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[トピックス]ロシアの労働生産性はEU・アメリカと比較して30分の1

2008年04月01日 11:04更新 前の記事 次の記事  ロシア経済・社会一覧
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 ロシア経済貿易発展省は、ロシアの労働生産性はEU・アメリカの30分の1であるというデータを公表した。EUとの業種別比較において、ロシア宇宙ロケット製造業はヨーロッパに遠く及ばない。ロシアでの同部門の一人当たり労働生産性は1万4800ドルであるが、EUは12万6800ドルであり、アメリカは49万3500ドルである。また、ロシア造船業では船舶を製造するのに、韓国での3倍の時間がかかっている。

 投資会社Zherich Capital ManagementのアナリストであるMedvedeva氏は、ロシアの労働生産性は業種によって大きな格差があるとし、以下の例を挙げている。自動車製造業アフトワズの生産性は米Ford社の27分の1であるが、一方、通信会社の生産性はヨーロッパ諸国及びアメリカと同等の水準である。逆に、石油・ガス関連企業の生産性はEU・アメリカよりも高く、米エクソンモービルの500万ドル/人、英国石油の300万ドル/人であるのに対し、ルクオイルは800万ドル/人、ノヴァテクは560万ドル/人である。同氏は、市場で高いシェアを占めている石油・通信・ガスの業種が、機械製造業、エネルギー産業等、他業種の低い労働生産性を補完していると考えている。

 ロシア経済貿易発展省は、特定の業種における労働生産性の低さを問題視しており、長期的な社会経済発展の指針を策定した。その中には、今後13年間で、労働生産性を平均2.4倍引き上げ、特定の業種(航空機産業・造船業・宇宙ロケット製造業・自動車製造業)に関しては4倍まで引き上げることが明記されている。

 投資会社KITFinanceのアナリストであるPolevoy氏は、ロシア経済貿易発展省が策定した指針によって労働生産性は年間10%程度上がると予測している。労働生産性がもっとも上昇したのは2003年であり(7%)、2007年全体における同指数の上昇率は6%であった。同氏は、2007年における労働生産性は比較的高水準となったが、業種によって大きな格差があると指摘した。

 Alfa-BankのアナリストであるOrlov氏は、現在のロシアの生産性向上を考える際に、重要な点はロシア経済の多様性にあると考えている。同氏は、「ロシアには生産の近代化を妨げる障害がある。それは、業種がある分野に集中し、大企業が多数あることに関係している。一方、中小企業には近代化を促進するだけの資金がない。こうした障害がなくなれば、ロシアの労働生産性は2.4倍以上上昇するだろう」と指摘する。

 他の専門家は、設備投資にもっと積極的になることが必要であると述べている。設備投資によって、労働生産性を維持するだけではなく、上昇させることが可能となるからである。Polevoy氏は、「この1年半ほどの間に増加した設備投資によって、労働生産性の水準は維持された。積極的な設備投資が続けば、労働生産性のもう一段の上昇につながるだろう。労働生産性を上昇させることは、労働人口が次第に減少していく上で重要な問題である。長期的には、賃金上昇率と労働生産性上昇率は同等になり、労働生産性の向上に好影響を与えるだろう。」と考えている。

 B.I.N.BANKのアナリストであるBelashov氏も同様の意見を述べている。しかし、同氏は、もう1つの問題点を指摘する。それは、現場の人材が不足していることである。同氏は、「資金的な面には十分に注意が向けられているものの、生産それ自体は注目されておらず、生産性向上のための投資がされていない。実際に生産現場で働いている労働者の多くが、年配者である。それは、若い世代を教育する人がいないためである。生産性を上昇させるためには、この問題点を解決しなければならない。」と考えている。

 ロシア経済貿易発展省が策定した指針は、当然、ロシア経済の発展に寄与するだろう。しかし、多くの専門家は全てが計画通りにいくとは考えていない。石油価格の上昇が続けば、経済発展に向けた革新は難しくなる。投資銀行TRUSTのアナリストであるBragin氏は、オイルマネーは立ち遅れている技術革新問題を解決する手段とならないと指摘する。同氏は、「オイルマネーによる余剰な利益は逆効果をもたらす可能性がある。ロシア経済貿易発展省は、技術革新の可能性を大きく見積もりすぎている。」と言及した。

 また、Sobinbankの市場分析主任アナリストのRazuvaev氏によると、石油価格高騰によってロシア人の収益は上がっている。同氏は、「数字上ロシア人は働いている以上に高収入を稼いでいる。しかし、実際の労働生産性は低いままである。これはソビエト時代の名残である。労働生産性を上げるには、経済の主要分野において実際の労働市場が必要である。実際の労働市場とは、労働者が自分の能力に見合った収入を得られる市場である。また、国民一人一人に、一生懸命働かない限り、収入を得られないことを認識させなければならない。政府の政策以外に労働生産性を高める方法は、ロシアのWTO加盟であり、このことが効率的な労働市場の形成及び労働生産性の向上に貢献するだろう」と指摘する。

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