしのぐ水準であり、上下の振れの大きい値動きが想定されます。上値のポイントになるのが、昨年11月7日高値を起点とした下降トレンドで、先週一時的に上抜けたものの結局突破しきれず反落しました。そのため今週は同ラインが下降してくる107円後半での攻防に注目したい。108円台回復後は、こちらも先週上値を抑えたボリンジャー上限が主要な支持線として意識されると思われます。下値はレンジ下限の104円後半をメドに逆張り的な戦略が有効と見られ、目先は106円前半の21日移動平均線がサポートになるか見極めたいところ。今週の予想レンジは104.50-110.00円。
●スイスフラン/円 CHF/JPY
先週スイスフラン/円は2月5日以来の98円台を回復し、安値水準から大きく切り返す展開に。今月上旬の96.30-97.50円レンジを完全に上抜け、また昨年12月28日高値を起点とする短期下降トレンドを突破しているため、目先は上値を試す展開が想定されます。下値は97.50円が支持線として機能すれば、下値切り上げで上昇機運が強まるでしょう。ただ先週末時点でボリンジャー上限の98円後半に達しているため、今後99円を突破できるかが上値のポイントになります。今週の予想レンジは97.00-99.50円。
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■次回は2月25日(月)更新予定です
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