[トピックス]原油価格高騰はロシア石油会社に利益をもたらすか
原油価格は、日毎高値を更新し続けている。多くの専門家は、今後、原油価格が100ドル/バレル以下の水準に戻ることはないだろうと予測している。ブレント石油の価格は、史上最高値を記録し、2008年当初から、専門家の予測をはるかに上回る95ドル/バレルに達した。
石油価格が上昇し、高値がついていることは、ロシア石油企業にとってプラスである。しかし、ここで注意しておかなければいけないことは、価格上昇による増収の大部分が税金として(鉱物資源採掘税・輸出関税)政府に徴収されることである。つまり、石油価格の上昇と共に税金負担も大きくなる。AntantaPioglobalのアナリストであるKhayrullin氏の試算によると、石油価格を100ドルとした場合、そのうち73ドルが鉱物資源採掘税・輸出関税としての課税分となり、石油会社の取得分は27ドルのみとなる。
石油会社側は、石油製品の品質による課税体系の導入を政府に対して求めている。現在の輸出関税率は、Uralsの平均価格を基に、2ヶ月毎に政府が見直しをしている。2008年1-2月のUralsの平均価格を参考に輸出関税の見直しがなされた結果、2008年4月からの輸出関税は1トン当たり6.3ドル引き上げられ、340.1ドルとなる。また、ライト油は4.2ドル、ダーク油は2.3ドル引き上げられ、それぞれ1トン当たり241.4ドル及び130.1ドルの輸出関税が課されることになる。Sobinbankのアナリストによると、現在の課税システムでは、石油精製会社の設備投資及び精錬度の高い製品の出荷を促進するものではなく、重油、或いは原油精製の過程で生成される石油コークス・瀝青油などの残留物出荷量の増加を促す仕組みになっていると指摘する。
石油価格の高騰によって利益を享受しているのは、主にガス関連企業である。また、事業の中に占める石油精製の割合が高い石油関連企業も、比較的税負担が軽いため、少なからず利益を得ている。モスクワ銀行の専門家であるVedeneev氏は、石油価格の高騰で恩恵を受けている企業の中に、生産規模が大きくグローバルな取引が可能な石油会社を入れても良いと考える。ガスプロム及びルクオイルがこうした企業に数えられるだろう。
ロシアの石油関連企業の株式を評価する際、専門家は、最近、生じているマイナスの要素に注意を向けている。採掘量の低下もそのうちの一つである。2003年における年間採掘増加率は11%であったが、その後は減少傾向にある。Khayrullin氏によると、2008年における採掘量は減り、将来的にも減少は避けられないとみている。
ロシアの石油関連企業の今後について考える際に重要となるのは、どの通貨で石油が取引されるかということである。Vedeneev氏によると、米ドルでの取引の場合、石油価格が今後、低下する可能性がある。何故ならば、ドル安の傾向が止まり、ドル高へ反転することが考えられるためである。つまり、最近の石油高騰は、石油そのものの価格が上昇しただけではなく、ドル安になったためだと考えられるからである。
UNICREDIT ATONの専門家によると、石油市場で好景気が続く場合、ロシア石油ガス関連企業は良い影響を受けるとしている。ガスプロムはその一社である。一方、石油価格高騰による好影響を受けないのはロスネフチとされている。
一方で、Vedeneev氏は、石油の長期的価格の予測変更は、現在懸念されている物価上昇率の動向により左右され、世界市場における石油価格の高騰によって、石油関連企業の企業価値が著しく上がるものではないとしている。

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