[レポート]「3月3日週の外国為替市場分析」(1)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年3月3日付」より
●先週の概況●
FRB議長発言受けドル/円が3年ぶり安値103円台へ下落、クロス円も大幅反落
先週25日月曜日はリスク志向を強めた市場で円キャリートレード構築の動きが診られ、ユーロ/円が160円を回復するなど円売り一色の展開に。また好調な商品市況を背景に豪ドル/円・加ドル/円も一段高の展開となりました。
週明けの東京時間ドル/円はほぼ前週終値付近の107.26円で取引を開始しました。朝方米シティグループの評価損が拡大とのウワサが流れるも影響は限定的で、ドル/円・クロス円とも午前からこう着した値動き。午後に入ると日経が上げ幅を400円以上に拡大し、豪ドル/円などオセアニア通貨を中心にじり高で推移。そして夕方欧州株が堅調に始まると市場で急速に円売りが強まり、ドル/円が107.50円を越えて上昇。ユーロ/円も前週高値を突破して159円後半へ。また高値圏で推移する原油相場の影響で豪ドル/円が99円後半へ上値を拡大した他、加ドル/円も107円台へ急伸しました。NY時間は米1月中古住宅販売件数が市場予想を上回る底堅い結果を示しダウが堅調に推移。円売り地合いが続くなかでユーロ/円が1月15日以来の160円台へ乗せた他、豪ドル/円が2ヶ月ぶりに100円台へ上昇。さらにNY中盤、格付け会社が金融保証会社(モノライン)大手MBIAを格下げしない方針を示したことからダウが急騰、為替市場でも円一段安となりドル/円は108.21円まで同日高値を更新、円全面安の展開となりました。
26日火曜日は欧州通貨や加ドル/円が強含みの展開となり、ユーロ/ドルが1.50ドルの最高値をつけるとユーロ/円が161円台へ続伸。しかしドル/円は米指標の悪化やFRBの利下げ観測を背景に上値が重く107円前半へ反落しました。
東京時間は前日の円売りが一巡し、ドル/円は108円前後でこう着した展開に。ユーロ/円も前日の高値160.39円を越えられず軟調に推移し、NZドル/円もまた午前に88.07円をつけた後、調整売りに押されて午後には87円前半へ。前日のダウ続伸を受けて日経は上昇して始まるも午後にかけて伸び悩み、夕方に独2月Ifo景況指数が予想を下回るとのウワサが流れると、ユーロ/円が一時159.60円まで安値を更新。しかし同指標が結局予想以上の結果を示したことから、すぐユーロの買い戻しが入り、ユーロ/円は160円台を回復後160円後半まで反発しました。また加ドル/円も対ドルでの上昇につれ高となって109円台へ。一方ドル/円はユーロ/ドルの急伸に頭を抑えられ、米1月生産者物価指数(PPI)は総合指数・コア指数とも予想を上回るもドル買いは限定的でした。その後米2月消費者信頼感指数が2003年のイラク戦争時の低水準に落ち込んだことから107.50円付近へ下げ、さらにFRB副議長が「インフレより景気悪化のリスクが深刻」と指摘すると107円手前まで下げ幅を拡大しました。NYダウは序盤強い米PPIを嫌気して下落して始まるも、FRB副議長発言を受けて追加利下げ観測が強まりその後100ドル高へ反発。ドル/円が下落するなかで、クロス円はダウの上昇に支援されて底堅い値動きとなり、ユーロ/円は朝方1.50ドルの史上最高値を更新したユーロ/ドルにつれて161円台へ上昇しました。
27日水曜日は米指標悪化やFRB議長の利下げ示唆を受けてドル/円が106円を一瞬割り込むなどドル安が進行。一方ユーロ/ドルの最高値更新やダウの反発を受けてユーロ/円は3日続伸の強い相場展開に。
東京時間は前日のドル売り地合いを引き継いでドル/円が107円前半で上値の重い展開に。アジア株は日経が200円高を示すなど全面高となりますが円売りの動きは限定的で、史上最高値の更新を続けるユーロ/ドルにつれ高となって161.39円まで高値を更新したユーロ/円は、その後はじりじりと軟調に推移。またNZドル/円も朝方の強い住宅建設許可を受けて87.76円へ急伸するも、連日最高値を更新していたNZドル/ドルが高値達成感から下落したため、つれ安となって87円前後へ反落しました。ドル/円は昼過ぎに107円を割り込み、夕方ユーロ/ドルが再び最高値をつける動きを見せると、ストップロスの売りをつけて106.20円台まで下値を拡大。クロス円もドル/円の下落につれ安となり、ユーロ/円が160円を割って159.81円まで下落。ポンド/円は英個人消費支出の低迷やイングランド銀行(BOE)が緊急利下げを行うとのウワサを受けて全面安となり、213円台から2円以上値を下げる展開に。NY時間は米1月耐久財受注が総合指数、輸送機器を除く指数ともに予想を大幅に下回ったため序盤からドル売りが優勢で、その後米1月新築住宅販売件数が弱い結果を示すとドル/円が一時106円を割って105.94円を示現。しかし米下院で証言を行ったバーナンキFRB議長が「景気の下振れリスクを避けるため、必要であれば適時行動する」と発言すると、市場で追加利下げ期待が高まりダウが急伸。クロス円も株価上昇につれて反発に向かい、ユーロ/円が161円台へ急騰した他、豪ドル/円、スイスフラン/円がそれぞれ100円台を回復しました。ポンド/円も一時212円前後へ上振れしたものの、対ユーロで 大幅安となった影響で引けにかけて210円台へ反落。一方ドル/円は一時106円を割り込むも下押しは続かず106.20-30円台へ戻してからは底堅い展開に。
28日木曜日はバーナンキFRB議長の景気悪化を示唆する発言を受け、ドル/円が105円台まで売り込まれた他、ポンド/円も住宅市場の悪化や利下げ観測から209円台へ大幅安の展開に。
東京時間ドル/円は106円前半で底堅い値動きとなるも、日経が本邦鉱工業生産の下振れを受けて下落して始まり、クロス円は上値の重い展開に。そのなかで豪ドル/円は午前発表の民間設備投資指標の強い結果を受けて100.48円まで上昇、年初来高値をわずかに更新しました。午後に入って徐々に円買いの動きが強まり、ドル/円が106.20円前後へじり安となり、ユーロ/円も160.29円まで下値を拡大。ポンド/円も英ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)の信用市場における評価損拡大や英ヘッジファンドが1月に資金の半分を失ったとの報道を受けて210円手前まで急落しました。しかし夕方以降欧州勢が円売りで参入しドル/円が106.60円へ上値を切り上げ。クロス円の買い戻しも強まりユーロ/円が160.95円へ反発した他、一時99.62円まで下押ししていた豪ドル/円も100円台を回復しました。しかし米連邦住宅抵当公社フレディマックの赤字決算を受けて、米GDP発表前からダウ先物が軟調な値動きとなり、ドル/円も株価につれて106円前後まで軟化。そして米第4四半期GDP改定値は予想をやや下回る結果となり、米新規失業保険申請件数も高い水準を示したことから市場でドル売りが殺到しドル/円が106円割れへ。前日の下院議会証言に続いてバーナンキFRB議長が上院で証言を行い、内容は前日の証言を踏襲する内容でしたが、質疑応答で「住宅価格の下落は、2001年のITバブル崩壊時より広範な問題を引き起こす」と述べ、また「一部の銀行に破綻する可能性がある」「各国中銀が金融政策で協調するとは考えていない」と発言したことから、NY中盤ドル/円がさらに下押しして105.06円の同日安値をつけました。一方でクロス円はダウが100ドル安となるなか、下落は限定的でユーロ/円は160円台を維持、豪ドル/円も99円後半で底堅い値動きとなりました。
週末29日金曜日は朝方からリスク回避の円買いが殺到しユーロ/円を始めクロス円が大崩れの展開に。ドル/円も米シカゴPMIの大幅悪化を受けて下落が止まらず2005年3月以来の安値103.78円を示現しました。
東京時間は朝方から円買いが活発化し、ドル/円が105円を割って104円半ばへ急落。これまで持ちこたえていたクロス円も総崩れとなりユーロ/円が158円台へ一気に下落した他、豪ドル/円も100円前後から1円以上急落しました。2005年5月以来の安値水準に下落したドル/円は、その後104円後半でもみ合いとなったものの、夕方になると再び市場で下攻めモードが強まり、104円前半へ下値を拡大。ポンド/円も英2月ネーションワイド住宅価格の下振れを受けて206円台へ大幅続落し、豪ドル/円は豪州準備銀行(RBA)が豪ドル売りで介入とのウワサを受けて、朝方につけた安値を下抜け97円台へ2円以上下落しました。またユーロは対ドルではしっかりの推移が続いたものの対円では弱い展開が続き158円割れへ。NY時間はインフレ指標の米1月PCEコアデフレーターが市場の予想通りとなるも、米2月シカゴ購買部協会景況指数が7年ぶりの低水準に落ち込みドル/円が103.78円まで安値を更新。ダウも前日の米保険大手AIG決算悪化や、金融保証会社アムバックの救済に重大な障害があるとの報道、そしてシカゴPMIの悪化を受けて下げ幅を300ドル以上に拡大し、クロス円は引けにかけてさらに下げ幅を拡大。ユーロ/円が2週間分の上昇幅を吐き出し157.59円をつけた他、豪ドル/円も3円以上下落する展開に。またドル/円も104円を回復できずほぼ安値引けとなり、前週比3.32円安の103.88円で取引を終了しました。
なお他の通貨の先週終値は
ユーロ/円157.70円(前週比1.29円安)
ポンド/円206.39円(前週比4.47円安)
豪ドル/円96.74円(前週比2.22円安)
NZドル/円83.02円(前週比3.62円安)
加ドル/円105.51円(前週比0.37円安)
スイスフラン/円99.69円(前週比0.90円高)となっています。
先週の主な要人発言
2月25日(月)
ロート・スイス国立銀行総裁
「(インフレ圧力が上昇し)状況は快適とはいえない」
2月26日(火)
パパデモス欧州中央銀行副総裁
「ユーロ圏インフレには上振れリスクがある」
コーンFRB副議長
「インフレリスクよりも成長リスクのほうが脅威」
2月27日(水)
ウェーバー独連銀総裁
「市場の金利見通しはインフレを過小評価している」
バーナンキFRB議長
「景気減速を防ぐため、必要であれば適時行動する」
「1月の物価指標でインフレの上振れリスクがやや増大した」
「FRBは景気減速、インフレ圧力などのリスクを均衡させる必要がある」
2月28日(金)
バーナンキFRB議長
「住宅価格の下落は、2001年のITバブル崩壊よりも広範な問題を引き起こしている」
「一部の銀行が破綻する可能性がある」
※掲載内容は情報提供を目的としており、勧誘等を目的としたものではありませんので、お取引の最終判断はお客様ご自身の責任で行うようお願い致します。
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