[トピックス]ロシア次期大統領はメドヴェージェフ氏
Fitch Ratingsは、3月2日の大統領選の結果、メドヴェージェフ氏がロシア次期大統領となるのは確実であると発表した。国家として経済力及び財政の強化という難題の解決は、同氏に委ねられることになるだろう。現在、ロシアの国内・外国通貨建て長期デフォルト格付けは「BBB+」。見通しは「安定的」。
メドヴェージェフ氏の眼前に難題が待ち受けている。同氏には、プーチン大統領の路線を継承して、経済的繁栄をもたらし、ロシア国内で高い支持を得ることが望まれている。同氏は、法律分野に精通しており、高級技術官僚出身である。また、司法の独立と腐敗した官僚の一掃、国営事業の改革を掲げ、政治的・経済的リベラル色を打ち出している。こうした側面からは、楽観的な見方もできる。
2000年3月にプーチン氏が大統領に就任して以来、ロシアの金融・経済状況は大きく改善され、Fitchがロシアに対する格付けを「CCC」から「BBB+」へ引き上げた。GDPの伸び率(ここ5年間の平均)は、1999年末には-1%であったのが、2007年末には7.3%まで上昇した。GDPの99%に達していた国家債務は、8%に減少した。安定化基金には1570億ドルの予算が計上され(1999年には0)、外貨準備高は4740億ドルに達した(1999年には120億ドル)。また、2007年、国民1人当たりのGDPは、1320ドルであった1999年に対して8660ドルまで増加した。
FitchのアナリストParker氏は、次のように言及している。構造改革に新風が吹くことで、実務環境が改善され、経済成長もより多角的な発展が望める。また、曖昧な政治的スタンスの解消が期待でき、選挙後に、ロシアの格付けが格上げ方向で見直される可能性がある。しかし、同時に、周囲の期待に反して、メドヴェージェフ氏が能力を発揮できない場合も想定される。また、首相に就任すると見られるプーチン氏との双頭体制が順調な滑り出しをみせるかどうか、不確定な要素もある。
今後、ロシア経済が強くなっていくことで、格付けに好影響が出ることは十分に考えられる。2007年に発生した政府予算の余剰金は、GDPの7.6%に相当した。それに伴い、税金の減額と支出の増加傾向には拍車がかかっている。Fitchは、税制を軽減する措置によって、今年の予算の余剰金はGDPの3.5%程度にまで減少すると予測している。2007年、ロシアの貿易黒字はGDPの6.2%であった。しかし、2009年までに、輸入が増加し、輸出が制限され、さらに石油・ガスの国際価格が低下する場合、マイナス方向に転じる可能性もある。つまり、ロシアの国家予算と国際収支は、原料製品の価格変動に大きく左右される。
2007年、ロシア経済は8.1%という高い成長率を示した。銀行融資額全体の51%が民間部門に流れ、その流入額が820億ドルに上った。こうしたことを背景に、資本投資額は20.8%増加した。しかし、この6ヶ月間、マクロ経済は不透明感を増している。1月時点で年間インフレ率は12.6%に達したが、金融政策の結果が出ていないままである。更に、ロシアの金融政策自体が必要以上に緩いものであり、銀行部門の流動性を高めるための政策はこれを証明している。Fitchは、こうした緩めの金融政策は、格付けにはマイナスの影響を及ぼすと考える。ロシアの外貨準備高は非常に大きいが、金融市場が世界的に減速傾向にあることで、資本の流入に影響が出るのではといった不安要素も抱えている。特に、約800億ドルに上る民間の対外債務と1000億ドルに上る短期対外債務の償却時期を迎える2008年は、そうした影響が懸念される。

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