全米企業エコノミスト協会(NABE)の調査によると、米労働市場での成長が低迷し、消費者信頼感も低まり、住宅市場の低迷も長引く中、より多くの米トップエコノミストらが、米経済が景気後退に差し掛かっていると予測するようになってきたという。 NABEは25日に発表する報告書の中で、同協会に所属するエコノミストの45%が今年度中に景気後退が生じると予測していると述べている。昨年9月には同協会の4人に1人のエコノミストが2008年度内の35%以上の確率で景気後退が生じるとしか予測していなかった。 NABE会長でフォード主任エコノミストのEllen Hughes-Cromwick氏によると、昨年末から続く米景気に対するネガティブニュースが立て続けに報道されるにつれて、より多くのアナリストらが景気後退を懸念するようになってきたという。 しかし一方ではNABEの調査によると、まだ同協会所属エコノミストの55%が米経済は景気後退に陥らないと考えていることも示された。景気後退は2四半期連続で経済成長率がマイナスを示した際に生じると言われている。 なお、米アナリストらは今年度の経済成長率は著しく減速すると予測している。NABEでは今年度のGDP成長率は1.8%となり過去5年間で最低の成長率となると予測している。これは先週米FRBが下方修正した予測値と一致している。 NABEでは米経済は今年度1月から6月まではわずかな成長を続けるか、減速に向かい、7月以降回復の兆しを見せ始めると予測している。今年度下期からは米政府による1,680億ドルの戻し減税の効果や、米FRBによる大胆な利下げによる効果が出て来ると見られている。なお、景気後退については、生じたとしても短期間で深刻なものとはならないと予測されている。 またNABEでは、今年度の米FRBによるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は2.5%にまで削減されるとの予測を報告書の中で発表している。 昨年11月には2008年度のFF金利は4.5%となると予測されていたのに比べ、大幅な下方修正が行われた。それにともない穏やかなインフレが生じるという。 消費者物価指数(CPI)に関しては、2.5%の上昇を示すと予測されている。また、原油需要の弱まりによりNY原油価格は12月までに1バレル84ドルまで減少すると予測されている。 また、経済成長率が弱まると、失業率も増えるようになるため、2008年度の失業率は昨年度の4.6%から上昇して5.2%となる見込みであるという。 NABEパネリストでムーディーズ・エコノミーの主任エコノミストであるマーク・ザンディ氏は、米経済の景気後退はすでに昨年12月に生じており、今年6月から米政府戻し減税策により回復を示すと予測している。 なお、NABEでは2009年度の米GDP成長率は2.7%と穏やかな成長を続けると予測している。