[レポート]「2月25日週の外国為替市場分析」(2)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年02月29日付」より
■ファンダメンタルズ
●FRB議長議会証言や米耐久財受注などに注目、米景気動向にらんだ相場展開が継続か
先週は英銀行ノーザンロックの国有化に絡んでリスク回避の円買いが加速する場面がありましたが、欧州通貨を除くと影響は限定的で、オセアニア通貨は金利先高感や原油などの商品市況の高騰を背景に堅調な推移が続きました。またFOMC議事録は米景気悪化を示唆する内容でしたが、FRB当局者のあいだではインフレを懸念する動きも強まっており、実際に米消費者物価指数(CPI)のコア指数が半年振りに上昇するなどインフレ高進の兆しが見られています。米景気動向はNY連銀指数に続いてフィラデルフィア連銀景況指数が大幅な下振れを示したため、米景気の先行きを悲観視する見方が一層強まり、米金利先物市場では3月FOMCで0.50-0.75%の大幅利下げを80%の確率で織り込むまでに至りました。今週も米住宅指標や耐久財受注など景気関連の米指標発表が相次いで発表となるため、それらを手がかりに引き続き米景気の行方を探る展開が続きそうです。
今週は27、28日のバーナンキFRB議長証言に市場の関心が集まっており、米景気やインフレ見通し、サブプライム問題等にどういった言及がなされるかが焦点になります。下院での証言は前日の上院議会証言をほぼ踏襲したものとなることから、特に27日の下院議会証言が注目されます。また市場では米景気の先行き感が日々悪化していることから、リッチモンド連銀指数や消費者信頼感指数、シカゴ購買部協会景況指数などへの市場の感応度は高いといえます。特にシカゴPMIは来週のISM製造業景況指数の判断材料として注目度は高いといえます。その他、生産者物価指数(PPI)やPCEコアデフレーターなどインフレ指標の発表も予定されていますが、FOMC議事録で景気優先の姿勢が示されているため、先週の米CPIのように多少の上振れ程度であれば、市場の反応も限られると思われます。
ユーロ圏では独2月Ifo景況指数の発表があり、欧州経済の落ち込みが懸念されるなかで先月に続いて2ヶ月連続で改善傾向を示すことになるかが注目されます。オセアニア圏ではNZで住宅建設許可や貿易収支などの発表があり、堅調な地合いのNZドル相場を左右する可能性も。そして本邦指標としては週末の全国消費者物価指数(CPI)がありますが、最近の強いCPIはエネルギーや食品価格の高騰による一過性のものとする見方があり、上振れに対する反応は限定的と見られています。
●主要な経済指標とイベント
2月25日(月)
【独】1月輸入物価指数 (16:00)
【米】1月中古住宅販売件数 (24:00)
2月26日(火)
【独】第4四半期GDP・個人消費(改定値)(16:00)
【独】2月Ifo景況指数 (18:00)
【米】1月生産者物価指数 (22:30)
【米】12月ケースシラー住宅価格指数 (23:00)
【米】2月消費者信頼感指数 (24:00)
【米】第4四半期住宅価格指数 (24:00)
【米】2月リッチモンド連銀製造業指数 (24:00)
2月27日(水)
【NZ】1月住宅建設許可 (06:45)
【欧】1月マネーサプライM3 (18:00)
【英】第4四半期GDP・個人消費(改定値)(18:30)
【米】1月耐久財受注 (22:30)
【米】1月新築住宅販売件数 (24:00)
【米】バーナンキFRB議長下院議会証言 (24:00)
2月28日(木)
【日】1月大型小売店販売額 (08:50)
【日】1月小売業販売額 (08:50)
【日】1月鉱工業生産(速報値)(08:50)
【独】2月失業者数 (17:55)
【独】2月失業率 (17:55)
【米】新規失業保険申請件数 (22:30)
【米】第4四半期GDP・個人消費(改定値)(22:30)
2月29日(金)
【NZ】1月貿易収支 (07:45)
【日】1月失業率 (08:30)
【日】1月全国消費者物価指数 (08:30)
【英】1月マネーサプライM4(確報値)(18:30)
【欧】1月失業率 (19:00)
【欧】1月消費者物価指数(確報値)(19:00)
【欧】2月消費者信頼感 (19:00)
【英】2月GfK消費者信頼感指数 (19:30)
【スイス】2月KOF先行指数 (19:30)
【加】第4四半期経常収支 (22:30)
【加】11月鉱工業製品価格・製造業出荷 (22:30)
【米】1月個人所得・支出 (22:30)
【米】1月PCEコアデフレーター (22:30)
【米】2月シカゴ購買部協会景気指数 (23:45)
【米】2月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(24:00)
■各通貨ごとの分析
● アメリカドル/円 USD/JPY
先週のドル/円は107円台を軸としたもみ合いが続き、高値の更新が108.35円にとどまるなど、特に上値の重さが目立つ展開となりました。また13日以来形成していた107.00-108.60円のレンジを週末一度下抜けているため、下値試しの動きが先行するかもしれません。目先は21日移動平均線(107.20円)や先月23日安値起点の上昇トレンドライン(106.80-107.00円)を引け時点で下回る動きに注意したい。ただ106円台ではボリンジャーバンド下限が106円前半にあり、この水準が大きく破られなければ下放れのリスクは小さいと見られます。上値は先月10日高値起点の下降トレンドが108円前後まで切り下がってきており、またボリンジャー上限が108.30円付近にあることから依然として108円台が上値の重い印象です。主要な抵抗線の重なる108.60円を突破するまでは戻り売りも検討したいところ。今週の予想レンジは105.50-109.50円。
● ユーロ/円 EUR/JPY
ユーロ/円は堅調なユーロ/ドル相場の影響もあって2週続伸する強い展開となりました。160円の大台を前に伸び悩む場面があったものの、週末時点で159円前後の水準を維持し、今週も160円を目指した相場展開が想定されます。ただ1月30日高値などが並ぶ159.40-50円台で頭の重さが意識されているため、さらに上値を追うには引け時点で159.50円を突破する勢いが必要と思われます。160円突破後は90日移動平均線や週足線が集中している160-161円台での攻防が焦点で、中長期的な上昇トレンドの軌道に乗ることになるか注目されます。一方下値は157円後半〜158円前半の水準が先週に続いて強い支持線になり、21日移動平均線の通る157.80円を引けで下回らなければ上昇基調は維持されると見られます。今週の予想レンジは157.00-162.00円。
● 英ポンド/円 GBP/JPY
先週のポンド/円相場は210円をはさんでもみ合うこう着感の強い展開となりました。先月以来、三角持ち合いのレンジを徐々に縮小する動きが続いているため、今週は現状の208.00-213.00円のレンジ内で方向感を探る展開が想定されます。210.00円を上回る水準を維持できれば目先上値追いが期待できますが212.00-213.00円が強い抵抗線となっており、この水準を突破できないとレンジ相場が長引く可能性も。今週の予想レンジは207.00-214.00円。
● オーストラリアドル/円 AUD/JPY
オセアニア通貨は先週も堅調で、19日には年初来高値の99.53円をつけた他、週終値ベースでは26週線を上回り中長期的な上昇軌道に乗せてきました。ただ先週は高値更新後99.50円前後で上値が重く、100円を手前に足踏み状態が続いています。上値は昨年高安値の38.2%押し水準の99.50円が引き続き強い抵抗線になりますが、100円を越えてくると昨年11月9日の急落前の水準(105円)を取り戻しにいく展開も想定できます。下値では上昇トレンドラインや90日移動平均線など支持線の集中する98円前半や、21日移動平均線が通る97円前半が押し目のポイントに。今週の予想レンジは97.00-102.00円。
● ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
NZドル/円も豪ドル/円同様に強い相場展開が続き、年初来高値を更新して86.81円をつけました。次の上値ターゲットである昨年12月高値水準の88円台まで特に強い抵抗線が見当たらないため、目先は上値追いの展開が予想されます。ただボリンジャー上限へすでに到達していることや、RSIが過熱感を増していることから調整リスクにも注意が必要で、先月24日安値を起点とした上昇トレンド(85.50-86.50円)を下抜ける動きに注意したい。上値は昨年12月27日高値(88.20円)や同チャネルの通る88円台が目先の主要抵抗線で、88円乗せに成功すれば昨年12月12日高値89.08円が次のターゲットになります。今週の予想レンジは84.50-89.00円。
● カナダドル/円 CAD/JPY
加ドル/円は堅調であった他のクロス円とは対照的に軟調な推移となり、2月7日以来となる105円割れの場面も。ただ値動きが収縮傾向にあるボリンジャーバンド内(105.50-108.00円)にとどまり、方向感が出るには至っていないため目先は持ち合い放れの動きに注目したい。上値は先週頭を抑えた直近高安値の38.2%戻し水準(107.55円)が強い抵抗線で、この水準で上値が重いともみ合いが継続する公算が高くなります。一方下値はボリンジャー下限や1月23日安値起点の上昇トレンド(105.00-105.50円)が強い支持線になっており105円台では底堅い展開となりそうです。今週の予想レンジは104.00-109.00円。
● スイスフラン/円 CHF/JPY
先週のスイスフラン/円は98円台でもみ合いとなり、週末に98.85円まで高値を更新するも99円手前で頭を抑えられる展開に。スイスフラン/円もまたボリンジャー上限に達しているため、99円を突破する勢いに乏しいといったん調整が入る可能性があります。ただ98.00-30円に支持線が集中しており下値は堅い印象。上値は99円の突破がポイントになりますが、99円台はこれまで滞空時間の短い水準であるため伸び悩む場合は戻り売りも検討したい。今週の予想レンジは98.00-99.50円。
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■次回は3月3日(月)更新予定です
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