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[レポート]「3月10日週の外国為替市場分析」(1)

2008年03月11日 12:12更新 前の記事 次の記事  コラム・外国為替一覧
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出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年3月10日付」より

●先週の概況●
米雇用統計悪化でドル売り止まらずドル/円が8年ぶり安値101.40円示現

 先週3日月曜日は前週のドル安地合いを引き継ぎ、ドル/円が102円台へ下落するなどリスク回避の動きが加速。クロス円も軒並み大幅安となりますが、市場予想を上回った米ISM製造業景況指数を受けてドル/円が反発、一段の下落は回避されました。
 週明けの東京時間は前週のドル安地合いを引き継いで、ドル/円・クロス円とも軒並み前週安値を更新してスタート。ドル/円が103.30円台で取引を開始した他、ユーロ/円が157円、豪ドル/円は96円前後で寄り付きとなり、その後ドル/円は2005年1月以来の103円割れへ。昼過ぎにドル/円が103.29円まで買い戻される場面があったものの、日経が600円超の大幅安で引けると、市場で再びリスク警戒感が強まりドル/円が103円を再度割って夕方には102.60円まで下値を拡大。ポンド/円も年初来安値を大幅に更新して203.44円を示現した他、スイスフラン/円がスイス系金融機関の追加評価損のウワサから98円台へ急落、またユーロ/円が155円台へ突入するなど急激に円高が進行しました。しかしロンドン時間に英2月製造業購買部景況指数(PMI)が強い結果となったことを受けてポンド/円が安値から切り返し204円台へ反発、ドル/円も103円へ戻すなどやや円売りが優勢に。しかし加ドル/円はカナダ12月GDPが予想を大きく下回ったことから、翌日の金融政策会合でカナダ銀行が0.50%の大幅利下げを実施するとの観測が強まり、105円手前の水準から104円前後へ急反落しました。そして米2月ISM非製造業景況指数は48.3と景気分岐点の50を下回るも、事前に市場でISM指数が45.0になるとのウワサが流れていたため、むしろ米景況感の改善を示唆する材料とみなされドル/円が103.69円まで急反発。クロス円もつれ高となり、特に豪ドル/円が97円半ばへ上昇した他、NZドル/円も81円台から83円台へ急騰するなどオセアニア通貨の上昇が目立つ展開に。NY中盤はユンケル・ユーログループ議長が「ユーロ高に対する懸念が高まっている」と発言するなど、欧州当局者からけん制発言が相次ぎ、ユーロが上値の重い展開に。またダウはISM製造業指数発表後、一時的に下げ幅を縮小するもその後はさえない動きが続き、NY終盤に加ドル/円が直近安値を更新して103.70円まで下落するなど円買いが強まる場面も。ただダウがほぼ前日終値付近へ戻して引けると再び円売りが活発化しドル/円は103円半ばまでじり高となりました。

 4日火曜日はバーナンキFRB議長発言を材料にドル/円の底値試しが強まったものの、ダウが下げ渋ったことからNY終盤に買い戻しが加速し、ドル/円は103円前半の水準を維持。また豪州準備銀行が利上げを実施し、一方カナダ銀行は0.50%の大幅利下げを実施しましたが、いずれも弱気の声明であったため加ドル/円・豪ドル/円はいずれも軟調な展開を強いられました。
 朝方103円を回復したドル/円は103.57円まで高値を更新したものの、東京時間は動意薄の展開となり、クロス円も豪ドル/円を除いて概ね小動きとなりました。豪ドル/円は午前発表の豪1月小売売上高と第4四半期経常収支がいずれも予想より弱い結果となったことから97円を割って軟調に推移。昼過ぎに豪州準備銀行(RBA)が政策金利を市場の予想通り0.25%引き上げ、声明文で高インフレが続くとの見通しを示したものの、特に追加利上げを示唆する内容でなかったため発表後市場で豪ドル売りが加速、豪ドル/円は一時96円を割り込む展開に。海外時間に入るとユーロ/円が156.50円付近へ下振れする場面があり、ドル/円も軟調な時間外ダウ先物の推移を受けて103円前後へじり安で推移しました。NY時間カナダ銀行(BOC)は政策金利を0.50%利下げし4.50%とし、また声明文でインフレ低下見通しが示されたことから追加利下げ観測が強まり、市場で加ドル売りが加速。加ドル/円は104円前半から103.03円まで急落しました。そしてバーナンキFRB議長は講演で「住宅価格がさらに下落する可能性が高い」「住宅ローンの不良債権化はしばらく増加」と述べ、米住宅市場の厳しい状況を指摘。その後ダウがFRB議長発言や、米シティグループの評価損拡大懸念とリストラ計画などを嫌気して反落したため、ドル/円が102.64円と3日安値に迫るまで売り込まれ、ユーロ/円も156円手前まで下値を拡大。豪ドル/円は96円前後のもみ合いから下放れして2月7日以来の安値94.63円を示現しました。ただNY終盤に米金融保証会社アムバックの救済について銀行団の合意が近いとの報道が流れ、ダウが下げ幅を急速に縮小すると、クロス円もつれ高となってユーロ/円が157円台へ戻した他、豪ドル/円も一瞬96円をつけるなど円売りが優勢に。ドル/円も103円台を回復して103.46円まで上昇するも、103.50円を手前に伸び悩む展開になりました。

 5日水曜日は米ADPの下振れを受けてドル売りが強まる場面があったものの、強いISM非製造業景況指数が下落分を打ち消し、ドル/円が前週末以来の104円台を一時回復しました。
 東京時間ドル/円は103.20-50円の狭いレンジで推移し、アジア株が強弱まちまちで推移するなかクロス円もこう着した展開に。また豪第4四半期GDPが前年比で強い伸びを示すも豪ドル買いは限定的でした。夕方になると市場で欧州通貨売りが目立ち始め、特にポンド/円が対ドルでの急落につれて204円前半へ下落。またボルト仏予算相のユーロ高けん制発言が材料視されユーロ/円も157円前後へ軟化。一方ドル/円は対欧州通貨での上昇を受けてレンジを突破する動きを見せ、一時103.70円台まで上昇。ただポンド/円はその後発表された英サービス業PMIが強めの結果となったことから、205円台を回復し行って来いの展開に。ロンドン時間は欧州株・ダウ先物が前日の米金融保証会社アムバックの救済が間近との報道を材料に堅調に推移し、円売りの流れが継続。しかし米2月ADP全国雇用者数が予想外の悪化を示すと、市場で週末の米雇用統計が弱含むとの観測が強まり、103.86円まで高値を更新していたドル/円が103円前半へ下落。ただ米ISM非製造業景況指数が市場予想を上回る改善を示したためドルが買い戻され、ドル/円は29日以来の104円台へ急反発。米指標を好感してダウが100ドル高を示すとクロス円も大幅に上値を拡大し、ユーロ/円が一時159円台へ一気に上昇した他、ポンド/円が207円後半へ2円以上急伸。豪ドル/円も97円前後の水準へ反発しました。ただユーロ/ドルが1.53ドルを示現するなど対円以外ではドル売りが優勢でドル/円は104円に乗せきれず103円後半でもみ合いに。その後アムバックの株取引が一時停止されたことや、同社が発表した資本増強策が市場予想に満たないものであったことからダウが伸び悩み、クロス円も高値更新後はこう着した展開に。ベージュブックでは米景気と消費の減速が改めて報告されたものの、目新しい記述はなく市場は反応薄でした。

 6日木曜日はトリシェECB総裁がインフレ警戒姿勢を鮮明にしたことからユーロ/ドルが大幅高となり、反面ドル/円は米金融機関の債務不履行報道で強まった信用不安や、対欧州通貨での売りを受けて102.45円まで年初来安値を更新。クロス円もダウが200ドル安となったことからオセアニア通貨を中心に大幅反落しました。
 前日NY時間、ドル/円はISM非製造業指数の上振れを受けて104円台に乗せる場面がありましたが、東京時間にはドル買いが一服、ドル/円は103.70-104.00円のレンジでもみ合いに。日経を始めアジア株が概ね大幅反発したことから、クロス円も高値圏でしっかりとした推移が続きました。またNZ準備銀行は早朝の金融政策会合で8.25%に金利据え置きを決定。声明で景気減速リスクに言及するも、インフレ上昇率を3%以内に収めるために当面金利を据え置くとの見通しを示したため、利下げ観測が後退しNZドル/円が83円後半へ急伸。一方豪ドル/円は豪1月貿易収支の赤字額が市場予想を下回るも下落は限定的でした。しかし午後にユーロ/ドルが1.53ドルに再び乗せて史上最高値を更新すると、市場でドル売りが徐々に強まりドル/円が103円前半へ下落。また欧州株が金融機関への不安感から下落して始まり、クロス円もじりじり下げる展開に。またロンドン時間にニューヨーク・タイムズスクウェアで爆発騒ぎがあり、ドル/円が103.13円まで一時下落する場面も。イングランド銀行(BOE)、欧州中央銀行(ECB)はいずれも政策金利をそれぞれ5.25%、4.00%に据え置きとし、BOE据え置き後はポンドの買い戻しが強まり、ポンド/円が207円後半へ急伸。その後トリシェECB総裁は会見で「インフレ期待の抑制が最優先課題」「高インフレの状況は予想以上に長期化」と述べ、インフレ警戒のスタンスを表明。またインフレ見通しを上方修正し、ユーロ高けん制の常套句である「荒っぽい値動き」と表現しなかったことから、ユーロが対ドルでさらに最高値を更新する展開に。NY時間は米住宅金融大手ソーンバーグが債務不履行に陥ったとの報道や、米住宅ローン延滞率が上昇したことを受け、市場で急速に金融不安が広がりダウが200ドル以上下落。ドル/円・クロス円もつれ安になって大幅に下値を拡大し、ドル/円が3日安値を下抜けて102.50円前後へ急落。特にオセアニア通貨の下げが目立ち、豪ドル/円が95円を一時割り込み、NZドル/円も81円台へ反落しました。一方欧州通貨は対ドルでの上昇に支えられ下落は限定的で、ユーロ/円は157円後半で下げ渋るとその後158円台へ反発しました。

 週末7日金曜日は予想外の減少を示した米2月非農業部門雇用者数を受けて、ドル/円が8年ぶりの安値水準101.40円を示現するなどドル全面安の展開に。しかしFRBが資金供給を拡充させる方針を示したことなどを材料に市場でドル買い戻しが加速し一時103円台を回復するまで急反発、円高相場がひとまず一服へ。
 東京時間ドル/円は朝方につけた102.45円の安値から反発して102.90円まで戻したものの、日経が400円以上下落するなど株価軟調を受けて上げ渋り、午後から急速に強まったドル売りで102円前半へ反落。豪ドル/円が昼過ぎまで前日比プラス圏で推移するなど概ね底堅い展開でしたが、ドル/円が102.50円を再び割ってくるとつれ安傾向を強め、ユーロ/円が157円前後へ下落した他、豪ドル/円も95円割れへ。ロンドン時間ドル/円がついに102円を割り込み101.79円まで下値を拡大、米雇用統計を前に103円台へ買い戻される場面があったものの、注目された米2月非農業部門雇用者数(NFP)が-6.3万人と5年ぶりの大幅減少となり、前月に続いての減少を示すと、前月分が下方修正されたこともあって市場でドル売りが殺到。ドル/円が2005年1月安値101.67円を破って101.40円と1999年以来8年ぶりの安値を示現しました。しかしFRBが市場の流動性を確保するためにターム物入札ファシリティの増額を決定、さらに少なくとも半年は継続する方針を示したことから、市場のドルセンチメントが急速に改善。週末のポジション調整も重なってドルの買い戻しが加速し、ドル/円が一時103.22円の高値まで急反発しました。またダウは米雇用統計悪化を嫌気して続落して始まったものの、その後前日比プラス圏へ買い戻され、クロス円もドル/円とダウに引っ張られて上昇。ユーロ/円が158円台へ戻した他、ポンド/円が208円手前まで急伸しました。ただNY中盤以降、強まった米景気後退観測や6日に債務不履行に陥った米金融住宅大手ソーンバーグに巨額の追加損失との報道で、ダウがマイナス圏へ急反落したため、クロス円を中心に伸び悩む展開に。特にオセアニア通貨や加ドル/円の上値が重く、豪ドル/円が96円にタッチした後95円前半へ押し戻され、加ドル/円はロンドン時間につけた安値を下抜けて103.19円まで下値を拡大する場面も。ドル/円はダウが100ドル安水準で推移するなか下げ渋り、前週比1.05円の102.83円で取引を終了しました。

なお他の通貨の先週終値は

ユーロ/円157.78円(前週比0.08円高)
ポンド/円207.12円(前週比0.73円高)
豪ドル/円95.37円(前週比1.37円安)
NZドル/円81.65円(前週比1.37円安)
加ドル/円103.89円(前週比1.62円安)
スイスフラン/円100.22円(前週比0.53円高)となっています。


先週の主な要人発言

【3月3日(月)】
「円高というよりもドル安、重大な関心を持って注視している」
--------------福井総裁

「ユーロ動向を注視、ユーロ高を懸念し始めている」
--------------ユンケル・ユーログループ議長


【3月4日(火)】
「過度の為替の値動きを懸念している」
--------------ラガルド仏財務相

「インフレ率は引き続き高水準で推移」
--------------豪州準備銀行(RBA)声明

「住宅ローンの不良債権化はしばらく増加」
「住宅価格の下落は今後も継続」
--------------バーナンキFRB議長

「インフレが明確に低下傾向にある」
--------------カナダ銀行(BOC)声明

「2月米雇用統計が一段と弱くなった可能性がある」
--------------ミシュキンFRB理事


【3月5日(水)】
「豪ドルの上昇がインフレ緩和に役立つ見込み」
--------------エディ豪州準備銀行総裁補佐

「12地区連銀のほとんどで景気が減速」
「依然として住宅市場は低迷、個人消費も減速傾向」
--------------12地区連銀報告書(ベージュブック)


【3月6日(木)】
「相当な期間、金利を据え置く見込み」
「インフレが低下次第利下げへ」
--------------NZ準備銀行(RBNZ)声明

「中期的なインフレ期待の抑制が最優先課題」
「インフレリスクは上向き」
「最近の物価指標はインフレ上振れリスクを示唆」
--------------トリシェECB総裁


【3月7日(金)】
「米雇用統計は失望的、米国の景気減速が鮮明に」
「米連邦準備制度理事会(FRB)の行動が米経済にポジティブな影響を与えることを期待」
--------------ブッシュ米大統領

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