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[コラム]「京都議定書目標達成計画」の改定〜低炭素社会の構築に向けて〜

2008年03月12日 15:09更新 前の記事 次の記事  コラム・環境一覧
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出展:みずほ情報総研ホームページ(http://www.mizuho-ir.co.jp/)「コラム/みずほ情報総研(株) 環境・資源エネルギー部 石井 久哉 2008年3月11日付」より

 2008年2月29日に開催された「地球温暖化対策推進本部」(内閣官房)において、「京都議定書目標達成計画」の改定案が了承され、現在、閣議決定に向け準備が進められている。「京都議定書目標達成計画」とは、我が国が同議定書で約束した温室効果ガス6%削減を確実に達成するために必要な措置を定めるため2005年4月に策定されたものである。今回の改定は、第一約束期間の開始に際して当初から予定されていたものであるが、具体的にどのような改定(案)となっているのだろうか。

 まず、中長期的な視点についての表現が、「美しい星50」の達成に向けて革新的な技術開発とそれを中核とした低炭素社会を構築していく、というようにより具体化されていることがあげられる。この「低炭素社会」という言葉は改定前の計画には無かったものだが、国内外において注目が高まっており、これからの社会のあり方に関するキーワードの一つとなっていくのではないだろうか。

 第一約束期間に向けた具体的な削減対策としては、「産業界における自主行動計画の推進」、「工場・事業場の省エネ対策の徹底」、「住宅・建築物の省エネ性能の向上」、「家電製品・自動車等におけるトップランナー基準」、「新エネルギー対策の推進」等の更なる強化が注目される。産業界における自主行動計画は、従来、製造業中心というイメージがあったが、今回は、サービス業等にも大きく拡大し、現時点で100を超える業種が取り組んでおり、更に拡大していく方向で計画されている。

 また、従来よりも取り扱いが大きくなっている対策として、「中小企業の削減対策」、「農林水産業の対策」、「公的機関(官公庁、地方自治体、公立学校・病院等)の率先的取組」、「上下水道・廃棄物処理における対策」、「国民運動の展開」などがあり、「京都メカニズム(※)の活用」に関してもより具体的な利用を想定した記述がされている。

 今後、速やかに検討すべき課題とされている対策のなかで前回に比べて重要性を増しているものとしては、「国内排出量取引制度」、「深夜化するライフスタイル・ワークスタイルの見直し」があげられる。

 これらの改定内容は、もはや大規模な排出源への対策だけでなく、国内の全ての社会経済活動において取り組みの強化が必要な段階になっているということを意味している。今まで、自分達にはあまり関係ないと考えていた人や企業であっても、今後は実効性のある取り組みが求められるということである。これは、逆に、環境・省エネ等に関連したビジネスの対象が急拡大するということでもある。

 前回の計画から約3年の間の状況変化として、日本の約束達成がより厳しい状況になっていることに加え、国内外を問わず、地球温暖化問題に対する人々の意識・危機感が高まっていることがあげられるのではないだろうか。地球温暖化問題は、今後の社会の方向性に大きな影響を与える要素の一つとして、確実にその重要性を増している。

 事業者の視点からも、一般国民の視点からも、自らの取るべき行動を考える上で、また、世の中の動きを先取りするチャンスとして、京都議定書の約束達成、さらには、低炭素社会の構築に向けて、という意識を持つことが重要になってきている。


※ 「京都議定書」(1997年)において定められた、温室効果ガス削減をより 柔軟に行うための経済的メカニズム。以下の3つの制度からなる。

・ クリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism):
先進国と途上国が共同でプロジェクトを実施し、その削減分を投資国 (先進国)が自国の目標達成に利用できる制度

  ・ 共同実施(JI:Joint Implementation):
先進国同士が共同でプロジェクトを実施し、その削減分を投資国が自 国の目標達成に利用できる制度
  ・ 排出量取引:先進国同士が削減目標達成のため排出量を売買する制度






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