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[レポート]週刊マーケットレター

2008年03月10日 17:46更新 前の記事 次の記事  コラム一覧
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出典:ゲゼル研究会(http:grsj.org)「曽我純の週刊マーケットレター」より
週刊マーケットレター(08年3月10日週号、No.225)
2008年3月9日
曽我 純 


図表などはサイトの PDF からご覧になれます。


■主要マーケット指標

■ 米国の景気後退の確度高まる
 米国経済は今年1月から景気後退に入ったようだ。週末発表の2月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者は前月比-6.3万人と2ヵ月連続の前月比減となった。過去の米景気後退期と非農業部門雇用者の関係をみると、非農業部門雇用者の前月比の変化が、景気の山から谷への転換を示している。前月比の値がプラスからマイナスに変わった近辺が景気の変わり目と判断してよい。90年代最初の景気のピークである90年7月には同月の非農業部門雇用者がマイナスに変わり、次のITバブル崩壊による後退でも前回同様景気のピークである01年3月に前月比減となり、減少数が最大になる辺りで景気は底打ちしている。

 今回は非農業部門雇用者が減少してからまだ2ヵ月の経過にすぎないが、2月のISM製
造業景況指数が景気の収縮を示す50を2ヵ月ぶりに下回り、非製造業は2月まで2ヵ月
連続の50割れとなった。新車販売台数も2月、6.3%減少するなど、景気後退を裏付ける
指標が相次ぎ公表されている。

 米株式市場も景気後退観測の強まりには逆らえず、NYダウは昨年来安値を更新した。債券相場は引き続き強く、景気悪化によりドル売りは止らない。米株式市場は実体経済を織り込むにいたらず、調整は長引くだろう。米株式市場の不振により、外人の日本株買いは期待できない。信用不安や景気悪化が世界を覆い、投機資金は株式から債券に向かうだろう。

 住宅不況に伴う信用問題が沸々と涌いている。住宅販売の不振や価格下落の影響は、住
宅建築・販売会社をはじめ住宅ローン会社、銀行、信用保証会社、投資ファンド等々に広
がり、実物とマネーの両面から米経済活動を弱めている。下落しだした不動産価格が、過
剰な住宅販売や過剰な貸付を実体経済に見合う水準まで引き下げるだろう。その間、信用
不安は強まることはあっても弱まることはないと思う。

 6日、FRB発表の07年10-12月期の『Flow of Funds』によると、昨年12月末のモーゲ
ージ残高は14.4兆ドル、前年比7.7%増加し、過去最高を更新した。07年末のモーゲージ
残高は名目GDPよりも0.7兆ドル多く、これで2年連続して名目GDPを上回ったことになる。これも過去にないことである。昨年からこれほど問題になっていたにもかかわらず、
モーゲージは整理されるどころか逆に増加していたのである。

 モーゲージ・名目GDP比率は07年、105.2%と前年を3.5ポイント下回ったが、90年代後半以降の急上昇をみれば、修正は序の口といえるだろう。14.4兆ドルものモーゲージの持ち手のトップは政府系のモーゲージ・プール(4.4兆ドル)、2番目は商業銀行(3.6兆
ドル)、3番目はABS発行体(2.8兆ドル)、小規模な金融機関である貯蓄金融機関も1.0
兆ドル保有している。政策金利の引き下げだけではどうすることもできない状況に、米政
府は追い込まれているように思う。 

■ 企業業績の悪化により株価の下落は止らない
『法人企業統計』によると、07年10-12月期の全産業売上高は前年比2.3%と前期を0.3ポイント上回ったが、売上原価、販管費が売上高以上に伸びたため、営業利益は-6.2%と02
年4−6月期以来、5年半ぶりの減益となった。07年4−12月期までの営業利益は前年をやや上回っているが、一度減益になると連続する傾向がみられることから08年1-3月期の営業利益も前年割れとなり、07年度通期でも減益になりそうだ。10-12月期の設備投資はマイナスとなり、これで3四半期連続の減少である。普通、利益の減少に遅れて設備投資も悪化するのだが、今回は設備投資の減少が営業利益よりも2四半期先行している。

 営業利益が長期にプラスを維持できたのは、人件費を売上高の伸び以下に押えていたからだ。07年10-12月期の人件費も1.1%と売上高の伸び率の約半分に抑えられており、こうした人件費の抑制が利益を生み出していたといえる。特に、従業員一人当たりの給与は売上高がプラスに転じてからもほとんど伸びず、マイナスのときが多いという異常な分配が行われていた。営業利益がマイナスに陥ったことから、経営者は業績を理由に給与をさらに絞るだろう。

 日経平均株価は再び1万3,000円を割れたが、利益が前年割れとなり、これからさらに
悪化する状況では、下落は止らない。資本金10億円以上の大企業の営業利益も07年10-12
月期は2.3%前年を下回った。08年1ー3月期の減益率は拡大する見通しであり、通期でも減益になるだろう。08年度は2桁減益に陥る可能性が高く、日経平均株価は1万円近くまで落ち込むのではないだろうか。プライマリーマーケット(発行市場)が二の次にされ、セカンダリーマーケット(流通市場)だけが異常に膨らむという株式市場のツケが回ってきているともとれる。

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Gesell Research Society Japan
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