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[レポート]「3月17日週の外国為替市場分析」(1)

2008年03月18日 14:46更新 前の記事 次の記事  コラム・外国為替一覧
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出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年3月18日付」より

●先週の概況●
FRBの新たな流動性対策も効果を疑問視され、ドル/円が1995年以来の100円割れ示現

 先週10日月曜日は前週の米雇用統計悪化を受けて朝方からドル安・円高傾向が強まり、NY時間も米金融機関の流動性懸念を背景にドル売りが継続。ドル/円は先週末安値に迫る101円前半へ下落し、クロス円もダウ続落を受けて軒並み大幅安となりました。
 週明けの東京時間はドル/円が前週終値より70銭近く安い102.12円で寄り付き、クロス円も豪ドル/円が95円を割ってスタートするなど、朝方からドル売り・円買い優勢で始まりました。本邦1月機械受注が予想以上に強い結果となるも日経は午後にかけて200円以上下落し年初来安値を更新。他のアジア株も軒並み大幅安となるなか、ドル/円は徐々に上値を切り下げ午後には102円割れへ。その後は101.80円でいったんサポートされ、ユーロ/円も156.60円、豪ドル/円は94円手前で底堅い値動きに。欧州株が下げ渋ったことからロンドン時間はやや買い戻しが優勢となり、ポンド/円が1991年以来の強い伸びを示した英2月生産者物価指数(PPI)を受けて206円後半へ上昇。またトリシェECB総裁が「過度の相場変動を懸念」「米国のドル高政策に注目している」とドル安けん制ととれる発言を行ったことから、ドルの買い戻しが進みドル/円は102.44円まで同日高値を更新しました。しかしNY時間に米投資銀行ベア・スターンズの格下げや流動性懸念のウワサが流れてダウが100ドル以上下落すると、株価に連動してドル/円・クロス円が急落。ドル/円が101.54円まで一時値を下げた他、ユーロ/円が156円前後まで下落。また豪ドル/円も94円を大きく割って下げ幅を2円以上に拡大するなど円大幅高の展開に。加ドル/円はNY入りに発表された住宅指標が強い結果となるも、NY序盤にダウ下落につれて103円半ばから一気に102円後半まで急落しました。その後ベア・スターンズ社がウワサを否定したことから円買いが一段落し、ドル/円・クロス円はNY引けにかけて安値圏でもみ合いに。

 11日火曜日は米連邦準備制度理事会(FRB)が2000億ドルもの国債を貸し出す新たな流動性供給策を打ち出したことから、市場で安心感からドル買い戻しが殺到。またNYダウが400ドル高を示現しクロス円も大幅高の展開に。
 東京時間はドル/円が朝方101.41円と前週安値にほぼ並ぶ水準まで売り込まれる場面があり、ユーロ/円も156円を大きく割って1ヶ月ぶりの安値水準へ下落した他、豪ドル/円が93円割れを示現、またNZドル/円も一時1月23日以来の80円割れとなりました。朝方の売りが一巡すると若干反発したもののドル/円は101.80円付近で上値の重い展開に。しかし日経が午後に自律反発で急上昇すると、徐々に円売りが強まりドル/円が102円台を回復。海外時間欧州株がプラス圏へ反発するとショートカバーの流れがさらに加速し、ユーロ/円は予想外の改善を示した独3月ZEW景況指数の影響もあって157円台へ急伸、また豪ドル/円が94円台、NZドル/円も81円台を回復しました。そしてNY入りに米FRBが市場の流動性懸念払拭のため、新たな資金供給措置として2000億ドルの国債貸し出しを決定し、昨年12月12日と同様に欧州中央銀行(ECB)など主要5カ国中銀で協調して行動と表明すると市場でドル買いが殺到。ドル/円が102円付近から一気に103円台へ吹き上がり、ダウ先物の急反発を受けてユーロ/円が同日安値から3円以上急騰158.92円を示現した他、豪ドル/円も95円台へ乗せるなど円全面安の展開に。ただ強い独指標を受けて1.55ドル手前まで上昇していたユーロ/ドルが、FRBの発表後1.52ドルまで急反落したため、ユーロ/円は高値更新後伸び悩み158円前後へ軟化。ダウは引けにかけて400ドル高を示現し、円売り地合いがその後も継続。ドル/円が早朝には103.58円をつけ、再度高値を更新しました。

 12日水曜日は前日のFRB資金供給策が、市場で不十分と捉えられたことにより再びリスク回避の動きが加速。ドル/円がNY時間にかけて101円台へ下落し、前日の上げ幅を相殺する展開に。
 東京時間ドル/円は前日NY時間の買いが一巡したことを受け上値の重い推移が続き103円前後へ下落、日経が200円高となるなどアジア株が大幅反発するなかクロス円も伸び悩む展開に。ロンドン時間になるとユーロ/ドルが強いユーロ圏鉱工業生産を受けて大きく反発に転じ、ユーロ/円が159円をタッチする場面がありましたが、ドル/円は対欧州通貨での売りに押されて102円後半へ下押し。豪ドル/円など他のクロス円もドル/円の下落につれて下げに転じ、豪ドル/円が95円前後へ1円近く急落しました。NY時間も米系ヘッジファンド破綻のウワサや中東湾岸諸国がドルペッグ制を廃止するとの観測からドル売りが継続し、ドル/円が102.50円を割ってNY終盤には102円割れを示現。ダウは反発して始まるも、中盤にかけて前日比マイナスへ転じ、ユーロ/円が朝方に157円前半へ反落し、豪ドル/円も94円前半まで下値を拡大しました。

 13日木曜日はドル/円が12年ぶりとなる100円割れを示現し、クロス円もドル/円の下落につれて総崩れとなりユーロ/円が11日の安値水準155円台へ行って来いの展開に。米小売売上高は市場予想を下回るものでしが、NY序盤に格付け会社による金融機関の評価損見通し改善を受けて、市場のリスク選好度が回復。一転して株高・円安の流れとなりドル/円は一時101円台を回復しました。
 前日NY時間に102円を割ってきたドル/円はNY引け後も下落が止まらず、ブッシュ米大統領の「強いドルを支持する」との発言にも市場からは反応なく、朝方には7日安値101.40円を破って101.08円まで急落しました。その後101.60円台へ一時戻すも、欧州当局者から「原油高は懸念材料だが、欧州経済の強さが影響を相殺」との発言が対ユーロでドルの重石となり、英FT紙で複数のヘッジファンドが破綻寸前と報じられたことや、米投資ファンド大手カーライル社の資産差し押さえ観測などを材料に、仲値後ドル/円が101円を割って急速に下げ幅を拡大。米WSJ紙に米政府が住宅ローン機関の監視を強化との報道には反応薄で、ドル/円は昼過ぎに100円手前まで下落しました。ユーロ/円もドル/円の下落につれ安となって、11日の安値水準である155円半ばへ2円以上反落。また豪ドル/円は豪2月新規雇用者数が市場予想を大幅に上回り、95円台へ上振れる場面があったものの、ドル/円の下落を受けて93円台へ急反落しました。日経が400円安となるなど市場のリスク回避姿勢が強まるなか、ユーロ/ドルがロンドン時間1.56ドル台の最高値をつけたこともドルの重石に。ドル/円は午後から100円割れを試す動きが強まり、日本政府当局者からも介入に関する発言は聞かれず、夕方ついに100円を割り込み、ストップロスを行使して99.75円まで下落。ただ売られ過ぎ感の台頭や投機筋の利益確定の買い戻しを受けてすぐに100円台へ反発。クロス円もユーロ/円が156円台へ、豪ドル/円が94円へ戻すなど底堅い展開となりました。またスイス国立銀行(SNB)は金融政策会合で政策金利を2.75%に据え置くことを決定。市場予想の通りでスイスフラン/円への影響は特に見られず。そして米2月小売売上高は総合指数と、変動しやすい自動車を除いた指数がともに市場予想を下回って前月比マイナスに落ち込むも、ドル/円は100.18円へ下押し後、材料出尽くし感から逆に買い戻しが加速し一時100.83円まで急伸。NY序盤ダウが200ドル以上の下げ幅を示現したため99円台へ急反落する場面があったもの、米格付け会社S&Pが大手金融機関の評価損計上は終息へ向かっていると発表すると、リスク許容度が回復した市場で円売りが加速、ドル/円が101円台へ急騰した他、ユーロ/円が157円半ばへ上昇。豪ドル/円も東京時間の下げ幅を相殺して95円半ばへ上昇しました。ダウは引けにかけて下げ幅を徐々に縮小し、前日比プラス圏へ戻して引けますが、ドル/円は101.23円まで回復後、100円前半へ急反落するなど、早朝にかけて上下に荒い値動きが続きました。

 週末14日金曜日はNY時間ベア・スターンズ社の流動性懸念で株価が50%以上下落したのをきっかけに、リスク回避のドル売り・円買いが殺到。ドル/円が99円を割るなど大崩れの展開に。
 東京時間はドル/円が100-101円のレンジで荒い値動きが続き、日経が円高を嫌気して2日大幅続落すると午後には100円を再度割り込む展開に。クロス円も同様に上値が重く、ユーロ/円が再び157円を割って156円前半へ反落した他、豪ドル/円も94円手前まで売り込まれました。ただドル/円はロンドン時間、前日安値を下回ることなく99.83円をつけて反発し、欧州株が堅調に始まると一時100.60円台へ上昇。ユーロ/円を始めクロス円も反発に転じ、米2月消費者物価指数が予想を大幅に下回る結果を示すと、株式市場が好感して株高が高進、リスク許容度回復を受けてドル/円が101円へ急伸するなどNY序盤は円売りが優勢に。しかしNY連銀や米JPモルガン社が、米投資銀行ベア・スターンズ社に緊急資金供給との報道が伝わると、同社の流動性懸念が現実となったことを嫌気して同社株が一時50%近く暴落、ダウも300安を示現するなど大荒れとなり、ドル/円・クロス円が円買いへ急反転。101円台へ乗せていたドル/円が100円を割って、昨日安値を破り99.54円まで下落しました。NY中盤以降、米格付け会社S&Pによるベア・スターンズ格下げを受けてダウが再び下げ幅を拡大するとドル/円が99円も割り込んで98.88円まで安値を更新。クロス円も総崩れ状態でポンド/円が2005年10月以来の200円割れを示現した他、ユーロ/円も先月12日以来の155円割れへ。終盤になってもドルの買い戻しは限定的でドル/円は前週比3.52円安の99.31円で取引を終了しました。

なお他の通貨の先週終値は

ユーロ/円155.63円(前週比2.15円安)
ポンド/円200.77円(前週比6.35円安)
豪ドル/円93.05円(前週比2.32円安)
NZドル/円80.73円(前週比0.92円安)
加ドル/円100.69円(前週比3.20円安)
スイスフラン/円99.40円(前週比0.82円安)となっています。


先週の主な要人発言

3月10日(月)
トリシェECB総裁
「為替市場の過度な変動を懸念」
「強いドルを支持する米国の政策に注目している」

3月11日(火)
米連邦準備制度理事会(FRB)
「新たな資金供給措置で最大2000億ドルの財務省証券を貸し出し」
「欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)、カナダ銀行、スイス国立銀行とも協調」

ウェーバー独連銀総裁
「インフレ圧力が強いため利下げ余地はない」

3月12日(水)
ユンケル・ユーログループ議長
「最近のユーロ相場を非常に警戒」
カタール中銀総裁
「ドルペッグ制を維持する」

3月13日(木)
額賀財務相
「為替水準へのコメントは控える。動向を見守りたい」
トリシェECB総裁
「為替市場の過度な変動を懸念している」

3月14日(金)
渡辺金融担当相
「ドル独歩安の状況で金融政策の司令塔が決まらないのは異常」


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