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[トピックス]金融危機の影響がもっとも深刻なのは世界の大手銀行

2008年04月14日 19:03更新 前の記事 次の記事  コラム・金融一覧
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 格付け機関Fitchの主任アナリストであるFoks氏は、アメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機による影響がもっとも深刻なのは、先進国の国際的大手銀行であり、それが、今までの金融危機と異なる点であると指摘する。4月7日、Fitchは新しい報告書「銀行部門の構造的リスク」を公表した。その中には、銀行業務の環境がより厳しい条件に直面していると述べている。構造的リスクが高まり、アメリカで起きたサブプライム問題の影響でアメリカ・スイスの銀行システムが弱体化し、世界的に貸付の動きが急速に鈍化していることが認められる。

 アメリカ・スイスの銀行システムに対するFitchの格付けは「非常に安定的」であったが、そうした高評価には値しなくなったとFitchは指摘する。しかし、従来どおり、アメリカ・スイス型の銀行システムは、「安定的」と格付けされている多くの先進諸国で一定の水準を保っている。現在もアメリカの損失は拡大し続けているものの、銀行システムの全体的な資本に影響を及ぼすほどの額ではない(一般的な銀行危機の基準)。しかし、2008年には、前年に14%であった貸付額の上昇率が9%にまで急激に低下し、多くの発展途上国にも景気停滞の兆しが現れてくると予測されている。

 Fitchの試算によると、アメリカにおける銀行システムの景況判断指数(BSI)が「A」から「B」に引き下げられたことは、2007年10月から、30以上の銀行及び金融機関の個別格付けに下方修正があったことを反映したものである。

 Fitch北アメリカの統括部長であるMoss氏は、「2008年を通じて格付け下方修正の傾向が継続されると予測しているが、BSIの今後の引き下げは考えていない。アメリカの大手銀行は、現在、銀行全体における時価総額の10%或いはそれ以上に相当する600億ドル以上の追加資金を調達している」と述べている。

 全体として、先進諸国のマクロ経済指標(MPI)は、発展途上国よりも高い。MPI3(もっとも高リスク)に属する先進諸国は4カ国である。そのうち、もっとも深刻なのは、アイスランドである。先週、アイスランドの大手銀行3行が「ネガティブ」格付けウォッチの対象となっている。アイスランド以外にMPI3に属しているのは、オーストラリア・カナダ・アイルランドである。しかし、これらの国における状況はアイルランドほど深刻ではない。「BSI A」(非常に安定的)に格付けされているのは、5カ国の銀行システムのみであるが、オーストラリアもその中に入っている。他にはルセンブルグ・オランダ・スペイン・イギリスが「BSI A」の評価を受けている(これらの国のマクロ経済指標はMPI2である)。

 イギリスにおけるノーザン・ロック銀行の破綻を別とすれば、これらの国では大手銀行に対する個別の格付け引き下げは実施されていない。イギリス・スペインでは、不動産部門の景気が悪化することが予測され、それが、銀行に対する評価の引き下げ材料となる可能性はある。また、イギリスでは、法人及び投資事業における収益が減少するとの予測があることから、こうした事業を積極的に関与している銀行の評価に影響が出る可能性もある。

 アゼルバイジャン・イランはもっとも低いE3の格付けがされている。しかし、アゼルバイジャンの場合、GDPに対する貸付の低さが格付け引き上げの材料になると見られる。ロシアはD3に格付けされている。同じくD3に属しているのは、カザフスタン・ルーマニア・トルコである。カザフスタンの銀行システムが外国資産に依存していることは、世界的金融危機の影響が早くに現れたことを意味している。現在、同国の貸付は急速に鈍化しているが、政府の強力な支援があるために構造危機は表面化していない。ルーマニアは、2007年、ヨーロッパの発展途上国の中でもっとも貸付額が伸びた国であり、今後貸し付けが低下するような気配はない。トルコでは、反対に貸付が低下している。マクロ経済指標がMPI3に入れられたスロバキアと同様、2007年におけるトルコの貸付の伸びは、MPI3に属している他のヨーロッパ発展途上国における貸付の伸びが30-60%であったのとは異なり、MPI3の枠内にかろうじて入るほどの上昇を示した。スロバキアの銀行システムは(BSI C)、発展途上国の市場にしては比較的安定的といえる。

 ペルシア湾岸のアラブ諸国は、総じて安定的な銀行システムを有している(BSI B)。また、このところ、これらの国では、貸付に対する需要が多く、金利が引き下げられたことによって流動性が増し、貸付の急速な増加が認められる。カタール・アラブ首長国連邦におけるインフレ上昇率は2桁となっている。両国のマクロ経済指標は「MPI3」に入れられた。ラテンアメリカでは、初めて「MPI3」に格付けされた国が現れた。ブラジルである。ブラジルは平均と比較するとより安定的である(BSI C)。


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