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[トピックス]ロシア、失業率のさらなる低下は見込めず

2008年03月03日 22:23更新 前の記事 次の記事  ロシア経済・社会一覧
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 ロシア連邦国家統計局Rosstatによると、2007年の失業者数は460万人となった(労働力人口の6.1%)。ロシア科学アカデミー国民経済予測機関の研究員であるKorovkin氏は、これはこの10年でもっとも低い数値であると指摘する。Gimpelson氏は、失業率が増加する要素も少ないものの、このまま失業率が低下するとは考えにくいと述べている。両氏は国際労働機関の失業者増加に関する予測(500万人増加)は、ロシアには直接影響しないとしている。何故ならば、ロシアの経済自体及び労働市場が特殊の状況にあるため。Korovkin氏は、ロシア経済における失業者の減少傾向は、一連の社会・経済的要素が相互に影響した結果であると述べる。同氏は、失業率に係る要素として、労働市場の構造的問題、景気の変動、労働力の移動等を挙げている。

経済動向の影響
  Uralsibの経済学者Tihomirov氏は、失業率低下にもっとも寄与した要因はロシア経済の成長率の伸びにある、と述べている。一方で、経済成長率は、世界経済の動向に大きく左右される。ロシアが現在の経済成長を維持する上で大きく係わってくるのは輸出による利益と海外投資である。世界的に景気は減速傾向にあり、早くも2008年には輸出による収益が減少する可能性がある。そうなった場合、投資熱は下がり、消費者需要も減少することが予想される。2005年から2007年の予想を超える経済発展に寄与した大きな二つの要因はこの投資熱の高まりと、消費の伸びである。向こう3-5年先の展望として、(2007年8.1%であったGDP成長率は2008年に6.3-6.5%に減少の後)、ロシアの経済成長は、5.5-6%と堅調に発展すると予測している。

リスク
 Tihomirov氏は、投資額や消費者需要によってもっとも大きく影響を受ける分野は金融業(債務不履行が増加し、新規クレジットの需要が減少することで)、建設業(収入増加が低速すると担保の条件が悪化)、小売・サービス業(特に富裕層を対象とした分野。旅行など)であると指摘する。同氏は、ロシアの特殊性(社会保障を重視する国策)を考慮に入れて、保健・教育で失業率が増加するとは予測していないが、効率性を高める政策が実施されると失業者が増える可能性も否定できないとしている。
HeadHunter社の社長であるVirovets氏によると、証券市場が下落し、さらにインフレによって物価が上昇すると購買力が低下し、小売及びサービス部門において人事削減の恐れがある。

人口変動の悪影響
 Korovkin氏は、失業率の増加を防ぐ方法は、労働力人口の減少であると述べている。2005年、労働力人口は110000人の増加であったのが、2006年には減少し始めた。Rosstat(ロシア連邦国家統計局)、2008年の労働力人口を67万9000人の減少と予測している。2008年には、113万2000人の減少を見込んでいる。
同氏は、もし、失業率が増加するとしたら就労移民の増加はその要因のひとつであると考えている。2007年、FMS(連邦移住管理局)は、海外から213万6000人の就労移住者を登録した。非合法的に入国した就労者の数を挙げることは難しい。ロシア税関当局のデータによると、2007年、2200万人がロシアに入国した。そのうち観光ビザで入国したのは700万人のみである。2008年、就労移民の受入枠は180万人に達した。就労移民の数は、経済的需要次第で30%以内の増減をみせる可能性がある。FMSの広報担当Poltoranin氏は、ロシアの失業率に就労移民が影響を及ぼすことはないと考えている。外国人はロシア人にとってライバルとはなりえないというのが同氏の見解である。外国人の90%は、ロシア人にとっては興味のない職業に就く考えているからである。
Korovkin氏によると、1990年代には、隠れた失業者(労働力人口に数えられてはいるが、賃金を受け取っていない人々)と呼ばれる問題があり、彼らの数は数百万人であった。今日では、隠れた失業者はいなくなり、問題は異なる。同氏は、それを生産効率の問題であると指摘する。

失業率はどれほど増えるか
 Ankor社が2007年後半におけるロシア全体の賃金を分析した資料によると、75%の企業が2008年に従業員の数を増やす計画を立てている。Ankorの社長であるHuhrev氏は、2008年ロシアで失業率が増加するとは考えていない。
Korovkin氏は、短期的な失業率の増加はあり得るとしている。同氏は、近年、失業者の減少が緩やかになり、雇用率の成長もサービス業などの限られた分野に集中し、農業及び工業分野における雇用率は減少していると指摘する。
UralsibのTihomirov氏は、ロシアの失業率は2007年の6.2%から6.5-6.7%に緩やかに増加すると予想している。それは、楽観的な観測である(世界的不況が悪化しない場合)。世界経済の減速が継続する場合、失業率が2008年に6.8-7%、2009-2010年には7-7.5%に増加するとの予測もある。


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