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[コラム]「同一労働・同一賃金の原則」 ―グローバル化時代の春闘―

2008年03月11日 12:26更新 前の記事 次の記事  コラム・人事・組織戦略一覧
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出展:三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ(http://www.murc.jp/index.php)「真野輝彦客員研究理事コラム 2008年3月11日付」より

 正規社員と非正規従業員の格差が問題となっている。有期限契約社員、派遣社員、パート労働者などが17百万人を越え、被雇用者数の1/3を占めているからである。同一労働・同一賃金の原則にてらせば、同じ仕事をしている正規社員と同じ賃金の要求は当然と言えよう。春闘も後半に入っているが労使双方が注意すべき点を二つ指摘したい。

 第一は、同一労働・同一賃金の原則は、国内での正規、非正規社員間のみならず、国境をこえる労働者間にも適用されるということである。日本と比較し賃金の絶対水準が低い中国に於いてすら、賃金上昇のため、より賃金の低い国への生産拠点移転が始まっている。正規社員といえども生産性の向上がなき限り、賃上げには繋がらないということの再確認が必要である。

 第二は、正規社員の労働環境の悪化である。非正規社員の増加によるしわ寄せが正規社員の負担になっている。契約時間に退社する非正規社員の遣り残した仕事は正規社員に押し付けられる。必然的に労働時間が長くなり、夜9〜10時までの残業が恒常化している。しかも労働基準法規定を迂回するため、サービス残業や一人の部下もいない名ばかりの管理職が増加しているのである。正規社員であるがゆえに、かかる状況に目をつぶらざるを得ないのが実情なのである。

 福田総理は消費拡大のため、経営者側に賃金の引き上げを要望した。しかしグローバル化が浸透するなかで、市場の原理を無視すれば、経済活動を海外に押し出すことになる。勿論、労働法違反の迂回をする企業は決して一流企業ではない。長時間労働で家族団欒の時間もない状況は、豊かな生活には繋がらない。賃上げもさることながら、労働時間の問題に労使双方が重点的取り組むことを期待したい。

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真野 輝彦(まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 客員研究理事
   
  1956年 東京銀行入行。
  フランクフルト支店為替課長、本店為替部次長、スイス東京銀行総支配人、
  丸の内支店副支店長、調査部長を歴任。
  1985年東京銀行取締役、1987年東京銀行参与。
  1996年合併に伴ない、東京三菱銀行参与。
  1999年より現職
   
  日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会委員
  国策研究会 評議委員会議長
  日本国際フォーラム 政策委員
  読売国際経済懇話会 特別会員
  International Club of Bank Economists会員
  国際通貨研究所 評議員
  聖学院大学・大学院 教授
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