[トピックス]ロシア、世界銀行からの債務を期限前返済
ロシアは、世界銀行からの債務の一部を6月に返済する。これは、4月14日、財務次官のPankin氏が発表したものである。また、同氏は、将来的に、世界銀行からの資金の借入は受けずに済むようになると述べた。2005年、ロシアは、国際通貨基金及びパリクラブに対する債務を前倒しで清算しており、今後、世界銀行及び韓国に対する返済が予定されている。Pankin財務次官は、「現在、ロシアは融資を受ける必要がない。予算に余裕があり、安定化フォンドの資産を投資に回すことが議題となっている。その一方で、世界銀行より借入を行うのは合理的でない」と語った。
ロシア財務省の事前評価に基づくと、2008年4月1日時点で、予備資金フォンド(元安定化ファンド)は3兆1000億ルーブル、国民福祉フォンド(元安定化ファンド)は7740億ルーブルに達しているとみられる。こうした多額の資産を備蓄していることに対して、クドリン財務大臣は批判にさらされてきた。一方、ロシア統一電力システムのチュバイス会長は、ロシアが世界市場における問題に対処できているのは、安定化フォンドのおかげであると強調してきた。チュバイス会長は、仮に97年にこうした予備資金があれば、98年のデフォルトは回避できたかもしれないと述べる。
専門家は、世界銀行に対する債務を期限前に返済することによって、金利分を節約できると指摘する。SobinbankのアナリストであるPenkina氏は、対外債務を削減することによって、現在安全圏内にあるロシアの債務率はより低くなると述べる。
投資銀行TrustのアナリストであるBragin氏によると、期限前の債務返済は、ロシアのイメージを向上させる狙いで実施された。同氏は、「実際、債務は大きな金額ではない。対外債務の総額は、GDPと比較するとほんのわずかといってよい。しかし、返済の義務を負っている状態は好ましくないという考えから、こうした決定に至ったのだろう」と述べている。
投資会社Antanta Capitalの主任アナリストであるOsadchiy氏は、ドル安の時にドル建て債務を返済するのは懸命であるとは言えないと指摘する。こうした決定を行うには、状況を良く見極めなければならない。しかし、ロシアのクレジット格付けを上げるという財務省の意図が重要視されたものと考え、債務のコスト及び金額という観点からすると、返済は非常にプラスであるとしている。
財務次官のPankin氏によると、単一通貨での借入が6月に返済される。2008年中に、多通貨での返済が期限前に実施されるだろう。将来的に、ロシアは、世界銀行が参加するプロジェクトの資金を自己資金で調達することが可能となるだろう。
専門家は、債務返済には財務省の経済的側面以外に政治的側面も関係していると考える。SobinbankのPenkina氏は、世界銀行に対する債務がなければ、ロシアが世界銀行側から受ける圧力は弱まると指摘する。先に言及したように、ロシアが期限前に債務を返済するのは、今回が初めてではない。アメリカに対する農業債務(3億4325万ドル)も期限前に返済された。ロシア財務省のデータによる2008年1月1日時点の対外債務は449億ドルであり、前年比13.7%削減された。
投資銀行TrustのBragin氏は、期限前に債務を返済することによって、将来起こり得る衝突を回避することにもなると指摘する。同氏は、「財政という観点からすると、債務の返済がもたらす効果はないに等しい。国債の一部銘柄の格付けが上がることは考えられるにせよ、市場が債務の返済に大きく左右されることはないだろう。従って、債務返済による特別な効果はないと思われる。しかし、この債務を引き合いに出して、将来の国家予算が審議されることは少なくなるだろう」と述べる。
ロシア財務省は、世界銀行に対する債務返済の他に、旧ソ連時代における商業債務をユーロ債に転換する申請を7月までに完了したいとしている。専門家の評価によると、その額は6-7億ドル相当である。また、韓国に対する債務の期限前返済に関しても、協議が実施される予定である。この債務の額は12億9000万ドルである。政府間の取り決めによると、韓国に対する返済は、現金或いは商品の供給によって2025年までに実施されなければならない。

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