[トピックス]ロシア、WTO加盟なるか
2009年1月、ロシアは世界貿易機関(WTO)の正式な加盟国となる予定である。ロシアのWTO加盟に関する情報機関の責任者であるPortansky氏は、順調に行けば、2009年1月にWTOの加盟国になると公表した。
ロシアは1992年からWTOへの加盟を申請してきたが、厳しい先進国との競争に対応できるだけの競争力がまだ備わっていないことを理由に、多くの専門家は時期尚早との見方をとっていた。しかし、ロシアのWTO加盟によって、ロシアは世界の市場における様々な規制から自国の輸出品を保護することが可能になるというプラスの面も指摘されている。投資会社SOVLINKのアナリストであるBelenkaya氏は、支出の削減及び生産能力向上によって、国内外市場でのロシア製品の競争力は増していくだろうと述べている。
一方、他の専門家は、WTO加盟によって、ロシア企業が国内市場のシェアを失う恐れがある危険性を指摘している。より高品質かつ安価な外国製品がたくさんロシア国内に流入すれば、ロシア企業の市場占有率に影響が出ることも考えられる。Sobinbankで市場分析を担当しているRazuvaev氏によると、WTO加盟はロシア政府の大きな目標である。もちろん、計画経済が破綻後、すぐWTOに加盟することは論理的ではなかった。しかし、改革は1992年から実施され、WTOへの加盟はロシアにとって大きな転機である。すべての企業が新しい条件の下で生き残れるわけではないだろう。しかし、国際的な競争に立ち遅れてしまうような競争力のない企業をロシアは必要としていない。
現在、多くの専門家は、ロシアが1年後にWTO加盟国となることについて疑いを抱いている。投資会社AntantaPioglobalの主任アナリストIvanin氏も、そのうちの一人で、WTO加盟の申請(1992年から実施)をする度に、加盟が数年持ち越しとなっていることを指摘している。
現在、ロシアは、主要貿易国であるアメリカ・ヨーロッパ諸国・日本とWTO加盟に関する協議を完了している。しかし、Belenkaya氏は、これに関してまだ道半ばであると考えている。同氏は、ロシアと近隣諸国(グルジア・ウクライナ)が政治的に難しい局面にあることによってWTO加盟の時期がずれこむ可能性もあるとしている。ロシアがWTOの加盟国となることに関して真っ向から反対する国はない。しかし、近隣諸国のうち数カ国が、一方でより有利な条件での対露貿易を目論み、もう一方でロシアと先進国との政治的関係に水を差そうとする可能性は否定できない。
今日までにロシア政府は60カ国以上とWTO加盟に関する協議を行ってきた。その中で、WTO加盟の障害となるような問題点を言及した国はなかった。しかし、ロシアはサウジアラビア・アラブ諸国・グルジアとの間に軋轢を抱えたままである。
政治研究センターの主任アナリストであるStanovoy氏は、グルジアがロシアのWTO加盟に異議を唱えることはなく、WTO加盟は順調にいくだろうと考えている。また、Portansky氏もグルジアとの関係について特に問題はないと考えている。同氏は、グルジアとの関係でWTO加盟のため解決しなければいけない点は、アブハジア自治共和国及び南オセチア自治州における通関上の問題の解決のみであり、近いうちにグルジアと合意に達することができると予測している。一方、アラブ諸国及びサウジアラビアとの問題点は、Portansky氏によると、数週間のうちに解消されるだろうと述べている。
多くの専門家は、WTO加盟のもっとも大きな障害はウクライナであると見ている。当初、ウクライナのWTO加盟はロシアの加盟と同時に予定されていた。しかし、2008年2月、ジュネーブでウクライナのWTO加盟が承認された。Portansky氏は、ウクライナがロシアのWTO加盟を阻止する可能性を除外してはいないが、ウクライナのユシチェンコ大統領及びティモシェンコ首相がロシアのWTO加盟を妨害することはないと言明している以上、そうした恐れはないだろうと考えている。しかし、Belenkaya氏は、天然ガスに関する問題が持ち上がったことでウクライナ首脳の立場が変わる可能性を指摘する。
専門家は、ウクライナ・グルジア・サウジアラビアがロシアのWTO加盟に厳しい立場を取る背景には、同国の指導者層以外の思惑も絡んでいるものと考えている。これらの国が、より影響力のあるWTO加盟国(アメリカ・EU)の助言を受けて、ロシアの加盟国入りを阻害することも十分にあり得る。こうしたことから考えると、ロシアがWTOに加盟するための最終的な条件及び期日は、ロシアと先進国との協議に左右される。
Razuvaev氏は、次のように結論した。ウクライナが頑強にロシアのWTO加盟を阻害することはないだろう。そして、ロシアは2009年初頭にWTO加盟を果たすことができるものと思われる。しかし、西側諸国の金融情勢は悪化している。1年後にどのような状況になっているか予測するのは難しい。いずれにせよ、ロシアには競争力のある企業が多数ある。WTOの加盟国とならなくても、世界市場を相手に競争していくことは可能である。

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