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[レポート]週刊マーケットレター

2008年03月26日 08:05更新 前の記事 次の記事  コラム一覧
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出典:ゲゼル研究会(http:grsj.org)「曽我純の週刊マーケットレター」より

 週刊マーケットレター(08年3月24日週号、No.227)
2008年3月23日
曽我 純 

 図表などはサイトの PDF からご覧になれます。
http://www.grsj.org/marketletter/index.html

■主要マーケット指標
■ 3月第2週の外人の日本株売り急増、週間約1兆円と過去2番目の規模
 3月第2週、日経平均株価は1万1,000円台に下落したが、財務省の統計によると、同
週の外人売り越し額は9,930億円と1987年10月第3週のブラックマンデーに次ぐ過去2
番目の売り越しとなり、外人の投売りにより値崩れしたことがわかった。1月は1,063億
円の売り越しと小康状態を保ったが、3月の外人売り越し額は第2週までに、すでに1兆
4,103億円に達しており、02年2月以来の規模の売り越しになりそうだ。

 外人が週間で1兆円近い日本株を売り越したのは、米金融保証会社がCDO(担保債務証
券)などの保証から完全撤退し、当該商品の取引がほぼ停止に追い込まれ、信用不安が急
激に高まったからである。JPモルガン・チェースに買収されたベアー・スターンズの資金繰り悪化やRMBS(住宅ローン担保証券)の価格急落、米欧5中央銀行の資金供給拡大の声明等、金融収縮は燎原の火のごとく広がっていった。

 これでは、株式のような高リスク商品から現金や安全な商品に回避するのは自然な流れ
である。自国経済が未曽有の危機に直面しているときに、外国株など保有できるわけがな
い。特に、設備投資と外需で成長を維持してきた日本経済が、世界経済の不振の影響を大
きく受けることは免れず、今のうちに、日本株を処分したいと考えているのだと思う。

 米国の不動産バブルと資源高バブルによリ、世界経済が予想外に拡大した恩恵を日本企業も享受してきたが、米国の不動産バブルは破裂、資源高も変調を来たしており、2つのバブル崩壊が日本企業を直撃するはずだ。米国の不動産バブルと資源高バブルは脆弱な内需をなんとかカバーし、日本の景気を支えてきたが、自律的経済成長が覚束ない身にとっては、2つのバブル崩壊は予想以上に景気を下ぶれさせるように思う。すでに前年割れの企業収益がどこまで悪化するのかわからないことが、日本株の見切売りとなってあらわれている。

■ 市場の動きに無能な証券化商品
 FRBは18日、政策金利を0.75%下げ、年2.25%とした。昨年8月から計3.0%引き下げ
たが、信用不安は金利という資金コストが低下したからといって、信用不安が取り除かれ、資金の流れが回復するわけではない。銀行は証券会社や投資ファンド等に融資しているが、担保となる証券のリスクが高まり、証券の価値が著しく下落したりすれば、資金を貸し出すことはできない。むしろ、融資先の不安から銀行は資金を一部引き上げており、回収したマネーは国債等に振り向けているようだ。

 銀行貸出が企業や家計等、次々に持ち手が変わることによって、信用創造が起こるけれ
ども、銀行に資金が流入することになれば、信用収縮が起こることになる。そのような事
態を回避するために、FRBは証券会社に直接貸し付ける制度を整備した。だが、本来、銀
行が取るべきリスクをFRBに転嫁しただけであり、根本的な解決方法にはならない。米商
業銀行もモーゲージを昨年末、3.6兆ドル、政府系証券化商品を1.0兆ドル保有しており、これらの総資産に占める比率は41.1%と高い。中には値段がつかない証券もあり、資産は相当の速さで劣化しているのではないか。

 商品市況が急低下していることも、金融不安に拍車を掛けそうだ。CRBは週末、381.74
と3月13日のピーク(420.64)から9.2%も下落した。信用不安により、金融機関がヘッ
ジファンド等への融資を絞込んでいるのではないか。商品取引にも金融機関がファイナン
スしている場合が多く、急激な市況の悪化により、返済不能の事態も起こりうる。

 2月の米住宅着工件数は106.5万戸、前年比28.4%減少、過去3ヵ月をみれば、ほぼ横
ばいとなっているが、許可件数は97.8万戸に落ち込み、その中でも一戸建ては63.9万戸、
05年9月のピーク(179.8万戸)に比べると、その35.5%まで縮小してしまった。建築許可件数が下げ止まらないことは、住宅着工件数もまだ底がみえないことなのである。

 住宅が売れなければ、不動産価格も下落し続け、買い手は様子見姿勢を強めるはずだ。
そのことは価格をさらに軟化させ、住宅ローン担保証券を紙屑に近づけるだろう。早急に
住宅ローン担保証券を処分したいが、何しろだれが、どのくらい保有しているのかよくわ
からず、ブラックホールを想起させる。むやみやたら何でも証券化すれば、手数料も入る
し、リスクも分散できるなどいい事ずくめと考えられていた。ところが市場は常に右肩上
がりではなく、右肩下がりにもなる。市場主義に基づいて作られていた商品が実は、まっ
たく市場の動きに無能なことを露呈したといえる。


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Gesell Research Society Japan
http://grsj.org
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