[トピックス]ロシア財務省の税制改正案
3月28日、ロシア財務省は「2009-2011年における税制改革の主要方針」を政府に提出した。当初、2008年2月に政府は今後3年間の税制を審議する予定であったが、大統領選挙があったため延期されていた。大統領選挙も終わった今、税制改正案の審議を妨げるものはない。
税制改革の主要方針では、付加価値税に関する管理体制の改善などが審議されている。第一に、財務省は、輸出に課される付加価値税免除のために必要となる提出書類の簡素化を提言している。特に、企業による取引支払証明書の提出が不要となる可能性がある。また、輸出品の供給先が外国人でなければならないとの条件も撤廃されるとみられる。第二に、ロシア財務省は、輸出管理を強化するため、税務署及び税関が輸出品目に関する情報共有システムを確立することが不可欠であると考えている。
また、2008年中に、輸出企業に対する付加価値税の一部が税関で返還されるようになる。これによって、申告の監査後、控除の適用が正当である場合及び控除が不当である場合の二通りの対応策がその場で提示されることになるだろう。
税制改革の主要方針には、社会的サービスに従事している非営利団体の付加価値税を撤廃する法案がすでに作成されていると明記されている。対象となるのは、病人・障害者・老人の看護、就学前幼児の保育である。こうした付加価値税が撤廃されれば、サービス提供者によって違っていた税金が等しくなり、政府(地方自治体)機関であっても、非営利団体であっても違いはなくなる。
一方、付加価値税の税率を下げることに関しては、財務省の主要方針の中で、2008年8月までにこの問題が解決されるだろうとしか言及されていない。
また、ガス関連企業に対する鉱物資源採掘税については、2011年まで現行の水準を維持する財務省の方針が確定した。随伴ガス採掘に対する鉱物資源採掘税の免除は、採掘事業者の随伴ガス利用度によって段階的に撤廃される予定である。
燃料に課される物品税に関しては、品質を基準に税率が変更される課税体系が2008年末までに採択される予定である。
また、クドリン財務大臣は、特別税(推定収益統一税体系、簡素化された課税体系、農業統一税)を整備する意向である。財務省のデータによると、2002-2007年における特別税適用納税件数は200万件から370万件に増加し(そのうち100万件は企業によるものである)、1.8倍となった。また、特別税として支払われた税金の額は3.3倍に増加した。
多くの企業は特別税適用の対象となるために、あらゆる手段を講じている。財務省は、企業が特別税適用によって課税される金額を最小限に抑えるため、故意に企業組織を分割している事例も多く見受けられると指摘する。従って、政府では、大企業ではなく、零細企業が特別税を適用され、利益を得られるように、企業の基準を明確にする必要があることを認めている。その例として、推定収益統一税体系に従業員数の制限を設けることが考えられる。
財務省の主要方針では、外国企業に対する課税についても言及されている。財務省は2009年からロシア国内において発生した外国企業の収益に対する課税体系に関する問題の解決に着手するとしている。課税対象となる外国企業は、多数の地域において活動する場合でも、ロシア国内に駐在所を設立する必要があるとしている。
財務省は、外国企業が有限責任事業組合形態でロシア市場へ参入する場合、ロシア国内に駐在所を置くことが必須条件であることを盛り込むように提案している。こうすれば、有限責任事業組合は外国企業(株式・有限会社など)と同様な扱いを受け、発生した収益に対し、24%の税率が課税される。
個人所得に対する収入別累進課税への変更が、以前から提案されていたが、政府は現行の税率13%を維持することに固執した。
しかし、個人所得税に関しては税制の見直しも行われる予定。例として、子ども一人当たりの扶養控除を600ルーブルから800ルーブルに引き上げることが提案された。同時に、適用制限も撤廃される可能性がある。
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