[トピックス]国際資本とロシアのインフラ投資
近年、発展途上国のインフラ整備に対する投資が増加している。それを受け、インフラ整備に投資するファンドの数も増え、この2年、投資家の注目を浴びている。
アメリカのサブプライム問題とそれに伴う連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利の引き下げは、ドル安だけではなく、ドル離れを招いた。より有望な投資先を探した結果、国際資本は、発展途上国の市場に流れ込み、各諸国のインフラ投資に対する関心が高まった。
2007年、多くの資本がBRICs諸国における企業のIPO(07年BRICs諸国におけるIPOの規模は、世界の約50%に達した)に流れた。しかし、この傾向が変わろうとしている。なぜならば、株価変動の激化にともない、株式投資のリスクの高まりを背景に投資先が減ったためである。
アナリストの最近の報告によると、投資家にとって明瞭かつ利益を生む投資として不動産・インフラ事業・直接投資があげられている。インフラ事業は、その中でも非常に魅力的な投資先であると評価されている。なぜなら、長期にわたる資産運用が可能で安定かつ予測可能な配当金が期待できるからである。同報告によると、この3年の間に約40%の投資ファンド運用者がポートフォリオの多様化を図り、インフラへの投資を含んだ長期運用可能な投資先を組み入れている。世界証券市場の不安定な状況を反映して、こうした傾向が、この先も続くだろうと思われる。例えば、Macquarie Groupは、Renaissance capitalと共同でロシアインフラ整備に投資する投資ファンドの設立を発表した。Macquarie Group代表のクレイグ氏は、インフラ投資の特徴について、競争が少なく、社会貢献ができ、安定かつ予測可能な配当金が期待できるとしている。
現在、ロシアにおけるインフラ整備の問題が注目されている。ロシア経済の著しい発展と国家収入の増加、国家及び民間企業の関係を明確にする法律の整備などを背景に、インフラ整備への投資額が増加している。すなわち、ロシアのインフラ事業は国際資本の投資先として挙げられている。Macquarie、Renaissance capital、DeutscheBank、Troika dialog、UFJ AssetManagement、Renessans Asset Managementはすでにインフラ投資を専門とするファンドを設立、或いはその可能性を探っている。
更に、2020年までに国家による1兆ドルの資金がインフラ整備に投資されるであろうという予測は、現実的なものとして受け止められている。07年11月にロンドンで行われた会見で、ロシア運輸省のインフラ整備に関する同省予測が発表された。それによると、2015年まで、ロシア交通網のインフラ整備に約6000億ドルの投資が必要であり、その内、約50%が国家予算から投資されるとのこと。
運輸投資フォーラムIJTransportForum2008におけるCredit Suisse報告書によるとインフラに対する投資ファンドの資産は、非常に大きい。ある概算では3000億ドルに達している。
今後、法体系の整備と国内インフラ整備に対する金融・行政両面からの後押しは、ロシアの主要課題となるだろう。こうした動きはすでに始まっている。使用権利・海港・有料道路に関する法律が制定され、投資ファンドに関する法律が改正され、インフラ整備を専門とする初の投資ファンドも発足。その他にも、政府によっていくつかのプロジェクトに対する投資家募集が開始。準備は着々と進んでいるが、どれだけの国内外の個人及び法人投資家が(インフラ整備を専門とするファンドを通し)ロシアのインフラ整備に投資してくれるかが問題である。

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