アルゼンチンクリスティナ・フェルナンデス大統領が25日、農産物品にかけられる輸出関税の大幅引き上げ方針を撤回しなかったことを受け、全国規模の農家によるストライキに発展し、ほとんどの農産物品の生産活動が停止される深刻な事態となっている。 世界最大規模の牛肉輸出国であるアルゼンチンでは通常では平均して1日9千頭の肉牛が屠殺されているが、今週は農家によるストライキが生じたためまだ一頭も屠殺されていないという。 南米第2位の経済大国で、大豆、牛肉、小麦などの主要輸出国であるアルゼンチン政府は、今後大豆輸出関税が35%から45%に大幅に引き上げ、トウモロコシその他農産物品の輸出関税もわずかに引き上げると発表している。 これに対する農家ストライキを受け、同国内小売店では、牛肉・牛乳・鶏肉・調理油などの品切れが生じるようになっている。ストライキを組織した農家経営者の1人であるMario Llambias氏は、「政府による悪政のために、国民が食料不足に苦しむことになった」と同国政府を非難している。 一方でフェルナンデス大統領は25日夕方のテレビ会見で「脅迫には動じない」とし、同国政府が農家によるストライキによって政策を変える方針はないことを明らかにしている。 フェルナンデス大統領によると、輸出関税を引き上げることで、国内の貧困者にも食料を再分配することができ、農業生産者が商品価格の高騰による利益を過剰に得るのを防ぐようになるという。 アルゼンチンは2002年の経済破たん以降、農産品に関税をかけることにより経済を立て直し、年間経済成長率8%にまで回復を示してきた。また昨今の中国経済成長による中国からの農産品需要の高まり、世界的な原油価格の高騰などにより、穀物価格の上昇が続いている。アルゼンチン経済相Martin Lousteau氏によると、今後農産品への関税を高めることで、国内経済をより均等に発展させることができるという。 アルゼンチン農家では政府と輸出関税引き上げについて交渉を行いたいと要求している一方、政府は農家によるストライキが収まるまでは交渉するつもりはないとしている。